富田のトレチャ 2020年02月03日

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好転の兆が出るまで「もうはまだ」

新型ウイルスが世界マーケットにも感染、影響を拡げている。感染者数は遠からずピークアウトするだろうが、打撃受けた経済の実態や復旧見通しが明らかになるのはしばらく先になる。そして、株式市場は日米とも上昇基調に亀裂を入れた。強気になれるタイミングは相場に聞かねばならず、チャート注視が続く。

31日にNYダウは28256-603ドル、ナスダックは9150-147ポイントと急落、そして日経平均「先物」は480円22650円安値引け、DAXなど欧州株も総崩れで「同時株安」を鮮明にする。米10年債利回り(株達コード840)は1.50%に低下し(3ヶ月物金利1.55%を下回って長短金利逆転)、為替(ドル円)は108.25円の円高と、多くのマーケットが「リスク回避」を強める。さらにCRB指数(同コード811)、バルチック海運指数(同コード810)とも厳しい下落になっており、経済面の先行きに暗雲を漂わす。

NYダウ週足
NYダウ週足

NYダウ日足
NYダウ日足

日経先物日足
日経先物日足

そして、市場が注視するのが春節明けで再開(2/3)する上海株だ(1/23終値2976ポイント)。香港ハンセン指数が1/20高値29174ポイントから直近安値26295ポイントと2週間で10%急落しており上海株の急落は免れない。31日の米国株の急落は上海株の急落に備えたヘッジが出ていた可能性もあるが、中国株どのように推移するかが今週まず焦点になろう。

ハンセン日足
ハンセン日足

日経平均やTOPIXの日足は1/8安値を割り込み「陰転」と「Wトップ」を確定させた。NYダウも25日線と下値抵抗線を割り込み「陰転」、ナスダックは25日線と下値抵抗線にタッチしたところで正念場を迎えている。

勿論、過剰流動性(カネ余り)の環境は変わらず、強気姿勢の投資家はいる。ウイルス患者がピークアウトするとか、終息の兆が出てくれば「AI」も買い指令を出してこよう。目先的には「節分底」の可能性もあるが、買いで急ぐことはないだろう。1月~2月は調整含みというアノマリーがあり、この2月は「荒れる3日新甫」でもある。日経平均、NYダウとも週足RCIは調整に転じたばかりだ。未曾有のマネーバブルで米国株は最高値を更新したあとでもあり、ここは少なくとも日足チャートが下げに終止符打つ兆を見せるまでは「もうはまだ」となりかねない。

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