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需給相場、NY9連騰
日経平均は20000円前後のこう着が続き、週末に「ヘッジ売り」で下げるものの、週明けは「買い戻し」で高く始まる・・・ そんなパターンも続いている。
8/4発表の米雇用者数は20.9万人増と市場予想18万人を上回り、失業率は4.3%に改善。米国経済の好調が確認され、FRBが9月以降に資産縮小プロセスを明示する確率が高まった。だが、NYダウは22092+66ドルと9日続伸、ドル円は110.65円で、日経平均先物は20050円(4日の大証19950円)で終えており、今週も日本株はしっかりした展開で始まることが想定される。
NYダウ日足
ドル円日足
日経平均先物日足
好調な景気と企業業績、居心地良い相場・・と相変わらず米国から「良いとこ取り」の解説が聞こえてくるが、株高の背景には世界的な運用難の地合いで「溢れたマネーの流入」のあることは明白。
日経紙に「中小型株に群がる鯨」と日本株に対するコラム記事があり、GPIFや海外の年金マネーが効率良い日本の中小型株を物色しているということだが、いま世界の機関投資家は運用難を背景に溢れたマネーをファンド(運用機関)に預けている。そして、膨大なマネーを受託するファンドは高値リスクを承知しながら「AI任せ」に多くが株に資金を振り向けている。
いわゆる需給相場が世界で繰り広げられているということ。上昇基調が続くうちは「好パフォーマンス」「皆で乗れば怖くない」「AIの時代」とポジティブ姿勢を続けよう。ただし、こうした状況は「いつか来た道」。サブプライムショック前の07年や、ITバブル前の2000年がそうであったが、時代や環境は異なれどバブルで行き過ぎた相場はいつも似たような反動が訪れることを歴史は物語っている。
NYダウが上昇続くなら日本株も上放れて2年前の20900円台を目指す可能性はある。だが、相場であるから無限に上がり続けることはなく、いつかどこかで「AI対AI」という地合いが訪れよう。そのときに世界のマーケットは大きく荒れるだろう。その意味で、NYダウ、日経平均には調整の入口となる下値抵抗線を引いて注意しながら対応して行きたい。日経平均の下放れポイントとしては75日線を割り込む19800円を注視しておく。中小型株物色が盛んなようなコメントを見かけるが、先週の中小型株は厳しく上値にシコリを抱えたものも散見される。米国ではナスダックや小型株を表す「ラッセル2000」が調整深め、日足は25日線や75日線、雲など下値正念場に差し掛かる。為替(ドル円)も下値抵抗線や52週線の正念場にきた。
ラッセル2000日足
甲子園、SQ、お盆となる今週の日本。薄商いとなるタイミングでどちらかに動きだす可能性あり、引き続き日経平均の放れに注目しておく。
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