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ナスダック、CRBを注視
さて10月。マーケットの焦点は「米中閣僚級協議」となるが、「対中投資制限を検討する」とトランプ大統領はまたしても米中の進展期待に水を差してきた。香港では中国建国記念日「10/1」を前にデモが激しくなってきた。こうなると、9月にテクニカル過熱を伴い急騰しただけに、「10/2高値」になった昨年の相場がやはり気になってくる。
27日の米国市場は対中投資制限でマイナスに沈んだ。NYダウは121ドル高から急落、26820-70ドルで終え25日線と75日線のある26600ドル台に迫ってきた。そして、先週ポイントに挙げておいたナスダックは21ポイント高から急落して7939-91ポイント引けとなり、一時140ポイント安(7890)まで下げた。ナスダックの日足は25日線、75日線を割り込み、6月安値から引く下値抵抗線に差し掛かった。上昇基調の中の調整局面としてここが「正念場」だ。
ナスダック日足
日本株は、米中協議の進展期待もあり機械や商社、海運などの「中国関連株」が切り返したが、配当取りを終えて今週は戻り試練となりそうだ。日経平均のチャートは9/19に高値22255円まで上げて4月の年初来高値(22362円)に迫ったが、NYダウやナスダックの調整を受けて連れ安免れず、4月-9月で「Wトップ」懸念が台頭しかねない。
日足では25日線、75日線、200日線が21200円台でクロスする。日経新聞には「Wゴールデンクロス」として強気信号のように載っていたが、果たしてどうだろうか。先月8/9近辺では逆に「Wデッドクロス」したが、株価はそこで下げ止まり、その後に大きく浮上した。つまり、教科書でゴールデンクロスやデッドクロスは強弱信号となるが、実際の相場ではそれだけでなく、(1)クロスは遅れて出現する、(2)クロスするときに株価は大きく離れている、(3)平均線と株価は離れると近付き、近付くと離れるという習性がある、などの特徴を合わせて検討する必要がある。
日経平均日足
今であれば、株価は平均線から大きく上に離れたので、平均線の集まる21200円台にサヤ寄せ(プリバック)する可能性ある。8月のケースを裏返すなら一気に平均線を割り込んで行く可能性否めない。その可能性を含めて、ここからナスダックなど米国株の動向がカギ握ることになる。
因みに、イランの制裁に絡んで原油(WTI)が乱高下したが、コモディティ(商品)のCRB指数は9/16高値183.32から25日線水準(174ポイント台)まで調整している。CRB指数と日経平均には連動性あるので、ここでも日経平均が25日線まで調整入れてもおかしくないことを示唆する。
CRB日足
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