日経平均株価の動き(2016年10月28日)

今週、75日移動平均線と200日移動平均線はGクロスしました。昨年8月に、株価は75日移動平均線を下回り、下降転換してから約1年になる、調整した相場は続きました。調整相場の後、75日移動平均線が200日移動平均線を上回るところは上昇初動と見る転換点です。25日騰落レシオは146ポイントまで高くなりました。25日騰落レシオの数値だけを見れば高値警戒ゾーンと言えますが、相場の初動は高くなって始まる性質があります。

10月からの上昇転換を上昇初動と見るなら、下降ボックス相場が終わった事を意味するので、次はトレンドで株価の動きを見てゆく事になります。上昇基調に動きが変わると、株価が25日から75日移動平均線を下回らない限り、上昇相場は続くと見ます。

逆の見方をすると、戻り相場の戻り高値と見るなら目先は売り場になります。同じく25日移動平均線を下回れば、売り転換となります。目先は25日騰落レシオは高くても、ここからは25日移動平均線を上回る状態は、上昇相場が続くと見てゆきます。中間決算は出始めたところであり、決算動向と株価動向を観察するところです。

「国策に売り無し」の相場格言のごとし、7月に日銀が日経平均ETF買い3.3兆円→6兆円に増額してから、市場の売り物は吸収され、株価は下げ渋りから上げに転じてきました。今年の外国人投資家の売越額の約6兆円の受け皿は、全て日銀の買いで吸収した形です。今後も「国策・日銀買い」政策を続ける限り、売り物は拾われてしまうでしょう。

外国人投資家の売越額6兆円は2012年以降、1014年まで買い越した金額です。ほぼアベノミクス買いで儲けた分を売った事になります。ドルベースでは円高、ユーロ高になった事で、まだ165ドル以上の高値圏で推移しています。外国人投資家は、売りものを吐き出したわけです。もう売り物はないので、今後、日銀の買いに、外国人投資家の買いが加われば、株価は大きく上げる可能性があります。

過去30年間を振り返ると、外国人投資家が好き放題に稼ぎまくった日本市場であった。差引10兆円の資金で荒らしまくった訳ですが、今年から日銀が外国人投資家の受け皿になったことで、荒稼ぎが出来なくなったのではないかと見ています。売り仕掛けしても日銀に阻まれてしまう。徐々に買い上げるしかなくなるのかと見ています。

8月始め、「101」日経平均は16000円前後でした。「850」為替・ドル円は100円前後でした。現在、日経平均は約17500円まで値上がりし、為替は105円まで円安になりました。1円円安→約300円動いた事になります。今後の日経平均の上昇には、為替が円安に動くことも上昇条件になりそうです。

為替が円高に振れる時は、株価が売られる時期と見ましょう。円高に振れたとき、売られても下値は「日銀買い」が控えている事から、大きくは下げにくいと考えられます。円高の後、上昇に戻すには、また円安に動くことも上昇条件になりそうです。

昨年末終値は19033円でした。今年年末も昨年終値を目指すと見ていますが、株価と為替の関係で見た場合、あと4円から5円円安に動くと年末に向け、昨年末高値まで戻す範囲です。今の水準では、ドル円相場で200日移動平均線を上回ってくると、日経平均は昨年末終値に接近してきます。11月相場も円安に動く事を期待したいが、年末に向け円安が続くか観察です。

東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、7月末997銘柄(225種104)→8月末738銘柄(225種104)→9月末1014銘柄(225種82)→10月(27)1529銘柄(225種165)と前週に続き増加しました。上昇銘柄の増加が続いていることが分かります。日経平均は30年平均線(16800円)を上回ってから17000円台を維持しています。引き続き30年平均線(16800円)下回らなければ、上昇相場は続きます。11月以降も上回っていれば、上げ基調は強まる事になります。

日足では、東証1部銘柄で75日移動平均線を上回る銘柄数は、7月末1098銘柄(225種107)→8月末956銘柄(225種138)→9月末1370銘柄(225種133)→10月(28)1689銘柄(225種182)と前週に続き、増加しています。1900銘柄に近づくと高値警戒感が出ます。11月も1500銘柄以上を維持するなら強い状態を維持しています。数値的に底入れから上昇基調は強まってきていると見る数値です。

マザーズ市場は、7月末47銘柄→8月末58銘柄→9月末133→10月(28)133銘柄と横ばいです。マザーズ指数は25日移動平均線を下回り、75日移動平均線まで下げてきました。また週間上げ幅はマイナスに転じました。戻り売られた事から、マザース指数は調整局面である事が分かります。再上昇基調に戻せるか、戻り売りは続くか。このあたりが観察ポイントです。

75日移動平均線を上回る銘柄数の増加を見ても、10月に入り、個別株の底上げ銘柄は増加中です。月足では6ヶ月移動平均線を上回る状態で、日足チャートでは75日移動平均線を上回る底入れ銘柄は増加し、中間決算を先取りしている事が分かります。

月足で株価位置、株価水準を見て、日足では底入れしたかなど状態の確認、業績的に割安なもの、また業績上方修正したものは買われています。引き続き、業績割安で75日移動平均線を上回る上昇初動銘柄狙いです。出遅れ株、底値立ち上がり上昇初動銘柄狙い、上昇基調は押し目待ち。株価の動きから中間決算発表内容を確認すると良いと思います。上方修正した初動は狙い目です。

<NYダウ 日足チャート>

11月の米国大統領選の投票日は迫っています。今週フィリピン大統領が来日しました。フィリピンではハッキリ言う大統領の支持率は75%と高い。米国もハッキリ言う大統領の人気が高かったが、女性問題、お金の問題で、どちらも人気は下がってきた。最後は手腕が買われるものの、消去法の大統領選挙になるのか?

