富田のトレチャ 2015年09月30日

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催促相場の二段下げ

三角保ち合いになっていた日本株だが、29日に下放れると売りが重なり714円16930円と急落し、チャートは二段下げに突入した。中国経済鈍化やVW不正ソフト問題、そしてサウジアラビアが投資マネーを引き上げるなど世界的に不穏な材料が次々に出るようになってきた。需給も環境も「悪循環」に入ってきた訳だが、これが下げ相場の怖いところ。6年半にわたるマネーゲーム相場(同時株高)が終焉したことで、先行きに一層警戒を要することになる。

とはいえ相場であるから、下げ相場であっても折に触れリバウンド(アヤ戻し)は見せる。29日16930円は週足の雲下限(16945円)や月足24ヶ月線(16912円)など一つの節に差し掛かった。平均線の総合カイリ(25日線、75日線、200日線)が32%台と下げ過ぎの領域に入ってきたほか、騰落レシオ(25日)も70%割れの底値信号を点滅させており、目先的にはそろそろ反発してもおかしくない。

日経平均月足
日経平均月足
日経平均週足
日経平均週足

日経平均日足
日経平均日足

そして10月は「郵政3社」の公開価格など条件が出てくる。もし、このまま株式市場の崩れが続くなら「上場」そのものが危うくなり「延期」も囁かれる事態となる。郵政上場は政策であり、政府としてそれだけは避けたく、「新3本の矢」とは別に緊急経済対策を出す可能性が高まるほか、日銀としても昨年10月に続く量的緩和第3弾(QE3)を打ち出し、郵政の地合い作りを支援することが想定される。その意味で次回の決定会合「10/7」が注目となるが、今回の二段下げはそういった政策への「催促相場」という捉え方もできるだろう。

ただし、二段下げに転じた日経平均。仮にQE3や景気対策が打ち出されても昨年10月のように大きく上伸するかは疑問。イエレン議長は「年内利上げ」を改めて表明しており、それがどう影響するのか世界のマーケットは不安を膨らませている。そして世界の屋台骨でカギ握るNYダウがどうなるか。こちらも基調は下げに転じ二段下げへのリスクが高まっており、米国次第では日本株の反発(リバウンド)も多くを望むのは難しい。
相場は流れ(トレンド)に従うのが基本。10月は「郵政相場」としてリバウンドも想定されるが、チャートの好転を確認するまではキャッシュポジションを高めるなど慎重姿勢を続けておきたい。

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