今週は5月SQ週(SQ値概算・16845円)でした。4月末は日銀発表で、株価は急落し、マイナスで引けました。この影響を引きずり、5月連休2日営業日で-500円以上売られました。今週も引きずり、SQに向け売られると見ていたが、逆に為替が円安に動いた事と重なり16800円台まで戻す場面もありました。値上がり局面では、為替が円安に動く事と重なるので難しい局面でした。
一瞬75日移動平均線を上回り、前週比で+500円以上値上がりしましたが、すぐ翌日75日移動平均線を下回りました。週末SQが終わったら売られ、約+300円まで上げ幅縮小して引けました。週間で+500円以上値上がりしなければ上昇転換と判断しません。下降相場の戻り局面の状態と判断されます。
今週末から来週で、2017年3月期業績予想発表はピークとなります。出揃ったところで株価は買われるか、売られるか、横ばいか。昨日までの発表内容では、思っていたより悪く無いと言えますので下げにくい要因とも言えます。また月末にサミットを控えているので、一時的に売られたとしても下げにくい様に感じます。為替の値動きの影響は大きいでしょう。為替はどちらに動くか。
東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、3月末477(225種32)銘柄→4月末482銘柄(225種49)→(5月12日)689銘柄(225種81)と少し増加してきました。5月2日の安値から800円以上戻した事も増加した理由ですが、チャート的には下降相場の戻りであり、今週の増加は戻り高値形成の可能性はあるものの、サミットを控えており、売られにくい面はあります。来週売られたら下げ止まりそうです。
数値的には東証1部で800銘柄以上に増加しなければ、上昇基調に転じたと判断しません。まだ700銘柄以下と弱い状態です。来週以降、銘柄数が減少したら戻り売られていると判断できます。800銘柄以上に増加したら上昇転換です。このあたりも相場の観察ポイントです。
個別株は、新興市場で好業績予想を発表した株は値上がりしていますが、急騰しており、高値形成局面が多いでしょう。上値を伸ばせる株は絞り込む必要があります。業績発表から動き出した株より、既に高値圏で発表しているものが多く見受けられます。出たところ高値圏と言う株は高値注意と見ておく必要があります。今後の業績発表には注目です。
<NYダウ 日足チャート>
NYダウは18000ドルに乗せた後、上値は伸び悩んでいます。売られたり、買われたりと高値でもみ合っています。25日移動平均線を挟み、高値で日柄調整に見えます。25日移動平均線を下回る状態が続くなら、調整局面は続くでしょう。25日移動平均線を上回れば再上昇チャレンジです。
日足チャートでは、75日移動平均線は上向きで、200日移動平均線を上回りGクロスしました。上昇基調パターンに転じた事を意味します。75日移動平均線を上回る状態での調整は、次は押し目形成とみます。押し目は浅いほど、株価状態の強さを意味します。
現在は25日移動平均線を挟み調整中ですが、75日移動平均線を上回る間は、下げたら押し目形成と見る状態です。月足では6ヶ月移動平均線を上回る上昇基調であり、押し目形成と判断されます。6ヶ月移動平均線を下回ると下降転換するでしょう。日足チャートでは、75日移動平均線を下回らなければ上昇基調は続くと判断されます。5月も上昇相場を維持できるか観察です。
<ドル円 日足チャート>
ドル円相場は円高基調を続けていましたが、4月末に向け日銀発表を先取りし、111円まで円安に戻したところ、日銀発表が現状維持であった事を嫌気し、一気に円高に振れました。5月2日に106円まで円高となりました。短期的に急激な円高の後、そうした後でもあり、今週の為替相場の短期の方向性は難しかった。25日移動平均線、109円近く(約3円)まで円安に戻した形となり、先物は約1000円値上がりしました。
日足チャートでは、200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線は下向きの円高方向を示しています。今週は25日移動平均線まで戻した形となりましたが、短期的には25日移動平均線を上回れなければ、これ以上の円安はありません。来週は25日移動平均線を上回れるか。下回る円高基調は続くか。このあたりが観察ポイントです。
<日経平均 月足チャート>
