今週は8月SQ明け相場です。前週は8月SQに向け高く清算させ、反動安の動きとなりました。価格的(8月SQ値・16926円)に高値に誘導し、翌週は反動安パターンでした。月曜日がSQ値より高く始まると、週間の値上がりする確率は高くなりますが、安く始まると値下がりする確率が高くなります。今週は安く始まり値下がりして引けました。SQ明けに良く見られる動きと感じられました。
株価は、75日移動平均線(17300円・下値支持線)を上回った事で下げ止まり感が出ました。上値は、月足で見る30年平均線(16800円)以上では売られやすい価格帯です。今週の動きを見ても、まだ30年平均線(16800円)以上の水準は売られやすく上値抵抗線となっています。しばらく75日移動平均線(16300円)から30年平均線(16800円)の価格帯を意識して推移しそうです。政府(日銀)ぐるみで株価を買い支えているので歪な相場形成をしている様にも見えます。
75日移動平均線(16300円)を上回っている以上は、9月SQに向け高く持って行こうとするでしょう。日経平均を高く買い上げても、30年平均線(16800円)以上の水準で値上がりを維持させるのは長続きしないと見ています。9月SQが終わればまた売られると見ていますが、11月の米国大統領選まで買い支えは続くだろうと見ていますので、9月SQ以降は16000円台のボックスが続くのではないかと見ています。下落の先送りとも感じられます。
ブルームバーグのニュースでは、8月初旬時点で、日経平均株価を構成する225銘柄のうち75%が日銀が大株主上位10位以内に入っており、ヤマハに至っては既に事実上の筆頭株主状態にあります。日銀はETFの保有残高を年間約3兆3000億円から6兆円まで増やすことを決定しました。従来枠のETF買い入れは、1回当たり336億円から8月707億円倍増させました。2010年に年間4500億円でETFの買い入れがスタートして以降、過去最高ペースで購入したとあります。
日経平均やTOPIXなど、買い入れ対象指数の構成銘柄に対する存在感も増しています。日銀以外の株主の比率が現状のままと仮定すれば、実質保有率が5.31%のセコム。4.55%のカシオは来年3月までに、エーザイや電通、安川電機、ニチレイも日銀が筆頭株主化するとあります。
17年末ファナックや京セラ、テルモ、ダイキン工業、TDK、住友不動産、オリンパス、アドバンテスト、三越伊勢丹ホールディングスも加わり、日経平均構成銘柄の4分の1を占め、18年末には82銘柄と全体の3分の1を上回る見込みとあります。本来なら今の市場は弱く、買い支えないと維持できず、官製相場の色合いが濃い事が分かります。
買い入れを強めたのは、英国EU離脱から危機感が強まったからと感じられます。第一四半期決算が終わって感じられること。政府発表の経済指標は、2四半期GDPはアップしたとしているが、実際の経済の数値は、かなり違いが感じられます。昨年度より外国人来日数は増えている様に言っているが、本当のところどうなのでしょうか?毎月大阪ホテルに泊まるが、昨年までイッパイだった中国人宿泊客は今年3月過ぎからサッパリ見なくなった。
成田空港を結ぶ9009・京成電鉄は前期比で-1.7%。新幹線の9022・JR東海は前期比-0.1%。ホテルの9681・東京ドームは前期比-4.2%。9206・スターフライヤー航空は前期比-3.3%。観光に必要な交通機関は前年よりマイナスが多い。また生産に必要なエネルギーの電力、ガスの売り上げは前期比マイナス。9502・中部電力(今期予想・他は無い)を見ても、電力会社の減収は電力消費量がマイナスだからでしょう。秘密保護法が出来てから報道は変わった様に感じられます。
実際はかなり悪くなっているから、少しでも良くなっていると言うしかない。良ければ日銀まで買い支える必要はないはずだが。。1965年の証券不況の後、山一証券の日銀特融後や、1990年の資産デフレ不況から、政府は「株式買い取り機構」などを作り、ダブついた株式を安値で買い取り、高値で売って大きな利益を上げた歴史があります。今回の日銀は高値で買い支えているので、いつかこのしわ寄せがドカンと来る心配は残るでしょう。
日足では75日移動平均線(16300円)を上回る状態は、底入れ下げ止まりと判断されます。上回る状態を維持するなら上昇をイメージする。75日移動平均線(16300円)を下回れば、戻り売りに転換する。9月SQに向け上回る状態は維持すると見ています。
東証1部銘柄で、75日移動平均線を上回る銘柄数は、6月末442銘柄→7月末1099銘柄→8月19日693銘柄は維持しているが減少しています。8月に入り少し減ってきたが、日銀の225種株(ETF)買いで買い支えているので、日経平均は下げにくい状況にあります。日銀買いの予定額には達していないとのことで、9月に入ると買うスピードを上げると言う噂もあります。9月SQを控えていることも、高値に持って行きたいと言う意図がある様に思います。当面は米国大統領選まで続くだろうと見ています。
