今週も日経平均は高値更新続く。2万円に迫る水準は2013年4月~5月の急騰局面に似てきた感じがします。昨年10月末に日銀が追加金融緩和を発表し、株価は上昇に転換しました。今年2月以降は官制相場色が強まってから2万円に迫るまで上昇しました。3月末には2万円に乗せたいと言う動きに感じられます。これほど政府が仕手筋の様に介入した相場は初めてか。
日銀が後押しと言っても、年金資金を元手にETF、REITを買い上げている。本来なら年金運用は慎重にするものと思っていたが。このあたりはどうなんでしようか?3月末に2万円を目指しても、年度変われば売り場は近づいている様に感じられます。2016年3月業績予想が出る4月中旬以降は材料出尽くしから、いったん売り場になるのではと見ています。
米国FRBは金利をいつ上げるか?米国投資家の一番の関心事になっています。低金利で行き場を無くした資金が株式市場に入り、株価上昇は続いています。金利を上げるとなれば、資金は株式市場から債券市場に移るので、いったん売り場となるか。米国市場が売られれば、日本市場も売られる。金利上昇はいつか心配は続きます。
株価の動きはボックスを放れた方に動きます。昨年10月まで16300円が上値抵抗線でした。日銀の追加金融緩和発表から11月に上放れ、18000円まで急伸しました。今年2月まで18000円を上値抵抗線に伸び悩んでいたが、2月に上放れてから高値更新相場となり2万円に迫っています。この上昇も、いったん高値形成すると、2013年の16500円と同じく高値を意識する乱高下(ボックス)相場になります。
現在の高値更新相場はいつまで続くか。この高値更新相場が続く間はシッカリしているが、もし4月中旬以降、いったん高値形成すると、その後は戻り売りが控えているため5ヶ月~6ヶ月は高値の戻り売りを消化するため乱高下すると思います。2013年以降の上昇相場を見ても、いったん高値を付けた後、半年程度は高値の戻り売りを消化しないと高値更新してません。また日銀の追加金融緩和がなければ高値更新できてなかった可能性はあります。
そう見た場合、4月以降の上昇局面は高値形成から売られる心配は強まると見てます。株価水準は高くなってますから、下げると2013年の5月の乱高下より大きくなる心配があります。株価水準が高くなると、為替やNYダウの動き次第でも乱高下の幅は大きくなる心配があります。
3月2週(3/13)の「610」評価損率の数値が発表されました。19000円台に乗せても評価損の数値が変わらなかった事にビックリしました。かなり改善しているかと期待していたからです。19000円台に乗せても、一部の株だけで日経平均を吊り上げたことが分かります。一部の株だけで動かした相場は崩れた時は大荒れします。
個別株を見ると、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は増えても、個別株は個人が好まない値ガサ株だけ値上がりしてます。明治HD、ファナック、キーエンス、京セラ、ファーストリテイリングなど、一部の値ガサ株で日経平均を吊り上げた事が分かります。値ガサ株だけで上げ続ける事はできません。改善されない評価損率の数値を見れば、4月以降、売られる心配はあります。
3月も残すところ10日となりました。好業績株でも売られる心配があります。テクニカル的に10日~200日移動平均線は上向きで、25日移動平均線を上回っている状態の銘柄でなければ上がりません。この様にテクニカル的にも10日~25日移動平均線は上向きで、10日~25日移動平均線を上回る状態の好業績割安株でなければ上がる株とは判断できません。
<NYダウ 日足チャート>
NYダウは3月2日をピークに売られました。今週は切り返して、25日移動平均線を上回ってきました。来週以降も25日移動平均線を上回る状態を維持できるかどうかです。米国FRBは金利を上げたいと言う、出口戦略の時期を探っている様です。NYダウは今後のFRBの出口戦略によって乱高下すると見ています。
下段の14日RSIは、ボトム形成から40ポイント前後で切り返した動きですが、株価は25日移動平均線から75日移動平均線前後でもみ合っています。この状態から3月2日の高値更新は出来るか。14日RSIが高い時は売り場。低いときは買い場です。14日RSIは反転しつつあり、株価が25日移動平均線を上回れば上昇基調維持です。