4月は6ヶ月移動平均線(17700円)まで戻したが、4月末に売られ、前月比マイナスで引けました。5月も-500円安で始まったが、今週では-100円台まで縮小しました。縮小しても30年平均線(16900円)を上回れなければ、上値抵抗線を突破できません。次は6ヶ月移動平均線を上回れなければ、上昇相場には戻せません。引き続き、30年平均線(16900円)あたりが上値メドになります。
5月も30年平均線(16900円)、6ヶ月移動平均線(17000円)を下回る状態は下降相場が続きます。2017年3月期業績予想が出揃った後、下げ渋る動きは出るのか、売られるか。来週以降からサミットに向けた観察ポイントです。
<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>
今年に入ってから「507」裁定買い残は15億株を挟んで横ばい状態、又は小幅な増減の状態が続いています。裁定買い残と日経平均がリンクして動かなくなったと感じます。増減しても山は小さくなり、15億株前後での小幅な増減です。少し前の記事に、日銀がETFを買っている事で、ETF換算で、日銀が筆頭株主になっている225種株が増えたとありました。今後も買い続けるならETF換算で225種全て、日銀が筆頭株主になる可能性ありと。国家が筆頭株主になるとは歪な株式市場と言えます。
今までは先物と225種個別株の裁定取引のため、裁定買い残は増加したり、減少したりしてきました。日経平均の分析する上で、裁定買い残の増減は、方向性を見る上で参考になる資料でした。最近は225ETFと225先物の裁定取引の割合が増えました。又はシフトしたと言う感じです。ETFに資金が流れた分、裁定買い残は増えなくなった様に感じられます。もしETFにチェンジするなら、裁定買い残は増えなくなりますが、6月SQに向け増えるか、減るか観察です。
<日経平均 評価損率 週足チャート>
「610」評価損率(2/12)-25%でボトム形成し、4月(22)3週目に-8%で戻り高値を形成した形です。4月末は日銀発表で売られ-11%まで悪化していますが、数値の上では戻りの売り場でした。いつ売られても不思議はなかった。日銀発表という形で売られたが、まだボトムとは言えません。
5月連休で下げたので、評価損率の数値は悪化していると見られるが、評価損率の数値から見る底値ゾーンは、-15%から-25%まで悪化しないと下げ止まりゾーンと言えません。引き続き、6月に向けた観察ポイントです。
<東証マザース指数 日足チャート>
今週も「107」東証マザース指数は高値維持しています。東証1部市場が弱含みの中で、新興銘柄、マザース市場は活況を維持しています。4月末は高いと見えましたが、日足チャートでは、25日移動平均線を上回る状態を維持しています。25日移動平均線を上回る状態を維持するなら、上昇基調は維持され高値更新の可能性は続きます。業績発表後も25日移動平均線を維持するなら強気ですが、高値警戒の両面で見て下さい。
<日経平均 日足チャート>
4月末の日銀発表による下落はイレギュラーな下落となりました。5月連休が明け、今週SQに向け売られるかと見ていましたが、為替が約3円円安に動いたことで、株価は5月安値から約800円値上がりしました。チャート的には75日移動平均線まで戻したところで売られました。75日移動平均線を上回れず、弱い戻りと言えます。
チャート的に75日移動平均線を下回る状態は、下降基調です。来週は、75日移動平均線を上回れるか確認するところです。75日移動平均線を上回れば底入れの動き、上回れなければ戻り売りの動きと見ます。短期的に10日移動平均線と75日移動平均線は、Dクロスしたところで戻り売りパターンです。10日移動平均線が75日移動平均線を下回ったので売られます。来週SQ明けの観察ポイントです。
日足標準条件NO9・18.22RCIでは、18日RCIは80ポイントから-50ポイントまで下がりました。22日RCIは10ポイント以上と下げ余地を残している形です。18.22日RCIは-50ポイント以下に下がり、反転する形になれば株価的にはボトム接近です。来週以降の観察ポイントです。
トランプ氏、クリントン氏にも勝つか。どうなる米国大統領選。伊勢志摩サミットに向け下げるか、上がるか。中国指数が売られ始めた影響は出るか。どう動く世界市場。
臨時コメントについて
相場が急変したり基調が変わるようなときには、その都度臨時コメントが掲載されます。
臨時コメントは株の達人ユーザーのみのサービスです。
↓ブログでは日経平均や先物、ミニ先物などの分析を掲載しております。ほぼ毎日更新!ぜひご覧ください。
本日の市況と個別株徹底解説
https://www.sevendata.co.jp/user_blog/