富田のトレチャ 2022年07月04日

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夏休み、無理せず

台風4号が上陸しそうだ。暴風雨に注意は必要だが、ただ連日の酷暑で草木も人も干上がり、西日本の水がめもピンチに陥っていたので、今回の台風ばかりはウエルカムになりそうだ。

さて日経平均だが、先週は後半の3日間で1112円も下げてしまった。ボーナス支給日と参院選を前に6/28に27062円まで上げたが、カギ握る米国株が下落すればそれに従うのが日本株の運命だ。日足チャートは、6/28の27062円で25日線や75日線、基準線(半値戻し)を取り戻したが、2日と持たずに崩れてしまい、軟調地合いが続いていることを知らしめた。

だが、7/1の米国株はNYダウ+321ドル、ナスダック+99ポイントと反発し、日経平均先物は26320円(大証比+490円)と大きく上げており、今週の日本株は大きく上げてスタートするだろう。

日経平均先物日足
日経平均先物日足

ただし、米国市場は7/4が祭日で3連休になるので、7/1は連休前に伴うショートカバー(買い戻し)が入ったと思わる。日経平均先物にしても7/1の空売り比率が49.6%と膨れているのでショートカバーが加速したと言える。

そうなると、今週の日本株はショートカバーで高く始まるが、買い戻し一巡のあとさらに買いが続くかが焦点になるだろう。ボーナス支給日と参院選を前に金融界や政界は「株高ウエルカム」だろうが、株高を続けるには米国株の上昇が不可欠だ。

米国では、インフレ退治のためFRBの金利引き上げ政策が続く一方、経済指標に景気減速の兆しが出てきた。企業業績も4-6月期や通期(1-12月)見通しを下方修正するところが出始めている。また、原油(WTI)や商品CRB指数、為替などに変調の兆しがある。そうなると連休明けの5日以降の株価が再び心配になる。

NYダウ、ナスダックとも日足チャートはボリンジャーバンド「-1」を下値に下げ渋っている。それはNYダウ「30478ドル」、ナスダック「10965」で、ここまでは通常の変動範囲で居心地よいところだが、ここを割り込むと改めて下落へ意識が台頭することになる。
そう考えると、日経平均の上値は欲張れず、25日線、75日線の重なる26900円台が壁になることを一つ想定しておく。夏休みの季節になったが、日本には「8月お盆まで調整」というアノマリーがある。無理せずの姿勢が大事だろう。 

NYダウ日足
NYダウ日足

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