伊勢志摩サミット(G7)は成功したか。安倍首相は現状の認識について、エネルギー・食料・素材など商品価格は「リーマン・ショック前後の下落幅55%と同じ」、新興国の投資も「リーマン・ショックより低い水準まで低下」、リーマン級の経済危機再燃を警戒すると述べました。
首脳宣言「3本の矢、相互補完的な財政、金融及び構造政策の重要な役割を再確認した」との文言を盛り込む事に至ったが、今の世界経済は、経済危機寸前の状態にあり、危機が起きた場合は、財政出動する事には一致に至った。G7では、現状「リーマン・ショック前後」で意見が一致している事は、深刻な状況と言えます。
いつ何が起きても不思議は無い。起きた時は直ちに協調財政出動で危機は拡大させない。起こりうるとしたら、先進国でなく新興国が引き金となると言うことでしょうか。この様な意見で一致する状況は、今は株は買うな、株式投資には不向きとも聞こえます。心配される事はリーマンショック前に状況が酷似している事でしょうか。
消費増税についてはハッキリ述べなかったが、リーマンショック前の「不景気+円高」不況と認めているのに「+消費増税」すると発言したら「大不況+デフレ逆戻り」になりますから、「リーマンショック」の引き金を引くようなものです。増税発言したら「大不況+デフレ」=「株価大暴落」と言うことになりますから出来ないでしょう。
株式市場を見ますと、2017年業績予想は出揃いました。今週は伊勢志摩サミットを控え、小幅な様子見相場と感じられました。来週から6月相場入りしますが、5月は残すところ2日、プラスで引けるでしょうか。2017年業績予想発表後、株価が動かない事は織り込み済みと判断されるのでしょうか。またサミットが終わり、為替はどう動くか。業績で株価が動かなければ、為替が動いて株価は動く可能性はあります。
日足チャートでは、25日移動平均線は75日移動平均線を上回り、株価は25日から75日移動平均線を上回っています。チャート的に、25日移動平均線が75日移動平均線を上回った事は下げ止まりの動きであり、株価が75日移動平均線を上回っている状態も下げ止まりから底入れ確認する状態にあります。
業績予想発表後、日経平均は目立って値上がりしてませんが、75日移動平均線を上回ってきたことは、下げ止まりの業績評価されていると言えます。6月も75日移動平均線を上回っていれば底入れに向かっている。75日移動平均線を下回ってきたら再下落に転じたと判断されそうです。
日足チャートで75日移動平均線(16550円)を上回っても、月足では30年平均線(16900円)を上回れなければ再上昇に転換したと見る事はできません。下げ止まりからの戻り相場と見るには弱い状態です。6月以降、30年平均線(16900円)を上回れるかどうか。このあたり再上昇に向かっているか判断できる上値メドです。75日移動平均線を下回ってきたら再下落に転じた心配があり、上下どちらに放れるか観察するポイントです。
東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、3月末477(225種32)銘柄→4月末482銘柄(225種49)→(5月26日)741銘柄(225種83)と増加してきました。今週は前週比では約100円と小幅でした。今週もまた上値は重かった。まだボックスの範囲と言えます。
6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、東証1部で800銘柄以上に増加しなければ上昇基調に転じたと判断しません。まだ740銘柄では弱い状態です。来週以降、800銘柄以上に増加したら上昇転換です。下回る状態なら弱いと言えます。このあたりも相場の観察ポイントです。
個別株は、熊本地震の復興関連銘柄が値上がりしています。復興関連株、好業績株、割安株は買われましたが、主力株の日立、パナソニック、トヨタ、キャノン、主力銀行株は買われていません。主力株が買われなければ、日経平均の上値は重くなります。
主力株の上値が重い状態では、小型好業績株、新興市場の成長株、材料株などの物色相場となるか。または新興市場から東証1部銘柄にシフトが始まるのか。新興銘柄問わず、株価位置が高い株は売られる心配があるので注意が必要です。サミット後、復興関連銘柄など、どの様な株が動くか注目です。
<NYダウ 日足チャート>
NYダウは4月に18000ドルに乗せた後、上値を切り下げてきていましたが、今週は75日移動平均線で切り返してきました。75日移動平均線を上回る状態で下げ止まり切り返したので押し目形成か。75日移動平均線を下回らず切り返し、25日移動平均線を上回ってきました。
日足チャートでは、75日移動平均線は上向きで200日移動平均線を上回る上昇パターンです。株価は75日移動平均線を下回らず、切り返し25日移動平均線を上回ってきました。25日移動平均線を上回り、再上昇に転じたと見る状態です。6月以降も25日移動平均線を下回らなければ高値更新期待です。
月足チャートでは、6ヶ月移動平均線を上回る上昇基調を維持しています。6月に入っても6ヶ月移動平均線を上回っていれば、上昇相場は維持されています。6ヶ月移動平均線を上回る状態で、日足チャートで75日移動平均線を下回らなければ上昇基調は続くと判断されます。6月も上昇相場を維持できるか観察です。
<ドル円 日足チャート>
