日経平均株価の動き(2016年12月30日)

年末最後は、利食い売りに押されました。外国人投資家の利益確定売りより、東芝売りが引き金になった感じを受けました。2万円は年明けに持ち越しとなりました。年明けから上値を試す基調に戻すと見ていますが、3月末は年度末決算を控えています。高くなった株は、利食い売りが控えていると見ましょう。8月から上げ始めた事を考えると、年明けから上値を試す展開と利食い売り、入り交じって始まるか。

来年は売り場あり、大きな買い場あり。何度か繰り返すと見ています。株式市場の調整の仕方は昔と変わり、1日に1000円以上下落して調整終了のパターンも増えた様に思います。大幅下落した後、買い場というパターンもあり。大きく下げても、悲観的な目で見すぎない様にしましょう。

年末に向けて、半導体関連を代表するディスコ、アドバンテスト、東京エレクトロンなど、高値更新してきました。年末に利食い売りに押されたがシッカリしています。日経平均は半導体関連株より先に高値を付けることは、殆どありません。この動きを見ても、年明け、日経平均は高値更新してくると見ております。

年明けから新規買いの銘柄探しは、なかなか難しいと思います。短期売買中心の銘柄選びになるでしょう。短期売買の銘柄探しは、上昇基調を持続している株から探す、出来高が急増した株、材料が出て上げに転じた株などです。

8月以降、安値圏から値上がりした株は、1月から2月ころ売り場探しと見ていました。半導体関連株が高値更新できなくなり、10日から25日移動平均線を下回るなど、高値形成の動きが出たら、売り場接近と見ておきましょう。また為替の動きもカギとなりそうです。

東証1部銘柄(年末)で、昨年12月末の価格(19033円)を上回る銘柄数は、1045銘柄(225種97)で引けました。12月1日(2万円)の価格を上回る銘柄数は、880銘柄(225種79)で引けました。19000円以上は半数以上あったが、2万円に達する銘柄は、225種では半数以下であった事を見ても、日経平均は2万円に乗せられない理由になりました。年末は売られても19033円をキープした事は、強い状態で引けました。年明けに2万円は持ち越す形となりました。

東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、9月末1014銘柄(225種82)→10月末1539銘柄(225種167)→11月末1675銘柄(225種202)→12月(29)1727銘柄(225種208)で引けました。225種株は少し減って引けたがシッカリしています。年明けに戻す強い相場が意識されます。

日足では75日移動平均線を上回る銘柄数は、9月末1395銘柄(225種133)→10月末1673銘柄(225種184)→11月末1719銘柄(225種204)→12月末1750銘柄(225種211)で引けました。日足も225種銘柄は9割以上の高水準を維持しました。年明け上昇相場は続くと見る状態です。

日経平均は19500円まで戻したが、引けは19000円割れまで売られた後、19033円はキープして引けました。個別株の水準は高くなっています。年明けは、材料ありきで始まれば高くなるが、個別株も高くなっており上値買いは難しいでしょう。銀行、証券株など、大型株が高値を取ってこれないと、日経平均の上値は重いと判断されます。

<NYダウ 日足チャート>

NYダウは高値更新を続けています。2万ドルに迫ったところで年末を迎えました。年明け、トランプ新大統領の就任式までは、短く見ても高値維持は続くでしょう。就任前に株価が下がることはないでしょう。景気期待から株価は上げると見ています。

来年に向け、トランプ大統領就任あり、上昇期待の強気相場はいつまで続くか。引き続き、トレンド基調は観察ポイントです。チャート的には、25日移動平均線に沿っているなら高値更新は続くでしょう。目先10日移動平均線を下回ったが、再度上回れば高値更新相場に戻ります。2万ドル乗せに向け。今後の観察ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

10月からドル円相場は75日移動平均線を上回り、円安基調に動きだしました。12月には118円まで進んだが、116円台で今年を終えました。25日移動平均線を上回る状態は、2017年も円安基調を維持してスタートする状態です。年明け120円に乗せる動きは続くか。120円に乗せるなら、日経平均は2万円台に乗せてくると考えられます。

