日経平均株価の動き(2015年12月11日)

今週は12月SQ週でした。SQ値は18943円でした。今週の動きを見ると作られたSQ値と言う感じがしました。12月相場入りから2万円に乗せて3段上げの期待は高まった様に見え、3日のECB-金利政策、4日の米国雇用統計発表後までNYダウの動きまでは良かったが、週末にEUに続き米国もテロ発生など情勢は急変しました。9日夜にECB理事のFRBの金融政策の違い発言で一気に円高に振れ、相場は売り転換した様に見えます。

3段上げ相場を期待して見てきましたが、今週の動きは色々な不安要素が株価に織り込まれ下落に転じ、高値から1000円下げました。この下落の動きで、上値抵抗線が出来て抜けそうになくなった事から天井形成したと思われます。3段上げは未達成で終わり、下げパターンに転じたと見方を変えました。SQ明けの来週は一時的に戻しても、戻ったところは売り場になると見ています。

今週、再度25日移動平均線を下回り、200日移動平均線も下回ってしまった。市場は売り基調に変わった事を意味します。200日移動平均線を下回る事は上昇相場は終わったと見なければなりません。来週以降、200日移動平均線、25日移動平均線を上回れなければ上昇相場に戻せません。この形のままなら25日移動平均線が上値抵抗線であり、下降相場に転ずると見なければなりません。

25日移動平均線を下回った状態では、年明け3段上げ上昇相場は期待できません。このままでは年明け以降、下げ相場から大幅下落に転ずる心配が出てきました。来週戻した場合、年内に持ち株処分しておいた方が良いと考えます。裁定買い残が増加する中で出来高の目立った増加はありませんでした。戻り売りパターンと言えます。

このままでは、12月1日に付けた2万円を上回れない可能性があります。また上回ったとしても戻り売りの目安となります。2万円を上回れなければ売り目線に転換。25日移動平均線(上値抵抗線)を上回れなければ売りスタンスに転換です。年末に向け、どう動くか観察です。

前週は2万円に乗せた時、東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は(12/3)1317銘柄まで増加。今週(12/10)は900銘柄まで急減しました。225種銘柄は(12/3)159銘柄→今週(12/10)102銘柄と半数以下に急減した。1300銘柄→900銘柄まで急減した事も、戻り売りパターンに転じた可能性は高くなりました。75日移動平均線は上回っているものの、下落に転じた銘柄は増えてきた事を意味します。年末に向け1000銘柄以上を維持できるか観察です。

今週12月SQ週は「507」裁定買い残は22億株で横ばいです。来週SQ明け以降、減少に転ずると、日経平均は売られる心配があります。年末に向け増加傾向を維持できれば上昇基調は維持できる可能性は残ります。来週SQ明けの裁定買い残動向の増減に注目です。

個別株では、11月に上場した(6178)日本郵政は2000円手前で売られたことで達成感が出てきた感じします。11月の上場から日本郵政株が相場の牽引役と見ていました。牽引役に達成感が出てきたことで、小型材料株の急騰が目立ち、上昇銘柄の質が下がった事でも相場一巡感はあります。年内買いは様子見となり、空売り銘柄探しにスタンスが変わりそうです。来週は少し戻すかもしれませんが、戻したところは持ち高整理に動きそうです。

<NYダウ 日足チャート>

NYダウは前週末の雇用統計発表で大幅反発で切り返したものの、米国で起きたテロ事件から売られた。今年のNYダウはテロ不安からクリスマス相場は見送られるか。日経平均と同じく、25日移動平均線を下回り、200日移動平均線を下回ってきました。こちらも200日移動平均線、25日移動平均線を上回れなければ戻り売りに転ずる心配があります。

月足チャートでは6ヶ月移動平均線(17200ドル)は上回っています。6ヶ月移動平均線(17200ドル)を上回る状態は上昇相場を維持していますが、陰線で6ヶ月移動平均線を下回れば再下落に転じます。12月は6ヶ月移動平均線を維持できるか、下回ってしまうか。高値更新出来るか観察ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

今週のドル円相場は123円を上回れず伸び悩んでいた。ECB理事のFRBとの金融政策の違い発言で一気に121円まで円高に振れました。一気に200日移動平均線まで売られた事で、円安基調の動きは崩れてしまった様に見えます。25日移動平均線を上回れないと円高は続き、株価の売り要因となります。来週(先物)SQ明けのドル円相場はどう動くか。円高は進むか、円安に戻せるか。円高では株価は売られます。