今週のドル円相場も25日移動平均線を上回り、110円前後の円安で推移しています。25日移動平均線を上回って推移しているので円安基調を維持しています。6月も25日移動平均線を上回る状態を維持できれば75日移動平均線(112円)前後まで戻せるか。サミット後、6月はどう動くか。75日移動平均線に向け円安に戻せるか。25日移動平均線を下回るか確認です。
日足チャートの状態は、200日移動平均線、75日移動平均線は下向きの円高方向を示しています。25日移動平均線を上回る状態ですので短期的には円安維持です。再度25日移動平均線を下回ると円高基調に戻します。このあたりが6月に向けた観察ポイントです。
<日経平均 月足チャート>
今週も16900円台に乗せましたが、月足チャートでは、30年平均線(16900円)を意識しているので上値は重いと感じられました。6ヶ月移動平均線(17100円)と30年平均線(16900円)は接近しています。6月にも6ヶ月移動平均線は30年平均線(16900円)を下回るDクロスしそうです。6ヶ月移動平均線が30年平均線を下回ってしまうと、株価の上値メドは下がってくるので売られる事を意味します。
6月は30年平均線(16900円)を上回れるか。上回れなければ6ヶ月移動平均線が30年平均線を下回り、株価は売られるパターンの心配があります。引き続き、6月も30年平均線(16900円)が上昇に転ずるかどうかの上値メドと見ています。16900円を上回れなければ戻り売り相場は続くと見ます。価格的に6ヶ月移動平均線(17100円)以上に戻せないと上昇相場に戻せないと見ておく必要があります。6月の観察ポイントです。
<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>
今月に入っても「507」裁定買い残の減少傾向は続く。5月は13億株まで減っています。裁定買い残が増加すると日経平均は値上がりし、リンクして動いてきました。今年から裁定買い残と日経平均はリンクしなくなりました。日銀による年間3.3兆円のETF(225種)買いから、個別株からETFに資金シフトしている様です。
今までは先物と225種個別株の裁定取引から裁定買い残は増加したり、減少したりしてきました。日経平均の分析する上で、裁定買い残の増減は方向性を見る上で参考になっていました。225種ETFと225先物の裁定取引へシフトした事からETFに資金が流れ、裁定買い残(個別株)の割合が減った様です。それでも6月SQ以降、どう動くか観察するところです。
<日経平均 評価損率 週足チャート>
5月連休明け「610」評価損率(5/13)-10%→(5/20)-11%と少し悪化しました。10%以上は戻り高値ゾーンまで戻したところから悪化したので戻り売りの可能性もあります。-10%から-5%の範囲は上値は重くなる。戻れば売られやすくなると見る数値です。-10%以上から-5%範囲に戻したら高値圏と見なければなりません。
評価損率は、-15%から-20%の範囲に下げてきたら、株価は売られ過ぎた水準からボトムゾーンです。今週の株価は横ばいであったから小幅な動きか。引き続き、6月に向け観察ポイントです。
<東証マザース指数 日足チャート>
前週「107」東証マザース指数は25日移動平均線を下回るまで売られ、週足では大陰線となりました。今週どう動くか観察するところであったが、小幅な動きでした。6月は25日移動平均線を上回る上昇に戻せるか。25日移動平均線を上回れず、戻り売りに転ずるか。75日移動平均線を下回らず切り返せれば押し目形成と判断されるでしょう。25日移動平均線を上回る状態に戻せるなら上昇転換です。
75日移動平均線と25日移動平均線の2線幅は拡大状態であり、75日移動平均線まで下げると調整幅は大きくなります。25日移動平均線を上回れない状態は、高値の調整局面と見る動きです。戻り売りに転ずるか、上昇基調に戻せるか。25日移動平均線を上回るかどうか判断ポイントです。
<日経平均 日足チャート>
前週から25日移動平均線は75日移動平均線を上回り、下げ止まりパターンに転じてきました。25日移動平均線が75日移動平均線を上回った。株価は75日移動平均線を上回った事で、下げ止まり底入れパターンと見る動きですが、本物かどうか。6月も75日移動平均線を上回った状態なら止まり、底入れに向かうと判断します。75日移動平均線を下回ると再下落に転じます。
チャート的に75日移動平均線は下向き→横ばいに変わり、25日移動平均線は上向きに転じてきました。サミットは終わり、来週は75日移動平均線を上回る状態を維持できるかどうか。本物の下げ止まりに向かうか。上昇相場に向かうか。確認するところです。75日移動平均線を下回れば戻り売りに転じます。
日足標準条件NO9・18.22RCIでは、18日RCIは-50ポイントから転換してきました。18日RCIは、60ポイントまで上がってきました。もう少し上げ余地を残しています。80ポイントまで高くなると高値警戒か。6月SQに向けて売られる様に見えるが、上下どちらかに動くか。75日移動平均線を挟んでどう動くか。6月の観察ポイントです。
伊勢志摩サミットの後どう動く。リーマン前の経済状況と同じか。広島訪問オバマ大統領に感謝。第二のリーマンは中国発か。2017年業績発表出揃ったが相場は織り込み済みか。どう動く世界市場。
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