調米中貿易戦争に加えイラン・トルコとも対立の米国
ダラダラと下げる人民元、何とも不気味である。
中国政府は景気の下支えにと公共事業の追加や、人民元売りを阻止すべく為替取引に関する準備金の引き上げを実施。これら施策で人民元売りが一旦は止まっても良いはずだが、ダラダラと人民元売りが継続。2015年夏の人民元安→世界株の急下げ、こう言う経験があるので投資家は人民元安に買い気を削がれている感じ。
加えてイランとの核廃棄合意の破棄とイランへの経済制裁の強化。さらに同盟国のトルコとも対立するトランプ政権。日本企業の業績は好調なのだが株式市場はこれら要因などからか、買い手控えの理由にされている模様。
テクニカル面でも短期悪化に変化。
TOPIXや日経400、7/27の週には割り込んでいた13・26・52週線を一本のローソク足で上回り「好転サイン」を点滅させた。9~12週RCIもボトム圏まで低下後に株価の反転でRCIも上昇に転じるなど、イイ感じの東京市場であった。
が、上記の理由からか8/10の週には再び一本のローソク足で13・26・52週線を割り込むなど、「悪化サイン」が点滅。もみ合いの範疇と考えて良いのか、調整の始まりと考えるべきか非常に悩ましい。
米国との貿易交渉では9月に持ち越し。自動車に25%の関税をかけられたなら日本株は急落必至だろうから、この点では何とか時間稼ぎに成功。日本株には悪いニュースではないはずだが、次々に敵を作るトランプ流の外交に日本も巻き込まれているため、買い方が萎縮してしまっているのが夏枯れの東京市場なのだろう。判っていたとはいえトランプ大統領が米国大統領として職務を続ける間は、この手のリスク要因は常に出てくるものと思われる。
好決算株を個別で狙うべきか、全体相場が調整なら個別も調整と割り切り、少なくともテクニカル面の調整一巡まで待つべきか、非常に悩ましい状態が続く日本の夏相場である。