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強い需給相場だが、SQを考慮
米国の4月雇用統計が大きく改善を示したことで、NYダウは829ドル高27110ドルと急上昇、高値を1056ドル高27338ドルに伸ばした。ナスダックも9814+198ポイント、高値9845ポイントと上伸、ついに2/19の9838ポイントを捉えて年初来高値に踊り出た。そして、5日の米国市場で日経平均先物も290円高23160円、高値を23310円に伸ばした。DAXなど欧州株も大きく上昇し、為替(ドル円)は109円55線と円安に振れるなど世界のマーケットは「リスクオン」ムードを強めている。
こうなると、今週の日本株は全面高で始まり、日経平均も1/17の年初来高値24115円に肉薄するに違いない。裁定売り残(株数ベース)が5/25のピーク11億2700万株から直近(6/3現在)9億株に減少して買い戻しを誘っていることがうかがえる。この買い戻しの余力はまだ3億~5億株あると思われる。
裁定売り残
ただし、今週末12日がメジャーSQであるから、買い戻しは今週半ばに一旦ピークアウトしてもおかしくない。また、日経平均のテクニカル指標(RCI、RSI、騰落レシオ、ストキャスなど)は過熱を強めている。8日には6日続伸でサイコロが10勝2敗(83%)になりそうだが、この面でも今週の急伸局面は目先のピークになる可能性がある。
日経先物日足
NYダウは5日続伸で週足の雲上限(今週27317ドル)に差し掛かった。また、ナスダックはV自回復で全値戻しを達成したが、V字回復を達成すると一服入れる習性がある。ナスダックの週足52週線とのカイリ率が15.63%に開き、過去のピークである17~18%に迫っている。そして、米国のSQ(トリプルウィッチング)が19日なので、日本同様にいま買い戻しが加速している点も見逃せない。
NYダウ週足
ナスダック週足
超過剰流動性による需給相場で同時株高を強めているが、テクニカルの過熱を無視した上昇加速はピーク接近の気配を感じる。米国や南米、アフリカなどでコロナウイルスの猛威が続いているし、企業業績や雇用情勢は一旦底打ちの気配にあるが、実態経済が株価同様にV字回復できるかは不明でもある。
今週は勢いよく上げて始まるだろうが、スピード調整のほしい局面でもあり、個別株は「吹き値売り」を考えるのも一策となろう。
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