個別株は、75日移動平均線を上回ってきた銘柄は底入れの動きです。半導体関連株、電子部品関連株、金融関連株、値ガサ株が買われています。また225種株を牽引役に買い上げています。75日移動平均線を上回る銘柄から絞り込むのが良いと思います。9月SQに向け底入れから上昇銘柄が注目です。マザーズ、JASDAQなど新興市場は売られています。新興市場から東証一部市場に買いの流れは移っています。75日移動平均線を上回っている銘柄から狙いましょう。
<NYダウ 日足チャート>
NYダウは高値で乱高下しながらも高値更新の上昇基調を維持しています。200日移動平均線上向き、75日移動平均線上向き、25日移動平均線上向き。株価は10日移動平均線を上回る高値更新の上昇基調です。日銀も市場を支え、大統領選が終わるまで下げにくい様に感じられます。
25日移動平均線(下値支持線)に高い水準ではあるが、下げたら押し目形成と見る動きでしょう。25日移動平均線を上回る状態は強い上昇相場続くでしょう。25日移動平均線を下回れば売り転換しますが、大統領選までは押し目になりそうです。引き続き、高値更新相場の観察です。
<ドル円 日足チャート>
ドル円相場は、100円の円高でも株高を維持しています。米国から為替操作だ!と釘を刺され、為替介入できなくなった。その理由もありETF買いに切り替えたものと考えます。それでも100円前後の買い支えは黙認されているように思います。日経平均が値上がりするならば、為替の動きを気にする必要はなくなります。
月足では10年平均線(100円・下値支持線)は意識されています。日足チャートでは200日移動平均線下向き、75日移動平均線下向き、25日移動平均線下向き、25日移動平均線を下回る円高基調の状態ですが、月足で見る10年平均線(100円・下値支持線)はキープできるか観察です。
<日経平均 月足チャート>
日銀のETF買いから、思ったより下げず、6ヶ月移動平均線(16600円)前後を維持する動きになっています。このまま、6ヶ月移動平均線を上回るなら上昇は続くと言えますが、ただ月足では30年平均線(16800円)が重い上値抵抗線となっています。6ヶ月移動平均線(16600円)を上回っても、30年平均線(16800円)を上回る状態を維持できるかは、まだ日柄整理を必要とすると見ています。
8月は6ヶ月移動平均線(16600円)を維持できれば、9月SQに向け30年平均線(16800円)を上回る上昇もありそうです。米国大統領選まで16500円前後は買い支える様にも感じられます。上値は重い中で、どこまで上値を伸ばせるか観察です。日銀の買いにより上値の伸び幅は決まりそうです。
<東証マザース指数 日足チャート>
8月の「107」東証マザース指数は、200日移動平均線を下回る弱い状況です。まだ200日移動平均線に沿って停滞中と言えます。東証マザーズ市場で、75日移動平均線を上回る銘柄数は、4月130銘柄→5月145銘柄→6月150銘柄→7月80銘柄→8月(19)47銘柄まで減少しました。日銀は225種を買い支えているので、外国人投資家は新興市場を買ってない事が分かります。もうしばらく新興市場の調整局面は続きそうです。
日足チャートでは、25日移動平均線と200日移動平均線を下回り弱い状態です。下降相場の弱い状態と言えます。大きく売られ、下げたら買い場になりますが、しばらく様子見と言えそうです。いつ頃から上げ始めるか観察です。
<日経平均 日足チャート>
前週はSQ週で、16900円まで値上がりしました。今週のSQ明け相場は売られましたが、日経平均は75日移動平均線を上回る状態は維持しています。下げ止まりから底入れの動きと判断できます。また75日移動平均線を下回れば下降相場に逆戻りしますが、上回っている状態は上値指向は続いていると言えます。
このまま75日移動平均線を上回る状態を維持するなら、9月SQに向け値上がりすると見ています。日銀は予定消化まで買っていないと言われています。日銀が買うなら、その前に外国人投資家は買おうとするでしょう。その後の高値を日銀に買ってもらう戦法です。9月は200日移動平均線を上回ることを期待したい。再度75日移動平均線を下回ると戻り売り相場に逆戻りします。その点は注意が必要です。9月相場に向け、どう動くか観察です。
日銀のETF買いは9月からか。その前に外国人投資家は買うか。外国人売り始めたら高値形成。米国大統領選挙まで下げにくくなっている。どう動く世界市場。
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