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侮れない陰転信号
米朝緊張を機に崩れ始めた株式市場。先週前半に一旦戻りを試したが、戻り切れず週後半は再び下値を切ってきた。もみ合いを下放れた日経平均は、一目均衡表の雲も下抜けた。NYダウは25日線に続き11日安値(21842ドル)も下回り、日足がN波(二段下げ)を描く。そして日米とも週足は、昨年11月から続いたトランプ相場の下値抵抗線を割ってきた。チャートは当面のスピード調整にとどまらず、大きな基調変化(陰転)につながるリスクを漂わせている。
NYダウ日足
日経平均は18日にサイコロが9勝3敗(25%)、日足が放れコマ十字足となり、RCIも底値に収れん。こうした底値信号により今週も反発の可能性は十分にある。ただ、日足が陰転しており好転には「2万円奪回」が必要で、当面の上昇は「アヤ戻り」となる。75日線とデッドクロスした25日線や一目均衡表雲下限の19800円近辺や、ボリ-1σ(19600円近辺)などが戻りのメドになる。
日経平均日足
日経平均日足一目
逆の下値メドは、200日線と遅行線雲下限の19250円近辺から52週線の18900円近辺、そして週足の雲上18542円などとなる。4月に安値18224円があるので18000円台の下値模索は難しくない。
日経平均週足
そしてNYダウだが、18日は21674ドルで引けた。1週間に200ドル下落、週足は2週間で477ドル下落し連続陰線を引く。3週連続陰線となれば「三羽ガラス」だ。トランプ相場を9ヶ月、リーマンから8年半、上昇相場(需給相場)を長く演じているだけに、ここでの調整は注意が必要と思われる。ただ、21500ドル近辺は75日線や日足雲上、13週線などの集まる下値の節なので、今週はそこで「コツン」と切り返すことできるか1つ焦点となろう。
NYダウ週足
今週は米韓軍事演習が予定されており、北朝鮮リスクが再燃しかねない。また、24日からのジャクソンホールシンポジウムも投資家の注目の的だ。4-6月期の好業績を確認した日本株だが、PERが下限(13倍台)に近付いても、米国中心の世界マーケットが不穏となれば日本も穏やかではいられなくなる。
過去に例のない規模の過剰流動性で演じてきた「同時株高」。世界のマネーサプライは10年前(2007年サブプライム前)の倍(100兆ドル)に膨れているとも言われる。債券バブルも株高リスクも指摘されながら、上げてきた。運用者たちは膨大なマネーの運用を強いられ、高値リスクを感じながらも「降りるに降りられぬ」という状況にある。10年前の破たん前と似ている兆候は少なくない。
上昇相場の時は懸念も「どこへやら」だが、チャートが陰転するなら話は別だ。需給が一気に逆転しかねず、今回の日足陰転は注意信号と捉えておく必要あるだろう。目先、少し反発しても「好転」を確認するまで強気にはなれない。
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