日経平均株価の動き(2021年08月20日)

オリンピックは閉会し、来週はパラリンピックが開催されます。心配していたコロナ感染は、かつてない感染拡大となってしまいました。日経平均はオリンピック後2万8000円台に乗せましたが、コロナ感染拡大から売りに転じてしまいました。19日にトヨタはアジアのコロナ感染拡大から部品調達困難な状況に陥り、9月生産を4割減らすと発表しました。

このニュースは株式市場ではコロナ以上に大きなインパクトとなり、同業他社も同じ減産だろうと言う事で、自動車メーカーに、車生産に必要とされる部品、繊維、鉄鋼、非鉄、ゴム、半導体、輸送関連株は一気に売り転換してしまいました。自動車関連は裾野が広い産業構造ですから、9月の悪化を先取りする下げ幅となりました。これから9月に向けて、自動車関連株は下げ止まり待ち確認となります。今週はコロナ拡大、アフガン、トヨタのニュースで荒れました。

この様な景気を左右する大きなニュースの中で、日経平均は2万7000円をキープして引けました。底割れしてしまうかどうかのフシメと見ています。コロナで投資環境は弱気になる中で、今年2月・3月高値の信用期日売りに押されています。この相場状況の中で、日銀は買い支えで2万7000円を維持できるかどうか。この点も観察ポイントになります。

買い目線から株式市場を見た場合、もともと2月・3月高値期日売りに押されている相場状況ですから、悪材料が出て株価が下がる事は、需給改善が早まると良い方に取って見ています。8月はワンチャンスのリバウンドを期待しましたが、コロナ拡大、アフガンで相場状況が一変してしまいました。

投資マインドは、オリンピック前の状況より悪くなりましたが、信用買い残の需給整理は進む事に繋がっています。さらに需給整理が進むことを期待したい。今週、週間で-500円以上下落し、12ヶ月移動平均線まで下げてしまいました。8月は12ヶ月移動平均線で下げ止まれるかどうか。12ヶ月移動平均線で踏ん張れれば強いと言えます。また週間で+500円以上の値上がり確認から、下げ止まりの判断となります。

コロナ対策の新兵器として「抗体カクテル療法」が発表されました。軽症化の方の接種で重症化しにくい治療薬として期待は大きい。中外製薬から販売される事から、株価上昇を期待しましたが、まだ動きは小さいです。塩野義製薬は、年末までに飲み薬の治療薬を発表予定しています。飲み薬が出るころには落ち着いているでしょうか。またトヨタの生産回復の方が株式市場にとって大きいと見ています。

目先の下げは、2月・3月高値の需給整理が進むことになります。9月に向け、需給整理が進むことで、秋以降の底入れに向けた買い場形成に向かうと見ています。今週の下落で、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は大きく減少しました。6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数が減少中は、下落を意味します。増加に転ずれば下げ止まる銘柄は増加し、底入れに向けた事を意味します。

個別株は、好業績を発表した海運株が高値を伸ばしましたが、目先はカイリ度が高くなり過ぎていたところで、トヨタの減産ニュースで売りに転じました。状況的に大幅調整待ちに見えます。逃避資金はトヨタに関係ないコロナ治療薬期待の薬品株、ドラッグストアを買ってきたか。全体が売られる中で、材料視されるか注目したい。

8月3週の東証1部銘柄(2204銘柄)の6ヶ月移動平均線上回る銘柄数は前週に対し、減少に転じた。2021年1月末1407銘柄(225種195)→2月末1470銘柄(225種206)→3月末1760銘柄(225種207)→4月末1352銘柄(225種171)→5月末1094銘柄(225種156)→6月末1224銘柄(225種159)→7月末941銘柄(225種69)→8月(5)864銘柄(225種86)→8月(12)1037銘柄(225種118)→8月(19)742銘柄(225種73)と大きく減少に転じた。まずは下げ止まり確認からです。8月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

8月3週の「107」マザーズ市場(377銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数は再度減少に転じた。2021年1月末120銘柄→2月末153銘柄→3月末185銘柄→4月末108銘柄→5月末114銘柄→6月末109銘柄→7月末81銘柄→8月(6)57銘柄→8月(13)80銘柄→8月(20)63銘柄と再度減少に転じボトム接近か。底入れ待ちか。8月の観察ポイントです。

マザーズ銘柄

8月3週の「105」JASDAQ市場(696銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も再度減少に転ずる。2021年1月末424銘柄→2月末452銘柄→3月末467銘柄→4月末307銘柄→5月末305銘柄→6月末311銘柄→7月末254銘柄→8月(6)201銘柄→8月(13)264銘柄→8月(20)163銘柄と再度大きく減少する。ボトム待ちか。8月の観察ポイントです。

JASDAQ銘柄

8月3週の東証2部銘柄(471銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も再度減少に転ずる。2021年1月末298銘柄→2月末334銘柄→3月末342銘柄→4月末249銘柄→5月末202銘柄→6月末227銘柄→7月末201銘柄→8月(6)182銘柄→8月(13)203銘柄→8月(20)127銘柄と再度大きく減少した。こちらもボトム待ちか。8月の観察ポイントです。

