富田のトレチャ 2022年08月15日

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上昇加速も、そろそろ調整想定

日本株には「8月お盆は調整・安値」というアノマリー(経験則)があるが、今年は当てはまらなかった。強い夏相場になったが、ただ逆に「お盆に高値」となるかも知れず、日足チャートの流れに注視したい。

日経平均は11日に727円高28546円と急伸。28000円前後のもみ合いから上放れ、3月と6月につけた28300円台の節目を突破した。週足は52週線(27824円)を抜いており、次は年初来高値29388円(1/5)や11月の高値29960円を目指すことになる。

日経平均週足
日経平均週足

この相場堅調の主因はNYダウなど米国株の上昇だ。それは言うまでもないことだが、11日は盆休みで薄商いのところをミニSQに伴う買いが寄付きに入った。また、内閣改造で支持率低下が報道されたことで年金マネーが忖度買いに動いた可能性もある。こうした特殊要因が11日の急伸につながったと思われる。

日経平均の日足テクニカルは、騰落レシオ130%、RCI25日線87%(8/9に89%)など再び過熱を帯びてきた。週足チャートは3/9安値(24681円)から今週9週目(変化日9本)を迎え、週足RCIの9週線は93%に上昇中だ。

先週の上放れの勢いから今週も上値トライで始まるだろうが、16日以降はスピード調整を挟むことも想定しておきたい。

米国はCPIやPPIの伸び率鈍化でインフレ「ピークアウト」を好感。先週のNYダウは33761ドル、ナスダックは13047ポイントと大きく上昇し、約4ヶ月ぶりの水準を回復した。どちらも26週線を突破したが、ただ週足は6月安値から9週を、4月高値から17週を経過し、RCI9週が高値圏に入ってきた。そして、NYダウは52週線(34101ドル)と上値抵抗線に近付く。

WTI週足
WTI週足

NYダウ週足
NYダウ週足

インフレにピークアウト感が出ても、長短金利の逆転が続き、景気後退懸念があり、原油・商品市場の下落も鮮明になりつつある。つまり、米国株は「イイとこ取り」の上昇で、出来過ぎ感も否めない。

そうした点を踏まえると、勢い付く日米の株式市場はそろそろ一服入れてもおかしくなく、この先一進一退の展開も想定される。日経平均はアノマリーとは逆に「お盆に高値」となる可能性もあり、日足チャートの上昇トレンド(下値支持線)を注視しながら対応して行きたい。

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