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何はともあれ「NY」
4日のNYダウは42ドル安17888ドルと小動きながら7日続落、S&Pとナスダックに至っては9日続落だ。市場予想を下回った雇用統計(+16.1万人)にはあまり反応せず、焦点は8日の米大統領選に絞られているようだ。市場では「トランプリスク」が叫ばれているが、2009年のオバマ就任からNYダウは8年近くほぼ一本調子で上げてきただけに、「最低か最悪か」というこんどの大統領選ではどちらに軍配上がっても「プレジデントリスク」が生じる可能性ある。
NYダウ週足
超過剰流動性(マネーゲーム)を背景にNYダウは8月に18668ドルの過去最高値を付けるが、そのあと日足が陰転し、そして先週は7日続落で週足の厚い節目18000ドルを割ってきた。こうなると、8年間の上昇相場に対する「陰転(調整)-同時株安」が懸念される。
もちろん、NYダウ7日続落、S&Pとナスダックは9日続落であるから、目先的にはそろそろ反発してもおかしくない。NYの日足一目均衡表は遅行線の雲下限17865ドルに迫ってきた。だが、崩れたチャートは「戻り売り」が基本となる。クリスマス商戦(ブラックフライデー)やイエレン議長の口先介入などでこの先反発する局面は度々あるだろうが、12月の利上げも濃厚なだけにチャートで明確な好転が確認できるまで「戻り売り」のスタンスを採ることになる。
NYダウ日足
そして日経平均だが、4日は229円安16905円と続落、安値16801(332円安)まであった。10月に1000円上げたが、わずか2日間で6割下げるという厳しい地合いだ。テクニカル指標の過熱を無視して上げてきたことや、JR九州上場のための地合い作り、そして皆が強気に傾いた10月。その反動は小さくないということだ。また、「日銀決定会合のあと下げる」というアノマリーも健在だ。
日経平均日足
日足の陰転ポイントは「下値抵抗線割れ」(31日17400円割れ)であったが、4日は75日線(16741円)やボリ「-1(16586円)」に近付き、週足の52週線17003円、13週線16822円に抵触。目先的にはそろそろ反発してもおかしくない。だが11/1の変化日高値「17473円」を抜かなければ好転とならず、それまでは上げてもアヤ戻り。テクニカルの過熱もそう簡単には解消せず、目先的には17200~17300円が戻りの節になりやすい。ただし、いまポイントになるのは大統領選でありNYダウの動向で、日本株はアメリカ次第であることを肝に銘じておきたい。もしNY発の同時株安に陥るなら日経平均は15000円模索から場合によっては更なる下値模索の可能性も否めなくなる。こうした状況下では市場の落ち着き(もしくは突っ込み)を待つしかない。
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