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出尽くしの8月
注目イベントのFOMCと日銀政策決定会合を終えた。日銀は追加緩和を決めたが、その内容はともかく日経平均は決定のあと短時間の間に700円超の乱高下を繰り返した。このような異常な乱高下は超高速取引アルゴリズムの仕業であること間違いなく、コンピューター売買(先物)が相場を支配する時代になっていることを物語るものである。
さて、乱高下したものの29日の日経平均終値は92円高16569円と上昇で終えた。チャート的には「もみ合い」で、25日線や75日線、13週線や26週線を下支えとして上向きの流れは継続している。裁定買い残が依然8247億円(7/2現在)と低水準であるから「裁定買い」が入りやすく、4月高値17613円を目指すことも想定される。
ただし、日足は7/21の変化日高値16938円と、そこで描いた「宵の明星」を残したままである。そして、29日の米国市場で為替(ドル円)が102.00円(29日106.61円)と円高進め、CME先物は16320円、先物夜間取引は16310円(29日大証16610円)で終えている。この水準は先物の75日線(16373円)や26週線(16347円)を下回るところだ。
先物日足
8/3に政府は景気対策をまとめる予定だが、その骨格を安倍首相が先週すでに発表していることから市場はほぼ織り込み済みと言える。日銀決定会合と政府景気対策の「政策」に期待抱いて日経平均は7/21に16938円まで上げてきた。その政策が終わり、ここから「出尽くし」という試練を受けやすいところ。そんなところで米国の円高、先物下落であるから、8月となる今週の日本株は厳しい幕開けとなりそうだ。
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ドル円週足
ドル円日足
為替(ドル円)チャートをみると、最近は日経平均より一歩先を歩んでいる。その為替の週足チャートは引き続き「右カタ下がり」であるから、日経平均は7/29の下ヒゲ安値15910円や、さらに7/8安値15070円を試しに行くことも懸念される。お盆・甲子園の8月は「夏枯れ」となりやすく、外国人もバカンスシーズン。そして為替が円高基調とあれば、裁定買いが本格的に入ってくるのはもう少し先になること否めないだろう。
「休むも相場」。8月は夏休みという地合いになることも想定しておきたい。
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