日経平均株価の動き(2021年12月17日)

今週はSQ週の翌週でした。戻す場面はありましたが、前週SQ値(29388円)を上回れなかった事は弱い動きでした。上値の重い展開が続いている中、16日木曜日にFRBパウエル議長がFOMCでの資産購入終了の前倒しを決めましたが、バランスシートの拡大については来年3月半ばで終了します。ただ縮小開始について何も決めていないと述べた事で、1日で+600円高の大幅反発したものの、週末は-520円の反動安で行ってこいとなりました。

来週にクリスマスを控え反発しましたが、来週のクリスマス週は、上値を買い進む商いは細ると見ています。日足チャートで200日から75日移動平均線(上値抵抗線)まで戻してきましたが、反動安で売られた事も、上値には売りものが控えている事を表しています。クリスマスに向けて買いが細れば、上値は伸び悩むと見ているから、クリスマスに向けて上回れるかどうかわかりません。

年が明けても3月までは、2022年度3月期の益出し売りが控えているため、上値は伸びにくいと見ています。また2023年度3月期業績予想を意識する事も、買われる銘柄は限られてきます。今年は年末まで高かったのは、ほぼ半導体関連株だけでした。来年も半導体関連株だけで牽引するには息切れしてくる可能性があるので、クリスマスから来年3月まで、一部の株を除けば上値は重いと見ています。

来年4月4日(月)に、株式市場は市場始まって以来の大きな区分変更が実施されます。現在は東証1部、2部、JASDAQなどに分類されている市場が、プライム(東証1部の時価総額の高い銘柄)・スタンダード(時価総額の低い銘柄)・グロース(現在のJASDAQ・マザーズ)に分類されます。投信などインデックスから外れる銘柄は売られやすく、インデックスに入る株は買われるでしょうが、前もって分かっていません。

この大きな市場変更を控えている事も、4月まで好業績株と底値買い以外は買われにくいと見る理由になります。市場区分変更があるとインデックス銘柄は入れ替わり、外れる株は売られます。大きな市場区分変更が終わらないと、買いに転じにくいと考えます。また2023年3月期予想が出揃うまで買われにくい事も理由になります。そう考えると、買われるのは、来年5月以降になってくる可能性が考えられます。

個別株では、年内だけを見れば、強い上昇局面を崩していない半導体関連株の押し目を待つしか上がる株は見当たりません。今年は途中に乱高下がありましたが、切り返したのは半導体関連株だけでした。年末から年明けも上昇基調を崩していない半導体関連株の注目が続きます。

12月3週の東証1部銘柄(2194銘柄)の6ヶ月移動平均線上回る銘柄数は、少し戻したが弱い銘柄数です。2021年1月末1407銘柄(225種195)→2月末1470銘柄(225種206)→3月末1760銘柄(225種207)→4月末1352銘柄(225種171)→5月末1094銘柄(225種156)→6月末1224銘柄(225種159)→7月末941銘柄(225種69)→8月末1072銘柄(225種92)→9月末1412銘柄(225種148)→10月末1068銘柄(225種126)→11月末468銘柄(225種62)→12月(2)425銘柄(225種63)→12月(9)833銘柄(225種95)→12月(16)856銘柄(225種100)と少し増加も弱い状態です。切り返せるか。12月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

12月3週の「107」マザーズ市場(401銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数も減少続く。2021年1月末120銘柄→2月末153銘柄→3月末185銘柄→4月末108銘柄→5月末114銘柄→6月末109銘柄→7月末81銘柄→8月末125銘柄→9月末136銘柄→10月末109銘柄→11月末93銘柄→12月(3)86銘柄→12月(10)83銘柄→12月(17)54銘柄と減少続く。増加に戻せるか。12月の観察ポイントです。

マザーズ銘柄

12月3週の「105」JASDAQ市場(694銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数と減少に転ずる。2021年1月末424銘柄→2月末452銘柄→3月末467銘柄→4月末307銘柄→5月末305銘柄→6月末311銘柄→7月末254銘柄→8月末272銘柄→9月末301銘柄→10月末260銘柄→11月末183銘柄→12月(3)171→12月(10)212銘柄→12月(17)166銘柄と減少に転ずる。増加は続くか。12月の観察ポイントです。

JASDAQ銘柄

12月3週の東証2部銘柄(469銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も減少に転ずる。2021年1月末298銘柄→2月末334銘柄→3月末342銘柄→4月末249銘柄→5月末202銘柄→6月末227銘柄→7月末201銘柄→8月末190銘柄→9月末233銘柄→10月末201銘柄→11月末104銘柄→12月(3)123銘柄→12月(10)144銘柄→12月(17)131銘柄と少し減少に転ずる。増加に戻せるか。12月の観察ポイントです。

東証2部銘柄

12月3週の東証1部銘柄(2194銘柄)の75日移動平均線上回る銘柄数は横ばい。2021年1月末1302銘柄(225種177)→2月末1342銘柄(225種194)→3月末1562銘柄(225種184)→4月末799銘柄(225種105)→5月末717銘柄(225種110)→6月末923銘柄(225種127)→7月末829銘柄(225種52)→8月末1143銘柄(225種91)→9月末1340銘柄(225種140)→10月末961銘柄(225種115)→11月末362銘柄(225種42)→12月(3)441銘柄(225種50)→12月(10)572銘柄(225種58)→12月(17)579銘柄(225種67)と横ばい。弱い状況続く。12月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

