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燻ぶる二段下げリスク
8月になって始まった「同時株安」。その親ガメであるNYダウは乱高下続けるものの、日足は25500ドル近辺を下値にもみ合い、踊り場に入った。それを受けて日経平均も20100円を下値に20500円前後で乱高下、日足は踊り場を形成する。当面、チャートはこの踊り場からの放れが焦点になる。お盆が明け、甲子園は間もなく決勝。株が放れ足を見せるのもそう遠くないだろう。
日経平均は騰落レシオやRCIなど短期テクニカルが底値信号を灯し、空売り比率や裁定売り残が高水準にあることから、目先上昇してもおかしくない。だが、日本株のカギを握るのはNYダウだ。
リスク回避の動きで米国株にも「売り」は溜まっており、その買い戻しで折りに触れ急反発することがある。NYダウは200日線や52週線を意識するように25500ドル近辺が下値になっている。だが、年初からの下値抵抗線を割り込みかけるなど25500ドル近辺は下値の正念場で、注視しておかねばならない。日足の一目はすでに雲を割り込み、かろうじて遅行線が雲に差し掛かって下げ止まったところ。上値には雲や25日線などの節が控えており、明確に切り返すこと出来るのか注視続こう。
NYダウ日足
米中貿易戦争は制裁第四弾に進み、通貨戦争に波及して米中経済に影響が出てきている。米国では長短金利(10年債&2年債)の逆転が12年ぶりに起き、30年債利回りは初めて2%を割り込むなど金利低下が鮮明で、債券市場のバブル化が次の火種になってきた。
また、香港でデモが続いている。隣接する深せんに武装兵士が集結しており緊迫ムードを高めている。もし中国政府が武力行使に動くなら、香港や中国から投資マネーが引き揚げかねず、世界のマーケットに影響及ぼそう。ハンセン指数のチャートを見ると、すでに下落して節目の25000ポイントに差し掛かったが、2016年安値から引く下値抵抗線を割り込んでいることからその節目で下げ止まるかは危うく、それは「武力行使」が否定できないような状況にも感ずる。
ハンセン指数週足
日経平均はすでに日足、週足の各平均線を割り込み、年初からの下値抵抗線も割り込んで「陰転」を明確にする。目先、上昇してもおかしくないところだが、好転には少なくとも25日線を突破しなければならず、それまで「戻り売り」が続くことを覚悟しておきたい。日足はいま一段下げのところだが、5月~6月に見せた「二段下げ」の途中と似ており、二段下げへの警戒も怠れない。
日経平均日足
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