富田のトレチャ 2018年12月10日

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慎重姿勢続く師走

米中首脳会談を終えたのに、ファーウェイショックにソフトバンク通信障害と12月になっても慌ただしく、マーケットに落ち着く気配はない。そしてチャートは依然として「二段下げリスク」を漂わせたまま。これでは下値注視のスタンスも払しょくできない。

米中首脳会談あとの3日、日経平均は買い戻しを誘って高値22698円を付けたが、案の定そこが変化日高値となり、その後は3日続落で6日に21307円まで下げた。7日は177高21678円と反発したものの、週末の米国市場が大きく下げ、夜間の日経平均先物は300円安21320円で終えた。こうなると、今週は下値模索で始まること覚悟せねばならない。

日足を見ると、3日の戻りは75日線や一目均衡表の雲に叩かれ、「宵の明星」を描いて再び調整入り。週足は割り込んだ13週線や26週線、52週線(22534~22431円)が戻りの頭を叩くなど、チャートは陰転から抜け出せずにいる。

日経平均週足
日経平均週足

こうなると「二段下げ」への警戒も継続するので、下値ポイントの「11/21安値21243円」や「10/26安値20971円」を注視せねばならない。二段下げというのは、10月の下落を「一段下げ」とし、11月のもみ合いを経て「二段下げ」に進むかどうかというもの。

例年であれば、12月はボーナス月だしクリスマスや正月に向けて気持ち高ぶるところで、今年は通信子会社ソフトバンク(SB)の上場もあり証券業界は地合い作り(株高)に尽力すると思われた。だが、上場を前にSBに通信障害が出てしまい、証券関係者は「なんでここで・・」と頭を抱える。米国でもNYダウ、ナスダックが崩れ、世界のマネーを吸収してきた「FANGプラス」も腰折れしたままで、クリスマスムードはどこへやら、ヘッジファンドなど運用会社は窮地に追い込まれている。

そんなことで市場には慎重観測も増えており、空売りやショートなど下落への対応も増している。売り方の増加に伴い、下げれば「買い戻し」も出やすく一本調子の崩れ(二段下げ)に突き進むとは限らない。11月以降の乱高下もみ合いにはそうした背景があるからだ。

とはいえ、下値の節を割り込むと買い方の投げ加速により大きく下げることは避けられない。その意味で日経平均は「10/26安値20971円」を、NYダウであれば「10/29安値24122ドル」を下値ポイントとしてマークしておく必要がある。うまくすれば、ここらで「二番底」となり切り返す可能性もあるが、少なくとも12/3に付けた高値を抜かなければ日米とも好転の兆しは出てこない。ラッセル指数(818)やドイツDAX(805)などが崩れを鮮明にしている。暗雲漂う師走、もうしばらく慎重姿勢が必要だろう。
日経平均日足
日経平均日足

NYダウ日足
NYダウ日足

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