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高値示現アノマリー
11月の米雇用統計(26.6万人増加)が市場予想を大幅に上回り、6日のNYダウは28015+337ドル(+1.22%)と大きく上昇した。これを受けて今週の日本株は堅調に始まるに違いない。ただ、12月上旬の上昇はアノマリー通りだが、師走相場への期待が集まるところで相場は高値を付けやすいアノマリーもある。
タイムスケジュールを見れば、(1)FOMC(11日)、(2)英国ブレグジット選挙(12日)、(3)ECB理事会(12日)、(4)メジャーSQ(13日)、(5)米国の対中追加関税発動(15日)と重要イベント目白押しで、日本では(6)公務員ボーナス支給日(10日)もある。
そして、この中で最も注目されるのは(5)の追加関税(第四弾)で、15日発動日を前に米中協議に投資家の関心が向かう。いまマーケットは「追加関税回避(延長)」という見方に傾いているが、トランプ大統領は3日に「合意は来年の大統領選まで待っても良い」と発言したばかりだし、NYダウが高値圏にくると強権的な言動に出ることも多く、米中交渉に楽観許されないだろう。
そして、日経平均株価(6日23354円引け)は三角保ち合いを煮詰めており、そこからの放れが注目となる。週足チャートをみると、11月8日から2万3500円台に上値抵抗線が、下値は8月26日安値(2万0173円)から下値抵抗線が引け、いま2万3300円近辺で三角を煮詰めている。6日の米国市場で日経平均先物が「23530円」で終えており、今週は三角形を上抜く可能性もある。
日経平均日足
NYダウも27日に高値28174ドルを付け、半日商いの29日は28051-112ドルと一服入れた。日足チャートはボリ+1σ(28009ドル)や短期下値抵抗線の上にあり、こちらもまだ上昇基調に変わりない。
日経平均月足
NYダウも27日に高値28174ドルを付け、半日商いの29日は28051-112ドルと一服入れた。日足チャートはボリ+1σ(28009ドル)や短期下値抵抗線の上にあり、こちらもまだ上昇基調に変わりない。
上放れるなら2万4000円指向からアベノミクスの最高値2万4448円を目指すことも想定される。対中関税が回避されるならその上値シナリオも濃厚となろう。ただ、メジャーSQ前で公務員のボーナス支給のある今週は「高値示現アノマリー」のあることも覚えておきたい。
参考チャートとして今回は「NT倍率」を見ておきたい。これは日経平均株価をTOPIXで割ったもので、数値が上がるときは値がさや主力の日経平均採用銘柄(225)が買われていて、逆に数値が低下のときは225以外の中小型株や金融株などが優位なときとされる指数だが、直近は「13.63」で、10/28には「13.87」と1992年以来27年ぶりという高水準を付けている(月足参照)。カネ余りの金融相場で運用マネーが指数連動型のファンドに流れ込んでいることを物語っている。
NT倍率週足
NT倍率月足
NYダウも27日に高値28174ドルを付け、半日商いの29日は28051-112ドルと一服入れた。日足チャートはボリ+1σ(28009ドル)や短期下値抵抗線の上にあり、こちらもまだ上昇基調に変わりない。
このNT倍率も上昇基調にあるなら問題ないが、週足で52週線(13.58)を割ってくると相場の雲行きが怪しくなる。大量のマネーを吸収している225主力株のファンドに陰転が目立ちだし、マネー流出が加速しかねない。2000年のITバブル、サブプライムショックの2007年など、NT倍率の陰転は日経平均の陰転より一足早く表れている。いまは異次元のマネーバブル相場であること間違いなく、この先どこかで表れる「NT倍率」の陰転を注視したい。
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