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昨年までと異なる地合い
NYダウは2/27に25800ドルまで上げた。日足は二段上げとなり、25日線を上抜き、2月の下げの75%を戻した。だが、そこから三羽ガラス(三陰連)で3/2に24217ドルまで下げ、再び25日線、75日線を割り込んだ。昨年までと同じように今回も全値戻しに向かう雰囲気を漂わせたが、3/1のトランプ大統領の貿易強硬発言で全値戻しの行方は分からなくなった。
NYダウ日足
日々500ドル前後の振幅見せるなど引き続き荒い値動きが続く。いまNYダウは週足の下値抵抗線(24000ドル近辺)で支えられており、当面は24000ドル~26000ドルの範囲でもみ合いを想定するが、そこを割り込むと「本格調整入り」を覚悟することになる。ナスダックは2月下旬に7400ポイント台に乗せ、ほぼV字回復を達成したが、1月高値7505ポイントを奪回できないでいると「Wトップ懸念」が台頭してくる。つまり、ここからの米国株はやはり大きなカギを握るということだ。
NYダウ週足
NYダウに関しては、2006年~2008年当時の日経平均週足を一つ参考にしておきたい。この当時の日経平均は上昇基調にあったが、下値抵抗線がポイントで、それを割り込むと基調が大きく崩れるということ。
2006年~2008年当時の日経平均週足
日経平均週足
NYダウの日足はすでに基調を崩しており、先行き懸念を燻ぶらせている。下落のキッカケになった要因が、強い雇用統計、FRB利上げシナリオ、長期債利回り上昇、そしてトランプの貿易強硬発言と新しいものが出てくる様は昨年までになかったことで、早急にV字回復を達成しないと「需給悪化」が避けられず、下落のキッカケになる要因がさらに出てくることも懸念される。06年の上海ショックから07年のサブプライムショック、リーマンショックと伝播していった時がそうであった。
そして為替(ドル円)のチャートは引き続き100円指向(円高基調)にあり、「リスクオフ」ムードを漂わせている。日経平均は2/14安値20950円に迫り「二番底」を模索するところだが、リスクオフムードが払しょくされなければ二段下げ(20000円割れ)に突き進むリスク否めない。
ドル円週足
日米とも、当面は乱高下しながらもみ合いに移行すること想定するが、昨年までと異なる地合いは「未曾有のバブル相場」の反動を意味するので、明確な好転を確認するまで安易な楽観は慎みたい。
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