★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ
為替陰転、日本株に暗雲
「12月はメジャーSQ(12/9)を前に高値を打つケースが少なくない」、そのような見方を紹介してきたが、そのような展開が起こり得る雲行きになってきた。
12月上旬は、ファンド勢の中間配当再投資が集中するほか、ボーマス支給日(12/9)を控え金融界が資金獲得のため「株高」に尽力し、投資家も「師走」となりマインドを高めるところである。ただし、外国人や先物が主導する日本株はメジャーSQを機にリッセットし(仕切り直し)、戻り高値局面であることからSQ後は売りでスタートしやすいと言える。
さて、今年の日経平均はどうか。11/24に28502円高値を付けたが、そのあと冴えない。サッカーW杯で日本がドイツ戦に勝利して歓喜に沸いたところで株価は高値を付けるが、12/1に28423円の二番高値を付け、12/2は448円安27777円と急落して下値支持線や25日線を割り込んできた。
12/2はW杯でスペイン戦に勝利したところで、日本の決勝進出とあって日本中が再び歓喜に沸いたが、その勢いは株式市場でなく為替市場の「円買い」で表れた。勿論、円高に動いた主因はパウエルFRB議長が講演で「12月にも利上げ幅縮小の可能性」を口にしたからで、米国債利回りが低下して「ドル下落」を強めたからだ。
ドル円は2日の夜間に8月以来となる133.65円まで円高を進め、チャートは10/21高値151.94円をピークに二段下げとなり「円高方向」へ転換を鮮明にする。日本の3月決算企業の下期(22年9月~23年3月)為替想定レートは平均「138円」。つまり、日本企業にとって下期は「為替差損」の懸念を抱える状況となる。
為替週足
日経平均は75日線にタッチしたことで、下げ渋る可能性はある。だが日足RCIは高値圏から調整入りを鮮明にし、週足RCIも9週線がピークアウトの動きを見せている。9日のメジャーSQ、13日の米CPI、14日のFOMC、16日は米国のメジャーSQとここから需要イベント目白押しだが、日経平均のチャートは「要注意」の領域に入ったことを覚えておくべきだ。
日経平均日足
あとNYダウ、ナスダックの動向がカギを握るが、どちらもチャートは注意信号を灯している。円高だけでなく、米欧のスタグフレーション、FTX破綻、ロシア・ウクライナ侵攻など懸念すべき要因は少なくない。頼みの「サンタクロース」もW杯に夢中でやってくるかは不明だ。
NYダウ日足
(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます! 詳細・お申し込みはコチラ )