一気に25日移動平均線を下回り、75日移動平均線で下げ止まった動きです。75日移動平均線を下回る様なら円高は強まります。200日移動平均線を上回り、25日移動平均線を上回るまで戻せないと円安に戻せません。25日移動平均線を下回る状態では円高は進みます。円高は株価の売り要因であり、引き続き、為替動向は観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

月足チャートでは、12月は6ヶ月移動平均線を上回って始まりましたが、ECB理事の発言から円高に振れて売られました。高値から1000円も下がり、6ヶ月移動平均線まで下がってきました。6ヶ月移動平均線を上回った状態を維持できるなら上昇基調は維持するものの、陰線で6ヶ月移動平均線を下回れば再下落転換です。下げに転じてしまうか、維持できるか観察ポイントです。

12月に入り、東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は(12/3)1300銘柄以上に増加し、強い上昇基調に戻した数値でしたが、今週は9000銘柄まで急減し、戻り売りパターンに転じた株は増えたと見ることができます。前週の銘柄数の急増は高値ゾーンを形成したので続くか観察ポイントであった。引き続き、6ヶ月移動平均線(19100円)を上回って推移するか。下回り、下降転換してしまうか。基調判断のポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>

11月に急増した「507」裁定買い残は、12月は22億株の水準で横ばいです。来週12月SQ明けも増加は続くのか、減少に転じてしまうのか、増減は観察ポイントでした。裁定買い残は21億株と少し減少しました。株価が下落に転じてしまったので、解消売りパターンに変わる心配があります。

裁定買い残が減少に転ずるなら、相場は売り転換します。増加に戻すなら日経平均は上昇に戻すとみますが、減少では売りに転換します。裁定買い残は22億株でピークとなれば、今後減少に転ずるので、日経平均は大幅に売られる心配があります。来週以降の裁定買い残動向に注目です。

日経平均 裁定買い残動向 週足チャート

<日経平均 評価損率 週足チャート>

今週発表(12/4)の「610」評価損率の数値は-9.32%(11/20)→-8.60(11/27)→7.74%(12/4)に大きく改善しました。株価は2万円に乗せたところが高水準を付けました。-7%台まで改善した事も売り要因になった可能性があります。今週の下落から来週発表の数値は悪化したと思われるが、底値ゾーンと言うより、評価損悪化と言う状況と思われます。

週足チャートは安値は13週移動平均線(18900円)で下げ止まった。来週以降、13週移動平均線(18900円)を上回った状態なら上昇基調維持。下回ると下降転換します。評価損の数値と、13週移動平均線(18900円)を維持できるか、下回るか。観察ポイントです。

日経平均 評価損率 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

12月1日に2万円を付けましたが、前週に続き、今週もECB理事の発表から為替は円高に振れた事で売られました。12月SQに向け、高値が期待されたが、一気に25日移動平均線を下回り、200日移動平均線も下回る下降パターンに転じてしまった。

今後は200日移動平均線(上値抵抗線)を上回らなければ、上昇基調に戻せません。また25日移動平均線(上値抵抗線)も上回れなければ戻り売りに転じます。25日移動平均線を上回れなければ、3段上げ相場は無くなり、天井形成し、下降相場に転換します。来週から年末に向け戻せるか、戻しても戻したところは売り場になります。戻せなければ下げ幅は大きくなります。

200日移動平均線を下回った事から、来週は、75日移動平均線を下回ると下げ幅は大きくなります。下げ止まれば一時的な反発は期待できますが、戻ったところは戻り売りになります。25日移動平均線を上回れなければ戻り売り相場に転ずると見てください。戻したところは手持ち株処分と見てください。

EU発→ECBの金融政策で流れは変わったと感じます。日経平均は9月安値から18%戻して終わった可能性は強まりました。短期間に6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数が急増し、急減した事も戻り売り増加と見る動きです。来週SQ明けから年末に向けどう動くか観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

EU経済厳しさ金融政策で伝わる。ドイツに難民流入続くか。EU経済不安+中国経済減速ただ事では済まなくなる。NYダウは下げに転じてしまうか。どう動く世界市場。

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