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トランプフィーバーどこまで
世界が「トランプ、トランプ」で明け暮れた先週、マーケットは歴史的乱高下を演じた。大統領選が判明した9日は、「まさかの結果」に日経平均は一時1059円安16111円、NYダウ先物は一時800ドル超安の17479ドルまで突っ込んだ。だが、トランプ勝利が確定した夕方から急反発。終わってみれば週末のNYダウは5日続伸18847ドル引けで、週間の上げ幅は959ドルと過去最大を記録、過去最高値(8月18669)を一気に更新した。そして日経平均も、10日に1100円急上昇し、週末11日は一時179621円高値を付け4月高値17613円を更新、17374円で終えた。為替(ドル円)は一時101.19円まで突っ込むが、週末は106.69円とわずか2日間で5円以上も円安に振れるなど、マーケットも「まさか、まさか」の展開になった。
ドル円日足
10日の朝は「目が覚めたら戻っていた」という状況で、9日朝から10日未明にかけての乱高下ぶりは記憶にないほどで、投資家も市場関係者もア然とするしかなかった。事前のトランプショクはどこへやら、終わるとトランプ評価が台頭するなどマスコミや市場の豹変ぶりも歴史的だった。ただ、市場の乱高下には超高速取引(アルゴリズム、HFT)が大きく係っていること間違いなく、このHFTが今後も市場に混乱招く可能性あることは覚悟しておきたい。
理由はともあれ日足チャートは日米とも好転。NYダウの週足は上昇三波となり当面V波、N波の19400ドルを、日経平均は2月高値17906円から年初高値18951円を目指すことになる。為替は107円処の200日線に迫ったことで一服はさむだろうが、円安方向へ基調転換しており105円台を下値に110円を目指すことが想定される。11月下旬はクリスマス商戦、ボーナスシーズンを前にマインドが盛り上がる時期でもあり、株式市場はしばらく上値追いとなりやすい。
NYダウ週足
日経平均日足
ただし、昨年がそうであったように12月相場は不明だ。日本はメジャーSQがあり、米国ではFRBの利上げ観測、決算期などから利食いの動きが出やすくなる。トランプ新大統領に対する評価も懸念の部分が出てくる可能性がある。そして、NYダウは記録的な上昇を演じたが、記録的な上昇というのはそう長く続くものではなく、「高値を取ると動きが重くなる」という習性あることも踏まえておきたい。
トランプフィーバーに沸いた市場だが、その余韻も時期に醒め冷静さを取り戻すだろう。日足が上昇基調にあるうちは「買い」で対応するが、急騰もしくは陰転気配を見せるなら一旦「手を引く」など小まめに対応することも必要だろう。
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