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好転のカギは米中協議に
先週のNYダウは大きく乱高下した。3日には安値25743ドルと、先週末から1077ドルも下げたが、4日の終値は26573+372ドルで、急落分の8割を取り戻して終えた。ただ、日足チャートは200日線を下支えに切り返し、2日に空けた窓26562ドルを埋めたところで、割り込んだ25日線、75日線のまだ下にある。いつものように「利下げ期待」で切り返してきたが、これまでになく米国景気後退懸念が台頭しており、「イイとこ取り」で今回も大きく浮上できるかは不明だろう。日足の好転には25日線(26733ドル)や1日高値27046ドルの突破が必要であり、今週はそれを実現できるかを見極めることになる。
NYダウ日足
1日発表の米ISM製造業景気指数は47.8(前月比-1.3)と悪化、3日のISM非製造業も52.6(前月比-3.8)と予想を下回り、4日の雇用統計(就業者数)も13.6万人増で予想14.5万人を下回った。米国の景気後退懸念が強まり、月末のFOMCでの利下げが確実視される。カネ余りの金融相場だけに、金利低下は株式市場にとって追い風になってきたのは間違いが、景気後退を無視した「イイとこ取り」の相場がいつまでも続くとは限らない。
ナスダックも3日7700ポイントに突っ込むが、200日線に抵触して切り返し、4日は7982ポイントで終えている。ただ、年初からの下値抵抗線を大きく割り込んで調整入り懸念を見せた。日足が好転するには25日線、75日線のある8050ポイントや、9月にWトップとなった8243ポイント奪回が必要だ。
ナスダック日足
そして日経平均は4日に21276円まで下落するが、日足と週足の平均線が軒並み重なる厚い節目で下げ止まった。4日米国時間の先物が21520円(大証終値比+200円)で終えたことから、今週は大きく反発して始まるだろう。3日に空けた窓21725円(2日安値)を埋めに行く可能性もある。
日経平均日足
だが、日米とも10月早々に急落して「昨年の10月相場」を彷彿させた。昨年の10月は急落したあと1週間ほど戻りを試すが、好転に至らず10月下旬にかけて二段下げに走った経緯がある。10月はファンド決算(10月、11月)に絡んで売りが出やすく、急落アノマリーもある。CRB(商品指数)のチャートは軟調のままだし、混乱の香港に改善の気配は見られない。そして、今週の最大の焦点は10~11日の「米中閣僚級協議」であることは言うまでもない。
NYダウ、日経平均とも日足の好転を確認するまで少し様子見も一策ではないだろうか。
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