NYダウは、クリントン候補有利では上がってません。ウォール街はトランプ氏を望んでいるのか。株価は18000ドルはキープし、25日移動平均線と75移動平均線前後で推移していますが、上値は重い動きをしています。大統領選が終われば動き出すか。動きだしたらどちらに動くのか?

75日移動平均線を下回る状態は、調整局面の様子見相場が続くでしょう。75日移動平均線を上回れば、再上昇相場に転換と見ます。引き続き、75日移動平均線を上回れないのは、様子見状態が続くでしょう。18000ドル(心理的下値支持線)は維持しています。大統領選が終わらないことには動きにくそうだが、75日移動平均線を上回り、上昇基調に戻せるか、戻り売りか観察ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

ドル円相場を日足チャートで見ますと、25日移動平均線は75日移動平均線を上回り、Gクロスしてきました。25日移動平均線が75日移動平均線を上回った事で、25日から75日移動平均線(102円)が下値支持線になります。75日移動平均線を下回ると円高に逆戻りします。このあたりが観察ポイントです。

まだ200日移動平均線(107円)と75日移動平均線(102円)の価格差は5円ありますから、円高は止まったものの、円安基調に転じたとは判断できていません。本格的な円安基調に戻るまで、もうしばらく日柄がかかります。200日移動平均線を目指す円安なら、株価は値上がりします。

200日移動平均線の値は、1ヶ月に2円動いてます。現在107円→11月末105円と言うことになれば、早ければ12月には200日移動平均線を上回ってくる可能性はあります。逆に75日移動平均線を下回れば、円高基調に逆戻りします。円安基調と株高は連動しているので、今後も円安に動くことを期待したい。このあたりが観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

10月の上げ幅は、約1000円幅に迫る大幅となりました。ハッキリ6ヶ月移動平均線(16600円)を上回ったと感じる上げ幅です。来週から11月相場入りしますが、17000円台に乗せて始まりそうです。今年2月以降、上値抵抗線であった30年平均線(16800円)を上回って始まることであり、再上昇転換に向けた動きと言えます。

11月も6ヶ月移動平均線(16600円)を上回り、30年平均線(16800円)以上の水準をキープできるなら、年末に向け上げ幅は強まると言えます。昨年末終値は19033円です。この終値を目指す相場展開と見ています。月足相場の基本は6ヶ月移動平均線であり、6ヶ月移動平均線を上回っている状態は上昇相場は続くと判断できます。逆に6ヶ月移動平均線を下回れば売り転換です。

東証1部銘柄で、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は約1500銘柄まで増加し、個別株の底入れ銘柄は増加した事がわかります。11月も1500銘柄以上をキープできるなら、強い上昇局面は続くと判断できます。年末に向けた観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<東証マザース指数 日足チャート>

今週の「107」東証マザース指数は、前週より少し下げました。75日移動平均線は下向きのまま、200日移動平均線を下回った状態は続いています。戻り売り相場色、調整局面を残す状態です。75日移動平均線が200日移動平均線を上回ってくれば上昇転換と判断されますが、今の状態は、まだ戻り売り相場の域は抜け出ていない。今後の観察ポイントです。

75日移動平均線は200日移動平均線(上値抵抗線)を上回るか、下回った状態のままか。11月相場入りしても、マザーズ(新興市場)は弱い状態のままか。東証1部銘柄の上昇銘柄は増加していて、マザーズも遅れながら連動するか。このあたりも観察ポイントです。

東証マザーズ市場で、75日移動平均線を上回る銘柄数は、6月末75銘柄→7月末47銘柄→8月末58銘柄→9月末133銘柄→10月(28)は133銘柄と前週と比べ減少しました。来週以降、75日移動平均線を上回る銘柄数は増加するか。減少は続くか。この当たりも相場の強弱を見る観察ポイントです。

東証マザース指数 日足チャート

<日経平均 日足チャート>

日足チャートでは、75日移動平均線と200日移動平均線の2線は、10月の1ヶ月で75日移動平均線が上回った事は、思った以上に上昇ペースが強かった事が分かります。11月以降は25日から75日移動平均線が下値支持線となり、上昇相場が期待できそうです。年末に向けた観察ポイントです。

下段の25日騰落レシオは146ポイントまで高くなりました。短期的には過熱感が出始めた事を意味しますが、上昇初動ではよく見られるパターンです。75日移動平均線が200日移動平均線を上回る上昇パターンに転じた後、25日騰落レシオの数値が高い過熱ゾーンの株価の判断はトレンドで見てゆきます。

25日騰落レシオの数値が高くても、25日移動平均線を上回る状態は上昇相場は続きます。25日移動平均線を下回ると売り転換します。12月に向け、25日移動平均線を維持できれば上昇相場は続くでしょう。下回れば売り転換です。このあたりも観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

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