富田のトレチャ 2016年09月12日

★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のチャートクラブ blank

NY陰転、日本株は下放れ懸念

週末の9日、米国市場が荒れた。NYダウは394ドル安18085ドルと急落、チャートは8/2安値18247ドルや75日線18195ドルを割り込んだ。FRB利上げ観測や債券金利上昇が懸念されたが、理由はともあれ世界の屋台骨NYの陰転は「同時株安」を招きかねず、要注意である。

NYダウ日足
NYダウ日足

NYダウの日足は、7月に切り返して一気に高値を更新した。だが、そのあと「W」や「三尊」の高値を形成して崩れてきた。この流れは以前に指摘した「2000年4月ITバブル天井時の日経平均」と似ているので気がかりだ。

2000年4月天井時の日経平均日足
2000年4月天井時の日経平均日足

日経平均は8/26に16320円まで下げ「下放れ」を臭わせた、そこから一転、9/5に17156円まで上げ「上放れ」を示唆した。だが、そこで「三空」の高値となり先週はジリ安となり、そして9日の米国波乱。8/26の下放れはダマシになったが、今後は9/5の上放れがダマシになる可能性出てきた。

日経平均日足
日経平均日足

9日のCME先物は大証比210円安16650円。今週の日経平均は16700円台にある下値ポイントの25日線と下値抵抗線を試すことになる。チャートの波動は改めて「三角保ち合い」になっており、下放れのポイント「16700円割れ」をまず注視することになる。

9日はメジャーSQであったにも係らず、出来高が異常に少なかった。日銀が7日に続きETFを733億円購入したが、行き過ぎの官製PKO相場で投資家が日本市場から離れている可能性否めない。そして、SQ明けの今週から12月限の方向性を占うことになるが、まずは下向きが濃厚。

日本国債利回り週足
日本国債利回り週足

そして今月は21日に日銀金融政策決定会合とFOMCを控える。それまで1週間以上の間があり、株式市場が下げるなら「金融政策」を控えて下げ渋ることも想定されるが、当局の政策(切り札)は乏しい。日米とも債券利回りが上昇しており、イエレン議長の手腕が改めて試されることになるが、波乱の秋は始まったばかりで、10月の「3日新甫」を踏まえると、日銀会合とFOMCのあと「失望感」広がることが懸念される。NYダウの「陰転」はそうした懸念の台頭をイメージさせる。

→富田のトレチャ:目次へ

(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます!  詳細・お申し込みはコチラ