富田のトレチャ 2019年05月13日

★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ blank

陰転暗示

米中閣僚級協議に絡み米国株は要人の発言で乱高下。その米国株に振られる形で日本、欧州の株も振り回されている。注目された9日、10日の閣僚級協議も決着つかずに「先送り」の様相だけに、株式市場はもうしばらく乱高下しかねない。ただし、NYダウ、ナスダック、日経平均ともに日足チャートは陰転を暗示する。米国株はマネーバブルで歴史的高値圏に来ているだけにしばらく注意が必要だろう。

10日のNYダウは一時25469ドル(-358ドル)まで下落するも、終値は25942ドル(+114ドル)と切り返した。日足は2日続けて長い下ヒゲを伸ばし、200日線(25422ドル)や一目の雲(25844~25321ドル)、週足の雲上(25505ドル)を下値の節として意識したカッコウだ。ただし、4/23高値26695ドルと5/1高値26689ドルのWトップから25日線(26351ドル)を割り込むなど日足チャートは「陰転」を暗示する。週足は昨年1月、10月、今年4月高値で「三尊」を形成しかねず、日足の調整入りに注意怠れない。

NYダウ日足
NYダウ日足

そして日経平均は10日に57円安21344円引けと5日続落、一時21175円まで下げた。日足は21300円台にある75日線や一目雲上に差し掛かり、3/29の窓(21267円)を埋めた。ここまで来ると一旦下げ止まり、戻りを試す可能性がある。

日経平均日足
日経平均日足

令和になりまだ上昇した日がなく、NYダウが切り返して終えて、日経平均先物が21490円で終えたことから今週は上昇で始まる可能性が高い。ただし、日足チャートは崩れを暗示しており、好転の兆を見せるには割り込んだ25日線、200日線の21800円台を奪回しなければならない。それを確認するまでは「アヤ戻り」であり、「二段下げリスク」も漂う。日足のRCIは調整未了で、サイコロもまだ5勝7敗だ。

日経平均先物日足
日経平均先物日足

そういった見方はNYダウ、ナスダックでも同じ。米中貿易交渉は合意に至らず、今回は協議継続、つまり「先送り」となった。ただし、チャートが崩れたことから4月までのようにマーケットが「イイとこ取り」で反応するとは思えず、同時株安懸念が付きまとうことを頭に入れて対応すべきと思われる。

→富田のトレチャ:目次へ

(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます!  詳細・お申し込みはコチラ