富田のトレチャ 2015年11月24日

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サイコロ9勝以上が12日連続

パリ同時テロで「リスクオフ」に傾くことを懸念したが、逆に世界のマーケットは「テロに屈せず」、同時株高で反応した。先週のNYダウは週間で578ドル(3.3%)上げ、DAXは375ポイント(3.5%)高、そして日経平均も17日から4日間で486円(2.5%)上げた。リスクオフの象徴となる「円高」も進まず、安心感を漂わせたのと同時に、師走に向け期待抱かせるような週になった。

同時株高はたしかに好ましいし、師走相場、クリスマスラリーへと突き進んでくれればうれしい限り。日経平均は2万円回復が時間の問題で、日足で空けた窓20033円(8/20)埋めから20250円、20500円指向も想定される。

日経平均日足
日経平均日足
日経平均週足
日経平均週足

ただし、過熱漂わすテクニカル指標を踏まえると適度な調整もほしい。日経平均は7連騰のあと2日休んで4連騰。サイコロは連日の10勝2敗で、過熱とされる9勝(75%)以上を12日間続けている。今年は春先から「下げそうで下げないPKO相場」が目立ち、6月1日にはサイコロ12勝0敗を記録、そして6月5日まで9勝以上を14日間続けたことがある。それらを踏まえればサイコロ9勝以上がまだ続く可能性あるだろう。だが、今年は8月後半から急落したように、過熱を無視した上昇相場はリスクも膨らませている。

CRB週足
CRB週足

年金買いや日銀ETF買い、そしてショートカバー(買い戻し)も続く。12月となればボーナスシーズンだし、クリスマスラリーと言って証券界の先高観測も熱を帯びてくるだろう。だが、皆が強気に傾くと落とし穴が待っているのも相場の世界では珍しくない。原油など商品指数(CRB)は13年ぶり安値を更新、オイルマネーや政府系ファンド(SWF)に不穏なムードも漂う。日米とも週足は「07年相場」と酷似が続く。日足の下値抵抗線割れなど陰転の兆しが出ると過熱無視の反動が一気に出る可能性もあり、一歩、一歩、下値を確認しながら師走相場に挑みたい。

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