チャートを見比べよう
意表をついた緩和策で急騰した日本株だが、1週間が経って徐々に落ち着きを見せてきた。いくつかのチャートを見比べて見よう。
追加緩和が発表される直前、外国人投資家は先物+現物を3週間で約3兆円も売り越していた。信用売り残(空売りなど)も36.6%と過去最高水準。
さらに信用買い残や裁定買い残、相当に整理が進んでいたため売りたい玉が少なく、逆に空売りなどのショートが積み上がり、需給面で絶好のタイミングで出た追加の緩和策、これにパニック的な買い戻しでついた値段が11/4・17127円。こう考えるとこの値段を超えるには、さらなる買い材料が必要になるという考え方も否定は出来ないと思う。
9月末~10月初、ドル円で110円台まで円安に向かうが(10/1)、株は9/25に高値を付け、10/1の円安でも高値を更新出来なくなっていた。これが小天井のサインと考えると、今回も似た現象が見られる。
11/6、円ドルでは115円台まで円安が進んだが株は11/4の高値17127円を抜けなくなってきた。
もちろん9月末と異なる点も多々ある。
25日線カイリ率など短い期間のテクニカルは過熱感がある。しかし週足など2~3ヶ月サイクルでみると過熱水準には達していない。
常に天井圏で週足テクニカルの過熱サインがあるわけではないが、多くの投資家の意表をついた今回の緩和策、1週間で正味切れになるほど小粒な政策とも考えにくい。
熱狂的な場面は終わったと思うが、相場に余韻はまだまだ残ると思う。その余韻のなかで活躍出来そうな株、ここに絞るのが堅実だと思う。
注意点は好材料に反応しなくなってきた時。上記の円安もそうだが、そう言う場合は吹き値を3分の1~半分利食い押し目を待つ。機敏な売買と変わり身の早さ、必要だと思う。