急ピッチに2万3000円台に乗せたこともあり、今週は大きく売られて始まりましたが、火曜日に+1000円以上の大幅な切り返しから、週間でプラスに転じました。世界的に中央銀行が金融支援策を増やしています。日本も日銀による社債買い入れで、中小企業支援を55兆円から110兆円に拡大させました。世界的にコロナ対策が景気対策となり金融支援策となり、株式市場は「国策相場」で暴騰しました。米国も景気対策として100兆円以上の公共事業予算を発表しました。
3月に1万6300円まで急落し、その後「国策相場」から急ピッチに上昇は続き、6月初旬に2万3000円まで回復しました。過去に例をみない急ピッチな回復局面でした。日銀の役割は相場を上げることではなく支えることです。2万4000円台まで回復できれば、十分支えたと言えるでしょう。
7月以降、2万4500円以上に値上がりした場合、月足で言う三尊天井型を抜け出し、高値更新相場の動きに変わります。6月後半から7月に向けて、どこまで戻せるか。チャートの形を上昇基調に戻せるか、戻せないか。チャート的に言う上昇基調は、12ヶ月移動平均線の上に6ヶ月移動平均線があり、6ヶ月移動平均線の上に株価がある状態を言います。現在は12ヶ月移動平均線の下に6ヶ月移動平均線がある状態です。この状態は、まだ戻り相場の域を脱してない状態です。
戻り相場の域を脱しなければ、7月から8月に戻り高値となる可能性は残っています。戻り高値の後に押し目形成の動きとなります。戻り高値形成から、9月から10月に向けて押し目形成の買い場向かうのではないかと見ています。それが6月下旬から7月中旬に向けて売り場と見る理由です。戻り相場から下げずに上昇相場に切り返す可能性もゼロではありませんが。今後の相場を観察したい。
相場動向を見る上で、半導体関連株は先行して動くと述べてきました。レーザーテックは高値更新が続き、アドバンテスト、東京エレクも高値圏を維持しています。またJPX(日本取引所)は上場来高値更新し、上昇基調を維持しています。引き続き、株式市場の高値更新を先行して示していると言えます。
3月安値から個別株の上げ幅を見ると、早くV字回し、上昇相場に戻した銘柄は、その後も上昇を維持して上げ幅を伸ばしています。底入れがV字回復でない銘柄の上げ幅は、さほど大きくなく、比較すると上昇基調に戻した新興市場のテーマ株、上昇基調銘柄、小型好業績株などの値上がり幅は大きかった。やはり好業績で上昇基調銘柄を絞り込んで狙う方が良い結果に繋がっています。
個別株全体では、日経平均が2万3000円に乗せてから高値感が出てきています。7月以降、2万4000円に迫るか乗せてくるなら、さらに高値感は増し、売り場要因となります。短期的には売り場となる銘柄も増えてくると見ていますので、6月下旬以降、相場の過熱感と個別株の売り場は観察ポイントになります。
6月3週目の東証1部銘柄(2179銘柄)の6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は6月1週に高値水準まで戻した後から減少に転じている。2020年1月末1187銘柄(225種115)→2月末267銘柄(225種26)→3月末230銘柄(225種19)→4月末415銘柄(225種17)→5月末1001銘柄(225種65)→6月(4)1490銘柄(225種149)→6月(11)1304銘柄(225種133)→6月(18)1239銘柄(225種116)と6月1週目より減少に転じている。月足ベースでは高値ゾーンから調整に入った銘柄が増えている事が分かる。減っても1000銘柄以上なら上昇相場は維持しています。先に上がった株から売られ始めている。7月に向けた観察ポイントです。
6月3週目の「107」マザーズ市場(321銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数も全体の8割以上増加した後も銘柄数を維持している。2020年1月末108銘柄→2月末36銘柄→3月末16→4月末102銘柄→5月末268銘柄→6月(5)281銘柄→6月(12)283銘柄→6月(19)296銘柄と高値ゾーンを維持しています。減少に転ずると売り場と見たい。6月の観察ポイントです。
6月3週目の「105」JASDAQ市場(703銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も全体の8割以上の銘柄数を維持している。2020年1月末396銘柄→2月末97銘柄→3月末44銘柄→4月末129銘柄→5月末511銘柄→6月(5)559銘柄→6月(12)566銘柄→6月(19)589銘柄と高値水準を維持している。減少に転ずると売り場になりやすい。6月の観察ポイントです。
6月3週目の東証2部銘柄(481銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も全体の8割以上の高値水準を維持している。1月末274銘柄→2月末64銘柄→3月末26銘柄→4月末83銘柄→5月末338銘柄→6月(5)379銘柄→6月(12)376銘柄→6月(19)384銘柄と高値水準を維持している。減少に転ずるなら売り場になりやすい。6月の観察ポイントです。
6月3週目の東証1部銘柄(2179銘柄)の75日移動平均線上回る銘柄数も8割以上の銘柄数を維持している。1月末780銘柄(225種73)→2月末67銘柄(225種7)→3月末253銘柄(225種17)→4月末645銘柄(225種28)→5月末1786銘柄(225種169)→6月(5)1946銘柄(225種198)→6月(12)1773銘柄(225種194)→6月(19)1893銘柄(225種196)と高値水準を維持している。減少に転ずると売り場になりやすい。6月の観察ポイントです。
<NYダウ NASADAQ指数 日足チャート>