<801NYダウ 803NASADAQ指数 日足チャート>

FRB議長の発表後、「801」NYダウは切り返しました。10日から25日移動平均線を上回る上昇基調に戻した事は、強い動きと見る事が出来ます。引き続き、25日から75日移動平均線を上回る動きは、上昇基調を維持している動きです。チャート的に、10日から25日移動平均線を上回る動きは上昇相場は続くと見る動きです。12月の観察ポイントです。

「803」NASDAQ指数も切り返しましたが、再度75日移動平均線を下回る下落に転じました。25日移動平均線は上回れず、反落した動きです。チャート的に、10日から25日移動平均線を上回ってくれば、強い上昇相場に戻したと見る事が出来ます。75日移動平均線を下回ると戻り売りになります。12月の観察ポイントです。

NYダウ NASADAQ指数 日足チャート

<850ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド

FRB議長の発表後、ドル円相場は114円まで円安に動きましたが、75日ボリンジャーバンド+1Σは上回れずにいます。10日移動平均線を上回ってきたので、円安を支えています。ボリンジャーバンドでは+1Σを上回れずにいるので、強い円安基調にはなっていません。+1Σを上回れば、円安への動きは強まってきたと言えます。

日足チャートでは、75日ボリンジャーバンド(中心線)は上向き、中心線から+1Σの範囲で推移している動きは変わりませんが、10日移動平均線を上回る円安を下支えできるか。75日ボリンジャーバンド+1Σを上回ってくれば、強い円安局面になります。12月の観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<105JASDAQ指数&107東証マザーズ指数>日足標準条件NO11・75日カイリ率

<JASDAQ指数 日足チャート>

「105」JASDAQ指数は200日移動平均線を下回った状態から、200日移動平均線を上回れずにいます。弱い戻り売りの動きと言えます。200日移動平均線を上回ってこれなければ、上昇相場に戻せません。200日移動平均線を上回ってくれば、下げ止まりから上昇に切り返したと見る事が出来ます。年内な200日移動平均線を上回るまで戻せるか。12月の観察ポイントです。

<東証マザーズ指数 日足チャート>

新興市場の「107」マザーズ指数は下げ止まれず、8月安値を下回ってきました。安値更新は更に弱い動きといえますが、ボトムが近づいているとも見る事が出来ます。安値を更新した事から、逆に今年5月と8月の安値を上回る水準まで戻せないと、下げ止まり切り返しの動きとは言えません。年内に5月から8月の安値を上回るまで戻せるかどうか。逆に10日移動平均線を下回る状態は、安値更新の動きと言えます。12月の観察ポイントです。

JASDAQ指数&東証マザーズ指数 日足チャート

<日経平均 610評価損率・週足チャート>

12月の評価損率は、-10.87%(12/10)のボトムでは前週から切り返したと言えます。評価損率の数値は、上昇局面では-10%以下まで悪化すると買戻しも加わり、切り返してきます。-5%に近づくと利食い売りが出てくる高値ゾーンです。今年はこのゾーンの動きを繰り返して終わったと言えます。

今年は上昇基調を維持しましたが、上下幅大きなボックスで推移したと見る事もできます。週足チャートでは、13週移動平均線は上回る状態に戻せなければ、上昇基調に戻したと見ません。また高値を上回ってこなければ、ボックスで推移していると言えます。今週も週間で+500円を上回る値上がりでしたが、週末は約-500円の下げから、上げ幅は縮小して引けました。上値は重いと言えます。12月の観察ポイントです。

評価損率・週足チャート

<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)

月足では、11月は-1071円安引け。木曜日には、12月の上げ幅は+1245円高まで切り返しましたが、週末の下落で上げ幅は+720円高まで縮小しました。6ヶ月から12ヶ月移動平均線(上値抵抗線)を意識した動きと言えます。また6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は1000銘柄を下回っているので、市場全体の動きは弱いと言えます。

チャート的には、6ヶ月から12ヶ月移動平均線(28500・上値抵抗線)を大陽線で上回ってきたら、強い上昇転換の動きと言えます。まだ小陽線で弱い上げ幅です。年末まで強い動き(大陽線)に戻せれば、1月相場は上値を取ってくる可能性が残っています。来週以降、大陽線で12ヶ月移動平均線を上回れるかどうか。12月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

前週は週間で一時+900円以上値上がりしましたが、週末には+500円を下回りました。今週は、FRB議長のFOMCでの資産購入終了前倒し発表が切り返し材料となり、週間で+500円以上値上がりしましたが、また週末の下落で帳消しとなりました。上値は75日から200日移動平均線(上値抵抗線)を意識し、戻り売られたと言えます。

チャート的には、上値は9月高値を意識し、安値は10月安値を意識し、この範囲で上げたり、下げたりしています。このボックスを上下どちらかに放れるまでボックス相場と言えます。来週はクリスマスであり、外国人投資家の休暇から商いは細ると考えられます。チャート的には、75日から200日移動平均を上回ってこなければ上値は重いと見る動きです。12月の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

日本でも新型コロナ変異株(オミクロン)の感染数は増えている。北京冬季オリンピックのボイコットは増えるか。米国はクリスマスに高値更新できるか。世界はどう動く。

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