富田のトレチャ 2019年07月01日

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円安+裁定買いで上昇加速も

G20サミットが終わった。トランプ大統領の電撃「訪朝」もあったが、マーケットが最も注目したのは米中首脳会談。事前の想定通り米中貿易交渉再開と、制裁関税第4弾の見送りを決めたが、ただトランプ大統領が会談後に「ファーウェイへの米国製品の供給を認める」と口にしたのはサプライズだったのではないか。

もちろん、取引をすべて解禁するのか、またブラックリスト(禁輸措置対象)から外すのかなど詳細はまだなにも発表されておらず、米商務相や米政府側の発表が待たれるところ。それにトランプのことだからまた何を言い出すか分からない部分もある。

とはいえ、ファーウェイの規制解除は日本企業にとってポジティブサプライズであり、マーケットにも同じことが言えるだろう。現時点(6/30)でマーケットの反応は分からないが、恐らく今週最初に開く日本マーケットは米中協議の進展を受けて「リスクオン(地政学リスク後退)」で始まると思われる。

 そこでまず為替。先週106円78銭まで円高を進めたが、週末28日(米国)は107円90銭に戻し、日足チャートは上値抵抗線を抜いて25日線に迫った。ここで市場がリスクオンに傾くなら25日線も上抜いてチャートは「好転」、75日線のある109円台後半まで円安進める可能性が出てくる。

ドル円日足
ドル円日足

そうなると日経平均の上昇に寄与してこよう。ハイテク関連、中国関連が買い戻されるなら日経平均へのインパクトは小さくない。また、先物取引に係る裁定買い残(株数ベース)が先週2兆1510万株と実質過去裁定水準に低下しており、切り返すなら裁定買いを伴って上昇を加速させることも想定される。

裁定買い残日足
裁定買い残日足

6月末の日経平均は21275円引けだ。日足を見ると75日線(21402円)や200日線(21637円)、一目均衡表の雲(21366~21556円)など上に多くの節を控える。だが、雲や200日線を抜くと日足の節を軒並み突破するので、4月の戻り高値22362円を一気に目指す可能性が出てくる。

日経平均日足
日経平均日足

NYダウも最高値更新(10月26951ドル)を恐らく試すだろう。もちろん、米中協議の行方やトランプのツイートなどでマーケットは一喜一憂、乱高下もするだろうが、日本株は出遅れていたほか7/21に参院選もあり、7月相場はしばらく上値追いをイメージできそうだ。

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