富田のトレチャ 2022年06月27日

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7月上旬までリバウンド

超過剰流動性を背景に株式や商品、仮想通貨など多くが未曽有のバブル相場を演じた。だが、ビットコインは11月68999ドルから直近17262ドルと74%急落、ナスダックは11月16212(ポイント)から直近10565まで34%下落、NYダウは1/5高値36952(ドル)から直近29653ドルと20%近く下落し、ともにチャートは「陰転」を明確にする。

高騰続けているのは原油(WTI)を含む商品市場(CRB指数)。インフレ機運のほかウクライナ紛争ぼっ発で世界の投機マネーが流入した。だが、そこも変調の兆しが出てきた。CRB指数は6/9高値329から直近296に下落、日足は75日線を割り込む。WTIは6/8の122.30ドルを二番天井として直近104ドル台に下落する。6/15にFRBが「0.75%」の大幅利上げを決め、商品市場からマネーの流出(売却)が始まったといえる。

CRB日足
CRB日足

逆に、NYダウやナスダックは6/15のFOMCで「出尽くし」感を漂わせ、下値から切り返す動きに入った。米10年債利回りも同じように6/14に3.47%まで上昇したが、その後は3.08%へ低下する。

米10年債利回り
米10年債利回り

前回のFOMCは5月4日で、その時の10年債利回りは3.13%で一旦ピークアウト、そして3週間ほど低下してから上昇に転じた。次のFRBは7/25で追加利上げに動くのはほぼ確実。そうであれば今回も利回りは同じように推移してもおかしくない。つまり、6/14から3週間後の7/5頃まで金利は落ち着いて推移するが、その後は再び上昇に向かうだろう。NYダウ、ナスダックのリバウンドは7月上旬までとみておくべきかもしれない。

日経平均は6/20の25520円を下値に切り返す。米国株がカギを握るが、日本は7/10に参院選があるので政策相場への期待もある。日足で6/20安値から9日目が6/30、同13日目が7/6。その辺りまでリバウンド(アヤ戻し)が望めそうだ。

日経平均日足
日経平均日足

投機マネーが利を求めて各市場をめまぐるしく移動する時代。調整していた株式市場にマネーが回帰するなら望ましいが、チャートの陰線を踏まえると本格的なマネー回帰は期待薄。また、商品市場の崩れは金融市場に影響及ぼすリスクあるので注視したい。
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