株価は25日移動平均線から75日移動平均線でもみ合いから、25日移動平均線を上回れなければ戻り売りに転じます。14日RSIは反転の兆しあり、再度25日移動平均線を上回り上昇基調に戻せるか。75日移動平均線を下回れば押し目買い場になります。
<東証時価総額>
東証時価総額は、2007年の水準まで回復してきました。今月3月末には580兆円を上回って引けるか。または2007年の月末最高値を上回って引けるか。日経平均2万円+時価総額580兆円超えは目前です。上回るとリーマンシッョク以前の水準まで回復と言う景気回復期待は高まります。4月以降は達成感から利食い場になる心配はあります。
<日経平均 月足チャート>
月足チャートでは、6ヶ月移動平均線からカイリ幅拡大で上昇を続けています。2013年5月は6ヶ月移動平均線からカイリ幅が大きくなり売られました。現在も2013年5月の様なカイリ幅拡大パターンに近い売り場接近です。下段の9ヶ月SRV-Dは80ポイント以上の強い状態を維持しているので、売られても6ヶ月移動平均線で切り返す範囲の可能性はあります。
引き続き、株価上昇局面では6ヶ月移動平均線からカイリ幅が大きくなると強気の中でも高値警戒する必要があります。4月以降も9ヶ月SRV-Dが80ポイント以上を維持なら売られても短期で切り返す可能性はありますが、3月決算が終わった後は乱高下を意識する水準と見ています。3月月末~4月に向け荒れるかどうか観察です。
<日経平均 裁定買い残 週足チャート>
今週も「507」裁定買い残は3月SQで22億株まで増加した後、今週は19億株まで3億株減少しました。値ガサ株だけ吊り上げて日経平均を上げたから、裁定買い残動向と日経平均の動きにズレがある感じがします。3月末~4月の裁定買い残動向はどう動くか。
3月SQ以降、裁定買い残は減少傾向の中で、日経平均は19300~13500円のボックスで推移しています。裁定買い残が増加してないから、日経平均は横ばいで上がらないと考えられます。来週以降、裁定買い残は増加に転ずるか。増加なら上昇に向かう、減少なら横ばいか下落に転ずる。裁定買い残動向を見ることで基調を掴むことができます。
<日経平均 評価損率 週足チャート>
3/6の評価損率は-8%でした。今週(3/13)の「610」評価損率の数値も-8%でほぼ同じでした。日経平均は19000円台に乗せたから評価損の数値は改善したのではと期待していたが、期待はずれでした。持ち株は上がってない事を意味します。本来なら評価損率の数値に改善が見られず、日経平均だけ値上がりするのは高値現象です。
国策相場で、日経平均を2万円に乗せたいという動きでしょうか。一部の値ガサ株だけ吊り上げる相場はいつまで続けられるものか。日経平均は上がっても、個人投資家の持ち株は上がっていない。国が仕手筋の本尊となった様な国策相場で、日経平均を吊り上げる相場で、さらに評価損率の数値が悪化してきたら警戒信号です。改善してきたら個別株に買いが波及した事を意味します。
<日経平均 日足チャート>
今週は国策相場から19500円を付けました。3月も残り10日となりましたが、月末に向け2万円台に乗せたいのか。日足チャートでは10日移動平均線を上回る強い状態は続いています。株価は75日移動平均線から約9%までカイリ幅は大きくなっています。昨年以降、75日移動平均線から+10%以上カイリしたところは売り場になっています。
来週以降、もし2万円台に乗せた場合、75日移動平均線から+10%以上カイリしてきたら売り場接近から高値警戒しなければなりません。75日移動平均線からカイリ幅が大きくなった後、株価は10日移動平均線を下回ると上げ止まり。25日移動平均線を下回ると売り転換になりやすい。
来週以降、3月末から4月上旬に向け75日移動平均線(カイリ率)からカイリ幅が大きくなったら警戒です。また10日移動平均線を下回るか確認ポイントです。
世界的に金融緩和ジャブジャブ続く。日本は円安・官制相場で日経平均は3月末に向け2万円に買い進むか。NYダウは高値更新に戻せるか。どう動く世界市場。
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