富田のトレチャ 2018年04月09日

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カギ握るのはやはりNY

米中貿易摩擦の報復合戦にマーケットは振り回されている。一時は話し合いの進展観測で買い戻しを誘い、為替(ドル円)は107円50銭まで円安に振れ「リスクオン」の雰囲気を漂わせた。だが、6日の米国市場は106円90銭引け。為替の日足は25日平均線をクリアーしたものの、一目均衡表の雲(107.50円)で頭を叩かれ「リスクオン」にイマイチ進めずにいる。

日経平均は新年度に入って21742円(6日)まで浮上するが、カギを握るNYダウが落ち着かない。NYは2日に758ドル安23344ドルと突っ込んで始まり、5日に24622ドルまで上昇して底打ち期待を膨らませたが、6日は再び572ドル安23932ドルと急落し、結局3月末(24103ドル)の水準で終えた。NYダウの日足は200日線を下値に2月安値(22360ドル)と二点底の様相だが、上から降りてくる25日線(24479ドル)をまだ抜けずにいる。

NYダウ日足
NYダウ日足

そして日経平均は6日21567円引けで、21300円台にある25日線と200日線を上抜き「好転」を示唆したが、6日のCME日経平均先物が21425円なので今週は25日線と200日線の節目に戻されて始まることになる。その節目を維持しているなら75日線や一目均衡表の雲のある22300円台を目指す可能性はある。

日経平均日足
日経平均日足

日経平均日足一目
日経平均日足一目

だが、いまのところ投資家の期待した4月新年度の上昇相場にはなっていない。昨年の4月は日経平均が4/17、NYは4/19まで調整続けただけに、今年も同じような展開になる可能性がある。ドル円が107円50銭を突破する円安に振れるなら「リスクオン」となり株高に進むだろうが、逆にNYダウが200日線(二点底)を維持できずに割り込むなら話はガラリと変わり、「リスクオフ」となることから再び下落リスクに備えることになる。

PERなどで日本株の割安感がよく指摘されるが、日銀短観で企業の想定為替レートは109円60銭台であるから、いまの為替水準が続くなら今2019年3月期の業績(増益率、EPS)期待もPERの割安感も縮小避けられない。ただ、いずれにせよ日本株は「NY次第、外国人次第」。トランプの狂言癖からNYダウの荒い展開はまだ続く可能性もあり、強気になるには円安も必要だが、まずはNYダウの落ち着きと回復を待つところだろう。

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