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深刻な同時株安
この世界に入って40年近くになるが、これほど厳しい年の瀬は珍しい。
二段下げに入った日経平均は21日に20000円ギリギリまで軟化し、12/3高値から3週間で2692円(▼11.8%)の下げとなり、新安値銘柄が過去最多の1335を数えた。個別株の厳しさは日経平均以上だろう。
日経平均週足
そして祭日の24日。世間はクリスマスムード一色だが、半日商いの米国ではNYダウが653ドル下げ21800ドルを割り込み、ナスダックは6200ポイントを割り込み、為替(ドル円)は110.26円と21日に比べ1円も円高となり、深夜の日経平均CFDは19300円処(21日の大証先物20050円)まで崩れている。
NYダウ週足
これでは休み明けの日本株は更なる下落が否めず、今年最後の相場がどうなってしまうのか心配のタネは膨らむばかり。新安値銘柄の数や騰落レシオなどテクニカル面ではもうセーリングクライマックスに相応しい状況だ。それに、例年であれば期待を込めて「新春、新年相場」を語るところなのに、どうもいまの地合いはおかしい。「荒れる3日新甫」が当てはまってしまったのか、あるいはバブル崩壊の平成時代を締めるということなのか。ただ、意識させられるのは強引に自国主義を展開した2年間の「トランプ相場」の反動だろう。
日経平均のチャートは10/2高値(24448円)から二段下げに入った。N波19221円、V波19224円と下値予測はどちらも19200円台を指しており、休み明けの25日が大きなポイントになりそうだ。うまくすればその25日でセーリングククライマックスになる可能性もあるが、カギ握るのは米国市場が下げ止まることだ。
日経平均日足
少し前までは、大納会にかけて「掉尾の一振」となり、新春からから再び危うくなる・・そのような年末年始を想定していた。だが、年末にこれほど大きく突っ込むと、新春は反動で勢いよく上昇する可能性も出て来る。その意味で28日の大納会までの推移が1つポイントになるが、ただチャートが大きく崩れたことで上値は限られ、ネックライン「21000円」が戻りの壁となるだろう。チャートが好転するには少なくとも21000円突破が必要になる。
逆に下値メドを探れば2年間のトランプ相場がイッテコイとなる「17000円前後」となる。3兆円近い信用買い残は総ヤラレとなっている。前回、ドイツDAXが大きく崩れていることに触れたが、現状を踏まえればDAXが日米株価を暗示していたことになる。そして下落に転じた世界マーケットはこの先「同時株安」を深めること懸念される。未曾有の過剰流動性相場で上げてきた10年間のマネーバブルがここで崩壊した可能性あり、2019新年は歴史的に厳しい相場になることも危惧される。
DAX週足
そんな懸念が杞憂に終わることを願うばかりだが、チャートは流れに従うのが基本であるから、上値抵抗線を突破するなどチャートが好転の兆し見せるまでは慎重なスタンスを続けざるを得ない。それが新年相場の基本感だ。
年内最後のコメントがこのような厳しい内容となり、申し訳ございません。
皆さま良い年をお迎えください。
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