日経平均株価の動き(2023年05月26日)

今週はG7明け相場です。4月末から5月GWに向け、2024年業績予想が出揃いました。日本株は好業績、低PBRを材料に、5月連休明けからG7に向け、強い上昇局面を演出しました。3万1000円まで急伸したのは、予想していた上値を上回りました。これで当面、5月から6月に向けた高値形成に達成感が出たと見ています。

これからしばらく3万円を挟んだボックス相場に移り、個別株では出遅れ株、一部の好業績株、材料株など2極化相場に分かれると見ています。大幅に上昇した株は、徐々に高値形成から調整(下げ)に向かうと見ています。その中でも買われる株は残ります。

今週も日経平均は値上がりして引けましたが、個別株では、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、5月初めをピークに減り続けています。一部の値ガサ株、半導体関連株で、日経平均を吊り上げた結果の上げ幅です。今週も3万1000円を付けましたが、内容的には個別株の吊り上げで歪んだ上げ幅となり、高値形成に向かっていると言えます。

岸田首相が打ち出している防衛費倍増、少子化対策は材料視され、該当する業種、関連する業種など、しばらく材料株となり上昇基調を維持するか、下がれば買われると見ています。G7に向けて演出された岸田首相のアピールは成功しました。しばらくこの様な2極化が考えられます。

米国、台湾、韓国と、日本に半導体工場の建設を進めています。政府の工場回帰政策から、工場誘致する資金援助も効果が大きいでしょう。日本はアジアで低賃金国に順位を下げてしまいました。戦略業種に対する政府方針と低賃金から、工場誘致はうまくいく様に見ています。工場誘致は長期円安を意味しています。30年続いたデフレ脱却は、円安が解消するでしょう。長期では輸出回復が期待され、輸出関連株の注目が続きます。

株式投資は、買う銘柄か、買う時期か。この2つで投資の成功は決まります。あとは時間(期間)が利益を作ってくれます。投資がうまくいかない人は、この2つが出来ていない人と言えます。うまくいかない人は、この2つの投資方針を見直すのが良いと考えます。

日経平均は、今年1月安値から5月までに5000円以上値上がりしました。昨年末から1月初旬の2万6000円割れで、大量買いした外国人投資家の投資行動はスゴイと感じていました。5000円以上値上がりし、3万円台に乗せた日経平均の水準から見て、当面は利食い売りの株、買われる株の2極化相場が残りそうです。次は7月から8月頃が、買い場の時期になるのではないかと見ています。

5月GW後、2024年業績予想が出揃った後、個別株では、好業績株は高くなったので、出遅れ株に注目しています。建設株、繊維株、機械株、自動車関連株、電力株、ガス株など、低位置の業種は水準訂正から、買われてくると見ています。

5月4週の東証プライム(1836銘柄)の6ヶ月移動平均線上回る銘柄数は、1000銘柄以上を維持しているが、GW明け(1411)をピークに減少は続いている。2022年4月(4)931銘柄(225種125)→4月末703銘柄(225種107)→10月末989銘柄(225種103)→11月末1115銘柄(225種141)→12月末752銘柄(225種71)→1月(23年)末1105銘柄(225種118)→2月末1198銘柄(225種141)→3月末1073銘柄(225種116)→4月(13)1109銘柄(225種139)→4月(20)1216銘柄(225種161)→4月末1154銘柄(225種153)→5月(11)1294銘柄(225種171)→5月(18)1309銘柄(225種177)→5月(25)1230銘柄(225種175)とピークから減少は続いている。増加に戻せるか。ピークを付けたか。6月に向けた観察ポイントです。

東証プライム銘柄

225銘柄

5月4週の東証スタンダード(1444銘柄)も5月初めから減少が続いている。GW明け(998)をピークに減少している。75日移動平均線を上回る銘柄数は、2022年4月(4)705銘柄→4月末518銘柄→10月末538銘柄→11月末777銘柄→12月末609銘柄→1月(23年)末905銘柄→2月末1022→3月(末)898銘柄→4月(14)891銘柄→4月(21)891銘柄→4月(末)883銘柄→5月(12)864銘柄→5月(19)785銘柄→5月(26)679銘柄と減少している。増加に戻せるか。6月に向けた観察ポイントです。

東証スタンダード銘柄

5月4週のグロース市場(527銘柄)もGW明け(259)をピークに減少は続いている。75日移動平均線を上回る銘柄数は、2022年4月(4)320銘柄→4月末192銘柄→10月末194銘柄→11月末251銘柄→12月(末)144銘柄→1月(23年)末254銘柄→2月末234銘柄→3月(末)255銘柄→4月(14)263銘柄→4月(21)232銘柄→4月(末)216銘柄→5月(12)214銘柄→5月(19)187銘柄→5月(26)176銘柄と減少は続いている。増加に戻せるか。6月に向けた観察ポイントです。

東証グロース銘柄

5月4週の東証プライム(1836銘柄)も1000銘柄以上は維持するが、GW明け(1434)をピークに減少が続いている。75日移動平均線を上回る銘柄数は、2022年4月(4)912銘柄(225種118)→4月末739銘柄(225種98)→10月末858銘柄(225種90)→11月末1095銘柄(225種136)→12月末774銘柄(225種67)→1月(23年)末1220銘柄(225種138)→2月末1229銘柄(225種140)→3月(末)1203銘柄(225種139)→4月(14)1231銘柄(225種156)→4月(21)1252銘柄(225種169)→4月(末)1312銘柄(225種177)→5月(12)1288銘柄(225種169)→5月(19)1281銘柄(225種174)→5月(26)1108銘柄(225種165)と減少が続いている。増加に戻せるか。6月に向けた観察ポイントです。

