富田のトレチャ 2019年10月15日

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期待に届かぬ「米中合意」

猛烈な台風が通り過ぎ、多くの爪痕を残した。あの多摩川が氾濫するとは信じられなかったが、そのような異常が驚きでなくなる時代になったということだろう。そういえば、11日に飲料水を買いに行ったのだが、イトーヨーカドーもイオン、マルエツ、ビバホーム、コンビニ、ドラグストア・・どこも「品切れ」。パンもカップメンもガスボンベも同じだった。消費関連株が軒並み上昇したのはこのためだったのかも知れない。結局、近所のヒャッキンで1本550mlの水を110円で買わされた。日頃からの備えが大事だと痛感した。

さて、11日といえば米中協議に世界の目が向かった。11日の米国市場は「合意」期待で猛烈に上げたが、部分合意が発表されると引けにかけて伸び悩んだ。11/16のAPEC(チリ)で正式合意するという。トランプ大統領は「第一段階の合意ができた」「大きな前進だ」とアピールするものの、そこに笑顔は見られない。中国は農産物輸入を拡大、元安誘導を防ぐこと、米国は10/15からの制裁関税を先送り、12/15からの関税に関しては継続協議とした(速報段階)。

一応、合意はしたもののトランプの思い描いていた内容には程遠かったに違いない。事前に出ていた「ファーウェイの部分解禁」もなく、第二段階、第三段階の協議に向けて「核心を先送り」したとも言える。そして、この先トランプの気まぐれツイートが吹き荒れるのも必至だろう。こうなると、マーケットがこの結果をどう評価するか改めて14日以降の相場に問うことになろう。

NYダウは一時27013+517ドルを付け、26816+319ドルで終えた。10/3に25743ドルまで下げたが200日線と下値抵抗線を下値支持として切り返し、75日線、25日線をクリアーして10月序盤の急落分を取り戻した。週足も52週線を下値支持に切り返すなどチャートは強い基調を維持する。ただ、10/1高値27046ドルや9/12高値27306ドルの手前にあり、日足波動はまだもみ合い圏でもある。

NYダウ日足
NYダウ日足

日経平均先物をみると11日(夜間)は一時22240円(大証比+440円)と大きく上げ、引けは22040+240円と上げ幅を縮めたものの22000円台を回復。先物の日足を見ると4日に21040円まで下落したが200日線や半値押しで切り返し、9月高値22100円を上抜き4月の年初来高値22370円に迫った。週足は21300円処に集まる13週、26週、52週の各平均線を下値に切り返すなどチャートは強い動きを見せている。

日経平均先物日足
日経平均先物日足

こうなると14日のNYダウの動向が注目される。NYダウが続伸するなら日経平均も4月の年初来高値(22362円)奪回を目指すだろう。だが、逆にNYダウが反落するなら日経平均は11日の先物の上昇を反映せずに「調整」も想定される。10日、11日と株式市場は猛烈に上げたが、失望から大きな反動安を招くことも否定できない。因みに、11日のSQ値は「21842円」で「幻のSQ」になっている。

11日の為替(ドル-円)を見ると一時108.62円まであり、108.42円で終えた。9月に描いたWトップに肩を並べたが、ここから反落(円高)すると日足は108円台で「トリプルトップ」となりかねない。もしそうなると、それは「リスク回避」への合図となる。いずれにせよ14日の米国市場がカギ握ろう。

為替日足
為替日足

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