東証2部銘柄

8月3週の東証1部銘柄(2204銘柄)の75日移動平均線上回る銘柄数も再度減少に転ずる。2021年1月末1302銘柄(225種177)→2月末1342銘柄(225種194)→3月末1562銘柄(225種184)→4月末799銘柄(225種105)→5月末717銘柄(225種110)→6月末923銘柄(225種127)→7月末829銘柄(225種52)→8月(6)881銘柄(225種84)→8月(13)1057銘柄(225種111)→8月(20)651銘柄(225種49)と大きく減少に転ずる。回復は遅れるか。8月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

<801NYダウ 803NASADAQ指数 日足チャート>

「801」NYダウは3万550ドルに乗せましたが、アフガンで小幅調整しているのか。ダウが10000ドル以下の時の300ドル安は影響ありましたが、もう3万5000ドルの300ドル程度では影響はなしです。引き続き、チャート的に、下から200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線の順に強い上昇基調を維持しています。多少の調整は押しと見られます。トレンド&基調を維持している状態は、上昇基調は続きます。8月の観察ポイントです。

「803」NASDAQ指数は1万5000ポイントを前に調整に転じましたが、1万ドル台の100ポイント安は下げになりません。25日移動平均線は75日移動平均線を大きくカイリする強い状態です。チャート的に、下から200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線の順に強い上昇基調を維持しています。トレンド&基調を維持する状態は、上昇基調は崩れません。8月の観察ポイントです。

NYダウ NASADAQ指数 日足チャート

<850ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド

今週は円安・円高にブレましたが、チャート的には75日ボリンジャーバンド(中心線)を上下に動いただけです。中心線を基準に小幅ボックスの動きと言えます。75日ボリンジャーバンド(中心線)を上回る状態は、円安基調を維持していると見る事ができます。

日足チャートでは、75日ボリンジャーバンド(中心線)を中心に、+-1Σの範囲の小幅ボックスでの推移が続いています。為替的には、110円を挟んで小幅ボックスで動けない状態の様です。来週も75日ボリンジャーバンド(中心線)から+-1Σ間での小幅ボックスで推移しそうです。8月の観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<105JASDAQ指数&107東証マザーズ指数>日足標準条件NO11・75日カイリ率

<JASDAQ指数 日足チャート>

今週はコロナ拡大アフガン、トヨタを嫌気して200日移動平均線まで売られました。7月に「105」JASDAQ指数は4000ポイントに乗せたところを高値に、再度75日移動平均線を下回る調整局面から200日移動平均線まで下げてきたのでボトムか。再度75日移動平均線を上回ってくれば、上昇基調に戻します。引き続き、75日移動平均線を下回る状態は押し目形成の動きと見ています。8月の観察ポイントです。

<東証マザーズ指数 日足チャート>

「107」マザーズ指数の弱い動きは続き、目先は5月安値は下回ってきました。2点底形成の動きと見ています。下降相場に向かうか。ボトム形成か、確認するところとなりました。まず10日移動平均線を上回ってこれなければ、下げ止まり確認はできません。10日移動平均線を上回れるか確認です。8月の観察ポイントです。

JASDAQ指数&東証マザーズ指数 日足チャート

<日経平均 610評価損率・週足チャート>

「610」評価損率(8/13・-10.24%)と、前週より少し改善しましたが、-10%から悪化は続いています。今週の下げを見れば、来週発表の評価損率の数値は、かなり悪化しているだろうことは想像できます。ただ数値の悪化は、需給改善に向かう動きと見る事が出来ます。来週以降の評価損率の数値の悪化から、需給改善待ちです。

週足チャートでは、13週移動平均線(上値抵抗線)に上値を押さえられた状態のままです。当面は、13週移動平均線(上値抵抗線)を上回りにくい状況は続きそうです。13週移動平均線を上回ってくれば、上昇相場に戻した状態です。ここからは底入れ下げ止まり確認待ちになります。まずは5週移動平均線を上回ってくる下げ止まり確認からです。8月の観察ポイントです。

日経平均 610評価損率・週足チャート

<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)

月足チャートでは、前週まで694円高でしたが、今週の下落から陰線に転じ、-216円安となりました。陽線は陰線となり、12ヶ月移動平均線(2万7000円)まで下げてきました。12ヶ月移動平均線を下回らなければ、日銀買い支えなど強気と見る事ができます。6ヶ月移動平均線(上値抵抗線)が当面の上値抵抗線です。12ヶ月移動平均線(下値支持線)を下回ってきたら、弱い動きになります。

今週また週間で-500円以上(-964円)下落し、下降転換か調整局面に転じたと見る下げ幅です。また上昇に戻すには、週間で+500円以上値上がりしなければ上昇転換と判断できません。12ヶ月移動平均線をキープしているのは強い状態いですが、上昇転換の確認が必要です。8月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

前週は、日足チャートで、株価は10日移動平均線を上回り、下げ止まり確認ができたかと思いましたが、今週あっさり10日移動平均線を下回り、再下落に転じました。心理的な下値支持線は2万7000円です。来週以降、10日移動平均線を上回ってこなければ、下げ止まり確認はできませんが、2万7000円をキープ出来ていれば底堅いと言えます。

チャート的に、当面は25日から75日移動平均線(上値抵抗線・27800~28400円)を意識する値動きが続くと見ています。まず10日移動平均線を上回り、次は25日移動平均線を上回る反発待ちの動きです。25日移動平均線を下回る状態は、戻り売りの心配があります。8月の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

コロナ爆発感染拡大。アフガンにトヨタの減産の影響は続くか。NYダウはアフガンの影響は出るか。世界はどう動く。

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