東証プライム銘柄

225銘柄

<801NYダウ 803NASADAQ指数 日足チャート>

NYダウの上値は、伸び悩みから売られ始めました。昨年末以降、34000ドルに乗せた後、上値は伸び悩み、ボックス相場が続いてきましたが、ここにきて崩れてきました。チャート的には75日移動平均線を下回ると戻してきましたが、200日移動平均線(下値支持線)まで下げてきました。上値を切り下げ、75日移動平均線を下回るボックス相場から下ブレしています。上昇相場に戻れるか。6月に向けた観察ポイントです。

「803」NASDAQ指数は、今年は底入れ後、下値を切り上げ、12000ポイントに乗せてからも上値更新相場を維持しています。25日から75日移動平均線を下値支持線に上値更新が続いています。25日から75日移動平均線を上回る状態は、上昇基調の立ち上がりから上値更新相場を維持したそうです。6月に向けた観察ポイントです。

NYダウ NASADAQ指数 日足チャート

<125東証スタンダード単純総合指数 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

今年のスタンダード指数の動きは、上昇基調は維持していますが、25日移動平均線を下回ったり、上値ボックスの動きが続いています。3月高値を意識し、伸び悩んでいます。3月高値を上回れない間は、ボックス相場が続くと判断されます。6月に向けた観察ポイントです。

東証スタンダード単純総合指数 日足チャート

<850ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド

ドル円相場は、昨年10月151円、今年1月127円をレンジに、1月127円の円高をボトムに円安へ動きが強まってきました。75日ボリンジャーバンド幅は収縮から拡大に動き、円安(上下どちらか動き出す)に動き出しました。4月に75日移動平均線を上回ってから、中心線(133円)から+2Σ(137円)の円安レンジになり、5月は+1Σ(136円)から+3Σ(141円)と円安は強まっています。

5月のドル円相場は、75日ボリンジャーバンド+1Σ(136円)から+3Σ(141円)のレンジに乗せています。円安が強まってきた事が分かります。75日ボリンジャーバンド(+1Σ136円)から+3Σ(141円)幅と円安を強めています。しばらく円安シフトが続くと見る動きです。6月に向けた観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<日経平均 610評価損率・週足チャート>

日経平均は3万円台に乗せてきた割には、評価損率の改善幅は小さい。-9.46%(5/12)→-8.89%(5/19)と0.5%の改善しかありませんでした。6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数の減少が表しています。これで5週続けて、-8%から9%台の高値ゾーンでの推移です。今週の日経平均は、3万1000円を付けました。岸田首相政策は、アベノミクス越えた新たな相場段階に向かっている様にも見えますが、評価損率の数値から高値ゾーンと見なければなりません。

評価損率の数値は、-12.09%(10/7)→-10.62%(11/4)→-9.59%(11/25)→-11.12%(12/30)→-10.16%(1/27)→-10.09%(2/24)→-9.21%(3/3)→-9.24%(3/10)→-10.91%(3/17)→-10.46%(3/24)→-10.03%(3/31)→-10.39%(4/7)→-8.59%(4/14)→-9.27%(4/21)→-9.29%(4/28)→-9.46%(5/12)→-8.89%(5/19)と5週続けて、高値ゾーン水準が続いています。高値ゾーン水準をいつまで維持できるか。高値ゾーンは売り場接近です。6月に向けた観察ポイントです。

評価損率・週足チャート

<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)

5月の上げ幅は、高値で+2000円を上回る大幅な伸びとなりました。今年1月安値からの上げ幅では、約+6000円幅となりました。月足チャートでは、4月にペナント上値抵抗線を上放れてから、4月と5月の上げ幅は約+3000円に迫りました。短期的に上昇転換した事が分かります。引き続き、6ヶ月から12ヶ月移動平均線を上回る上昇相場ですが、短期では、6ヶ月移動平均線からカイリ幅が大きく、調整局面に向かいやすいと判断されます。

5月の月足チャートは、ペナント型上値抵抗線を上放れた大幅カイリ局面です。さらに続伸するには、外国人投資家に国内投資家の買いが続かないと難しいでしょう。アベノミクス高値30795円を上回った達成感もあり、短期的には調整局面に向かうと見ています。6月も陽線となるか、陰線に転ずるか。6月に向けた観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

日足チャートでは、5月16日に25日騰落レシオは148ポイントを付けました。現在(26日)は110ポイントまで下げています。久しぶりに25日騰落レシオが148ポイントまで高くなったのを見ました。25日騰落レシオの数値は、昔ほど信頼度は無くなったが、数値が下がる事は値上がり銘柄数は減り、値下がり銘柄数が増えている事を表します。値上がり銘柄数が減る事は、上値は売られている事を意味します。今後も数値が上がらなければ、売られている銘柄が増えていると見て下さい。

日足チャートは、昨年以降、長期ボックス相場(25500円~29000円)が続きました。このボックス抵抗線を上放れ、アベノミクス相場高値を上回る上昇転換となりました。チャート的に、10日から25日移動平均線を下値支持線に強い上昇局面が続いていますが、短期的には10日から25日移動平均線を下回ると売り転換の心配があります。この点を売り転換のポイントと見て下さい。6月に向けた観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

外国人投資家の日本買いは長期で続くか。バフェット氏の日本株推奨いつまで続く。世界はどう動く。

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