前週の「801」NYダウは2万7000ドルに乗せました。その後は高値警戒から、一気に2万5000ドルまで下落しました。今週も乱高下しているが、2万6000ドルは維持しました。日足チャートでは200日移動平均線を上回った後から乱高下し、売られても25日移動平均線で下げ渋っています。25日移動平均線を下回らなければ、再度200日移動平均線を上回る再上昇に向かうと言えます。再度200日移動平均線を上回ると強い上昇局面に戻すと見ています。25日移動平均線を下回ると調整幅は75日移動平均線まで見なければならないでしょう。
前週に「803」NASDAQ指数は1万ポイントに乗せ、最高値を更新しました。IT産業はコロナ渦がビジネスチャンスとなり、強い上昇局面から急騰しました。さらに1万ポイントに乗せてくるか。テレワークなどITはビジネスチャンスは拡大するか。チャート的には25日移動平均線に沿って上昇基調を続けています。この状態が崩れなければ上昇相場は続き、1万ポイント乗せになるでしょう。25日移動平均線(下値支持線)を下回れば、調整局面入りするでしょう。
<ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド
106円まで円高は進みました。75日ボリンジャーバンド中心線(75日移動平均線)は下向きになり、円高方向を示す動きがハッキリしてきました。75日ボリンジャーバンド中心線-1シグマから+1シグマの範囲で推移しているが、円高に動きやすくなっています。しばらく-1シグマ(106円)から中心線(107円)の幅で推移は続くか。
チャート的には、75日移動平均線の下向き度は強まっています。200日移動平均線との2線幅が大きくなっている事が円高への動きを強めています。75日ボリンジャーバンド中心線を下回る円高の動きは、しばらく続く動きに見られます。ジリジリ円高は続きそうです。6月の観察ポイントです。
<JASDAQ指数&東証小型株指数>日足標準条件NO11・75日カイリ率
<JASDAQ指数 日足チャート>
「105」JASDAQ指数は、売られずにシッカリしています。3月底値から10日移動平均線に沿って強い上昇局面を維持しています。現在は25日移動平均線に沿って、200日移動平均線を上回ってきている。強い上昇を維持している事が分かります。25日移動平均線に沿って200日移動平均線を上回る状態を維持するなら、日経平均の影響を受けずに強いセクターと言えます。25日移動平均線を下回れば短期調整に転ずるかも知れません。6月の観察ポイントです。
<東証マザーズ指数 日足チャート>
マザーズ指数も強い状態を維持しています。「107」東証マザーズ指数は、25日移動平均線で下げ止まり切り返しています。200日移動平均線を突破してから、強い上昇局面は続いています。10日から25日移動平均線を上回る状態は上昇局面が続くでしょう。JASDAQ市場と同じく、新興銘柄は買われている事が分かります。6月の観察ポイントです。
<裁定売り残 日足チャート>
「506」裁定売り残の減少は続いています。8億株を下回るまで減少してきました。減少が続く状態は、買い戻しから上昇局面が続くと見ることができますが、NYダウなどの影響も強く、日経平均は乱高下しています。日経平均は25日移動平均線を維持しているので、裁定売り残の減少が上昇局面を維持しています。
8億株以下まで減少してきました。この減少ペースでは7月から8月には3億株以下まで減少する可能性はあります。3億株以下に減少してくると、日経平均は上値を伸ばせるほど買い戻し余力が無くなっている事を意味します。あと1ヶ月程度の高値維持はしそうです。いつまで減少局面は続くか。7月に向けた観察ポイントです。
<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)
6月相場スタートから+1200円以上、上昇した後、-1000円以上売られました。その後、また+1000円以上値上がりし、6月の上げ幅は+500円以上に戻してきました。大幅な下落でも、すぐプラスに戻せるほど買い意欲が強い事がわかります。12ヶ月移動平均線を下回らなかった事も強い動きと言えるでしょう。
チャート的には、6ヶ月移動平均線は12ヶ月移動平均線を下回った状態です。本格的な上昇基調に戻すには、6ヶ月移動平均線が12ヶ月移動平均線を上回る状態にならなければなりません。その状態までに戻すには数ヶ月を要すと見られます。6ヶ月移動平均線が下回る状態は、戻り相場の範囲と見なければなりません。7月から8月に戻り高値形成の動きとなりそうです。7月に向けた観察ポイントです。
<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率
3月安値から6月入りまで急ピッチな上昇局面が続き、一気に200日移動平均線を上回ってきました。200日移動平均線を上回ってから、+-1000円以上の乱高下がありましたが、1日で+1000円以上値上がりして戻したのですから、買い意欲が強いと言うことが上げ幅からわかります。また下げても25日移動平均線(下値支持線)で下げ止まり切り返しました。
チャート的に、25日移動平均線と200日移動平均線はGクロスしました。25日移動平均線が200日移動平均線を上回った事から上昇は強まっています。25日移動平均線が200日移動平均線を下回らなければ、強い上昇局面を維持していると判断されます。25日移動平均線を上回る状態は上昇基調を維持し、下回れば利食い売りに押されたと見ます。7月に向けた観察ポイントです。
世界的にはコロナウイルス拡大でも経済再開に舵は切られた。日本の第2波はあるか。米国はコロナ感染拡大でも経済再開へ舵を切った。外国人投資家の日本株買い続くか。世界はどう動く。
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