富田のトレチャ 2017年08月14日

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もみ合い下放れ

甲子園が始まり、満月、SQ、そして3連休(山の日)控えという先週、世界の株式市場は大きく荒れた。10日(夜)に日経平均先物は19350円まで下げ、CME先物は11日に安値19295円をつけ、11日のNYダウは安値21842ドルをつける。波乱のキッカケは「北朝鮮による地政学リスク」だが、チャートではこの急落が基調(流れ)変化につながるのか注視しておかねばならない。
まずNYダウだが、11日21858ドルで引けた。25日線(21741ドル)のまだ上にあり、下値の節目である13週線(21453ドル)やネックラインと重なる26週線(21112ドル)にはまだ余裕あるので、いまはスピード調整の域と言えるだろう。ただし、世界に溢れたマネーがNYダウやナスダック(FANG)など米国株に集まり、NYダウが10連騰するなどその一極集中ぶりは「過熱」を示唆していただけに、今回の急調整は侮ることできない。行き過ぎた需給相場は、一転すると悪循環に陥ること否定でないからだ。

NYダウ日足
NYダウ日足

ナスダックは6256ポイントで引け、一時6216ポイントまで下げ、75日線(6219)やボリンジャーバンド「-1(6256)」、雲上限(6201)、13週線(6243)などのある節に差し掛かった。ここまでくると一旦反発してもおかしくないが、8/8高値8423ポイントを奪回するまで安心できない。

ナスダック日足
ナスダック日足

日経平均は先週19729円引けだが、9日に257円安して「もみ合い」を下放れ、ポイントにしておいた75日線と19800円を割り込み、そして週末の夜間に19300円近辺まで急落した。格言の如く「放れに従え」となったが、チャートには「もみ合い長ければ放れも大きくなる」という習性もあるので、下値不安がまだ漂うことを承知しておきたい。
日経平均先物のチャートを見ると、ひとまず一目均衡表の雲下限(19380円)に差し掛かったので、今週は突っ込んで始まったあとすぐ戻す展開が想定される。ただし、上値は欲張れず、戻りは雲下限19600~19785円(遅行線の雲上限19800円)がメドになる。日足が陰転しており、基調好転には少なくとも25日線突破(20000円)が必要だ。逆に下値メドは200日線や遅行線雲下限のある19200円処から、52週線18800円処、週足雲上限18520円などとなる。

日経平均先物日足
日経平均先物日足

北朝鮮の問題はいつものようにすぐ収束すると思われ、株式市場も一旦反発する可能性あるだろう。ただ、問題は高値にあった相場に亀裂を入れたこと。相場の最大の材料は「需給」であり、「AI」がどのような運用を指示するかも未知数。積極的に「突っ込み買い」に動くのも一策だが、お盆でもありここは日足の好転確認まで慌てず、様子見も賢明と思われる。

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