富田のトレチャ 2022年10月11日

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10月急反発するも、25日線抜けず

株式市場は9月末にかけて下落したが、10月になると一転、急反発。日経平均株価は10/3の安値25621円から6日に27399円まで1778円(6.9%)上昇、NYダウは9/30の安値28715ドルから10/5に30454ドルまで1739ドル(6.0%)上げた。上半期や2Q末、そして下半期、3Q入りで機関投資家の動きが活発に出たと思われる。

NYダウ日足
NYダウ日足

だが、米雇用統計のあった7日にNYダウは2926-630ドルと急落、日経平均先物は大証終値比470円安26630円で終えた。10日の米国市場は不明だが、日経平均は27400円前後に集まる25日線、75日線、200日線、一目雲下限などに、NYダウは30450ドルに降りてくる25日線に戻りの頭を叩く形となり、チャート的には8月からの下げ基調がまだ続いていることを示した。

日経平均先物日足
日経平均先物日足

ドル建て日経平均日足
ドル建て日経平均日足

そして、為替(ドル円)が10日夜間(24時現在)145円80銭をつけ、財務省が介入した9/22の145円90銭に迫っている。為替の日足チャートは145円処を中心に「菱型」を形成しており、そのもみ合いから上放れの構えを見せている。いま「円安」が日本株にとってプラスとは限らず、このところ市場関係者からは「日本売り」につながるとの声は少なくない。事実、「ドル建て日経平均株価」を見れば10/3に176ドル台へ年初来安値を更新、外国人による「日本株売り」の出ていることを裏付けている。

為替(ドル円)日足
為替(ドル円)日足

スタフレ懸念や企業業績の下方修正懸念が燻り、そしてファンドの決算対策売りもまだ終わっていない。地政学リスクが燻る中で中国共産党大会(10/16~)と米国中間選挙(11/8)を控える。昨年までの過剰流動性は逆回転しており、一時的に反発したからと言って日米ともチャートが25日線を突破して「好転」の兆しを見せるまで安心できない。もうしばらく慎重姿勢で様子を見たい。

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