富田のトレチャ 2017年06月12日

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FOMCと変化日

8日まで世界マーケットは様子見、チャートは踊り場を入れた。コミー前FBI長官の議会証言、イギリス総選挙、ECB理事会などイベント集中を前にさすがに動きづらかった。イギリス総選挙で保守党が過半数を維持できずポンド安を招いたが、メイ政権存続でマーケットはすぐ落ち着きを取り戻す。コミー長官の証言、ECB理事会はサプライズなく終了、そして日本は9日のメジャーSQ(清算値19997円)を問題なく通過した。

イベントを無事通過すれば、投資家はひと安心、市場関係者は強気を継続、そして株価は「買い戻し(ショートカバー)」でもって踊り場を上放れることになる。9日の日経平均は104円高20013円で終え、NYダウは89ドル高21271ドルで終え、最高値(ザラバ)を21305ドルに伸ばした。

1年前のブレグジット、11月の米大統領選など、これまでイベントリスクはことごとく買い戻しで「同時株高」となってきた。こんどもそうなる可能性あるものの、楽観ばかり描くわけには行かない。今週は重要イベントFOMC(14日)があるほか、以下のような注意ポイントもある。

(1)今月FOMCの「利上げ」はほぼ織り込み済みだが、2015年12月以降、利上げあとの株価は調整が3回続いている。
(2)8日イベントのあと買い戻し一巡感。
(3)先週、米国10年債利回りが2.145%と低下続く。

米国10年債
米国10年債

(4)為替(ドル円)が109円台に下落、保ち合い下放れ(円高)を示唆。

為替日足
為替日足

(5)ナスダックが9日113安6207ポイントと急落。RCIがWトップ。ハイテク株への一極集中に注意信号。

ナスダック週足
ナスダック週足

ナスダック日足
ナスダック日足

(6)NYダウの変化週(4/19安値→9週、11/4安値→33週)。
(7)6月に高値を付けやすいアノマリーあり。

こうした注意ポイントがある。(3)や(4)は「リスクホフ」を示唆するものだし、RCIの過熱信号はNYダウも同じ。そして今週は日米とも変化日の週に当たる。
イベント通過あとの同時株高、そのパターンが今月崩れるかも知れない。いまはまだ上昇基調続ける日経平均だが、日足チャートで下値抵抗線と重なる25日平均線(19850円)を下値ポイントに注視しておきたい。

日経平均日足
日経平均日足

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