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他人事でない上海暴落
結果がどうなるかは知らないが・・・今週の日本は「なでしこジャパン決勝」と「ギリシャ国民投票」の結果を受けて始まる。どちらもマスコミで大騒ぎするだろうが、結果がどうあれ今週の株式市場は慎重に診ておいた方がよさそうだ。
先週の日経平均は4日続伸、20539円で終えた。「日足雲」と「13週線」を下値とする上昇基調を継続中だが、その下値ポイントがどちらも今週20100円台にせり上がるので、軟調に推移したときにそれを維持できるかがまずポイントとして注視される。
日経平均日足
国民の大半が年金をもらいながら遊んで暮らせると考えているギリシャだ。その国民がいまの苦しい緊縮政策に「賛成」を投じるだろうか。反対となればギリシャ懸念は再燃必至で、それがユーロ全体、さらに日米を含めた地球規模の市場混乱に伝播しかねない。さらにバブル崩壊を危惧させる中国(上海)株も同様。これまで6年間、世界の株式市場はマネーバブルで過去最高値を更新するなど同時株高を長く演じてきた。それだけに、何かをキッカケに崩れ出すと始末に終えなくなること否定できない。
上昇基調を続けているうちは懸念要因も陰に隠れているが、基調が崩れると地合いは一変する。「大胆緩和、日銀買い、年金買い、好業績、脱デフレ」・・いま言われている日本の強気要因も「同時株安」「2万円割れ」となればすべて無意味となり、先高期待で3兆円に膨れている信用買い残も、アベノミクスで株式比率を高めた年金も一気に具合が悪化しよう。
7月ボーナスシーズンとなり、証券関係者は口が裂けても「危ない」とか「下がる」などと言うはずない。急落しても「そのあと上がる」と、なんでもカンでも「上がる」ことをベースに論じてくるだろう。だが6/29、日経平均が600円安した時に全面安となった如く、下落始まると全てがダメになる。中国では投資家の多くが借金して株を買いまくっていたが、その咎めが上海株の暴落に現れている。つまり、需給が悪化すれば「売るから下がる、下がるから売る」という悪循環に陥る。それは日米欧も他人事ではなく、そうしたリスクを孕んでいること忘れてはなるまい。
上海日足
DAX日足
上海株だけでなく、DAX、FT、NYダウも日足は陰転中。日経平均だけがいつまで上昇基調を続けていられるだろうか。その意味でも20100円台の雲&13週線を注視しておきたい。もし、それを割り込むなら躊躇なくスタンスを「慎重姿勢」にすべきだろう。風強まる高値圏で、谷が深くなっている可能性もある。月足は大勢二段上げを達成し、変化月の6月に高値を打った。
ここからは「Wトップ、三尊、三角」などの高値を形成することをイメージしているが、欧米株が明確な好転見せるまで買いは慌てることなく、慎重姿勢を継続しておきたい。
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