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NYのザラバ高値をチェック
日本の参院選はサプライズなく与党が大勝、三分の二を窺う勢いで終わった(最終結果は不明)。マーケットへの影響は限られると思われるが、ただネジレのなくなった国会は株式市場にとって悪いことではない。
その参院選より注目されたのは8日のNYダウ「年初来高値更新」だ。6月の雇用統計が28.7万人と市場予想(17万人)を大きく上回ったことを好感、250ドル高18146ドルと急伸、4/20終値18096ドルを突破した。英国ショックで6/27には17063ドルまで下げ「陰転」を臭わせていたが、そこから切り返して節18000ドルを一気に抜き高値更新という動きはチャート「好転信号」でもあり、次に目指すは昨年5月に付けた過去最高値18351ドルとなる。
ただし、1つ気を付けておきたことがある。マスコミなどが「高値更新」と言うのは終値ベースでの話。ザラバベースでNYをみると4/20高値は18167.63ドルで、8日高値は18166.77ドル。日足チャートでは「まだ0.86ドル手前」で高値に肩を並べたところで、日足、週足は「Wトップ」という状況でもある。3ヶ月の調整期間を経て18000ドルの節を抜いた動きはたしかに強く好転信号でもあり、世界市場の屋台骨としてNYダウの高値更新は注目すべきポイントではある。だが、ザラバ高値18167ドルを抜けないようだと「Wトップ懸念」が燻ぶり続けることになる。その意味で、今週はNYダウがザラバベースでも高値更新することを1つ確認したい。
NYダウ日足
さて、日経平均は15106円と先週は4日続落で終えた。7/4まで6日続伸、サイコロが10勝2敗を付けた反動が出たカッコウだ。8日の米国市場でCME先物が220円高い15340円で終えており、今週はそれにサヤ寄せして始まるだろうが、その水準はボリ「-1(15331円)」や転換線(推15455円)のところで、ポイントの25日線15849円にはまだ幅がある。また、対ドル、対ユーロなど為替のチャートも「円高」の流れが続いており、ドル円で25日線の104円処にはやはり幅がある。
日経平均日足
ドル円日足
6/24安値14864円は「2月安値14865円」の「一文下」で、二点底になるのか注目点ではある。だが、いまの時点では「二点安値」であって、「二点底」となるには少なくとも25日線突破が必要だ。もう1つ注目されるのは裁定買い残で、7503億円(7/1現在)と大きく減少しており先物の需給が大きく改善していること。こうした状況でNYダウが高値更新を明確にするなら、同時株高から日本株も「裁定買い」を誘って意外高に発展することも可能だ。
暑い夏となるか、夏枯れとなるか、そのポイントを日経平均の25日線にみておきたい。
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