天底逆転とまでは言わないが、上昇力に変化も
2019年初から個別株で上昇している銘柄のなかに半導体関連株がある。アドテスト <6857>や東エレク <8035>などは安値から2倍以上の上昇で、昨今のテーマ株の柱となっている。ただ10/29に高値を付けた東エレク <8035>、10/31に第二四半期決算を発表、通期を上方修正した。しかし好決算にもかかわらず株価は直近高値圏でのもみ合いに変化し始めた。完全に高値を打ったとまでは言えないが、好材料に反応できなくなってきた点には目先注意も。
一方で元気なのが下方修正株だ。最近の勉強会では、上方修正株よりも下方修正株に注目としている。
理由は景気や企業業績の最悪期が今なら、悪材料株が買われ易いためだ。これ以上、悪い材料が出ないと予想すれば、株価も下がるよりは上がる可能性が高まるためだ。
事実10月に入り半導体や電子部品、さらに機械株などで下方修正の発表が相次いだが、株価は売られるよりも買われる銘柄が増えだした事で、強気に転じた向きも少なくないはずだ。
こういった流れの変化に加え、10月初の押し目以降に米中貿易交渉では前進が観測。部分合意の可能性が高まり米中貿易戦争は最悪期を抜けた。こう言う見方から米国株が中心となり世界の株は再び上昇へと好転した事も、日本株上昇の支援材料になったと思う。
日経平均週足
さてテクニカル面では(日経平均)、9~12週RCIは過熱水準まで上昇。短期的には、上昇すれば短期で大きなリターンが得られるかも知れないが、テクニカルの過熱もあり反落すると調整に巻き込まれるリスクもある。
一方、長めの26週RCIや52週RCIはまだ過熱圏には未達で上昇余地はある。週足では、短期警戒・中期では押し目買い。こんなイメージだ。
そこに東エレク <8035>の株価推移も加わり、新規では買い難いタイミングにあると思う。
むしろ米中貿易交渉で前進期待が高まる材料が多数出てきた10月中旬以降(中国は米国産農産品の購入を大きく増やす。また知的財産権巡る措置、金融サービスと為替での譲歩に同意。それを受け米国は予定していた追加関税の引き上げを先送りする)、この材料で買った向きは、どこで利食うかを見極めるタイミングにあると思う。
決算発表も今週でほぼ終わる。通期は下方修正だが四半期決算では好転が見られるとか、受注が増え始めたとか、そう言う決算内容で、週足チャートが長らく調整し(2018年始めに高値)、高値から半値。こう言う出遅れ銘柄ならテクニカルの過熱→短期調整があったとしても、耐えられると思うが。