日足チャートでは、トランプ氏当選から10日移動平均線を下値支持線に円安基調に転じました。年末に10日移動平均線を下回ったが、25日移動平均線は下回ってはいない。年明け10日移動平均線を上回る状態に戻せるか、戻せるなら円安基調は続きます。

短期10日移動平均線を下回った事は調整局面の動きですが、約2ヶ月下回らなかった事は強い状態を維持したと言えます。年明け10日移動平均線(下値支持線)を上回る状態に戻せれば、120円に向けた円安基調に戻すと見ます。25日移動平均線を下回ると円高にシフトします。年明けの観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

12月は+1000円高(19500円)まで値上がりしたが、年末に利食い売りに押されました。月足チャートでは、2万円に迫ったものの、年明け持ち越しとなりました。年明け2万円台の期待は大きいでしょう。2万円台に乗せても株は高値であり、買えない。上げたら売り場と見なければなりません。

東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、12月(29)1727銘柄(225種208)を維持して引けました。全体の8割以上、225種は9割以上が上回る状態から2017年はスタートします。月足では陰線になったら売り場と見ます。年明けに向けた観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<裁定買い残動向 週足チャート>

今年の「507」裁定買い残の動き、どの様に考えたら良いか。1月始め「507」裁定買い残は20億株ありました。日経平均は約19000円でした。1月20億株→9月2億株から→12月「507」裁定買い残は12億株まで増えました。1月20億株より8億株少ないが、株価は1月の水準まで戻しました。

今年は、日銀が日経平均ETF買いに参入した影響が大きいのか。米国でドットフランク法の影響で、デリバティブへの投資が控えられました。1月19000円→20億株から12月19000円→12億株で戻した事を考えると、少ない裁定取引で、日経平均を上げた事になります。差額は日銀のETF買いと考えられるでしょう。

「507」裁定買い残の水準で判断すべきか、日経平均の上げ幅で判断すべきか。差額は日銀のETF買いでも高くなれば売られるものです。高くなってから裁定買い残が増加する事はないだろうと考えます。それでも裁定買い残は増加するなら、日経平均に上げ余地がある事を意味します。このあたりが年明けの観察ポイントです。

裁定買い残動向 週足チャート

<評価損率 週足チャート>

年末に「610」評価損率は、2月-25%から→12月-7%台まで改善しました。過去2年間では高値圏まで改善した数値です。2012年後半から2013年のアベノミクスのスタート時は+5%と、過去に例のないほど買われ過ぎはありました。来年年明け2万円に乗せるなら、評価損の改善は続くと見ることが出来ます。数値が悪化したら、株価は売り場ゾーンと見なければなりません。

今週発表(12/22)の評価損率は、-9%と前週より2%悪化しました。年明けから評価損率の数値が改善する事は高値警戒ゾーン。売り場は強まっている事を意味します。-5%以上から0%まで改善したら、高値警戒ゾーンの売り場接近となります。このまま悪化が続いたら売り転換する心配はあります。「610」評価損率の数値を見ることで、相場の繁閑度がわかります。今後の観察ポイントです。

評価損率 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

日足チャートでは、11月大統領選でトランプ氏当選から、10日移動平均線を下回らず、強い上昇局面を続けてきました。19500円台まで乗せたが、年末は利食い売りで下回りました。10日移動平均線を下回ると調整局面に転じますが、10日移動平均線を上回れば上昇相場に戻します。年明け10日移動平均線上回れば強い上昇です。

現在のチャートは、10日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線は上向き。株価は10日移動平均線を下回りましたが、上昇局面は維持しています。1月もこの状態を維持なら高値更新相場は続きます。2万円台に乗せてくるか。年明けの観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

今年もアッと言う間の1年でした。年々相場の性質が変わるなと実感します。2017年の為替相場はどう動く。EUは大丈夫か。米国新大統領旋風は続くか。NYダウの2万ドルはいつか。どう動く世界市場。 2016年12月大納会

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