富田のトレチャ 2016年01月07日

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波乱の幕開け、08年と酷似

日米欧とも「4日」から始まる2016相場。荒れる2日新甫、3日新甫の如く、4日新甫があるのか少し心配していたが、その不安が的中しそうな幕開けである。

NYダウ日足
NYダウ日足

商品週足
商品週足

発会の4日、日経平均は一時639円安まであり終値582円安18450円。大幅安で始まる発会は2008年(616円安)以来だが、その08年1月と言えば07年から始まったサブプライムショックの過程で、既報の如く昨年夏からのチャートがよく似ており、同時株安の幕開けも然り。

日経平均日足
日経平均日足

08年1月日経平均日足
08年1月日経平均日足

そうであれば、ここでは「08年新春相場」を参考にしておくべきだろう。サブプライムショックとは、ITバブル崩壊から立ち直らせるべく当時のグリーンスパンFRB議長の金融緩和、過剰流動性政策に伴い余ったマネーが世界中に溢れ、金融工学を駆使した金融商品が人気となり世界中にばらまかれた時だ。

そして今回は言うまでもなく、リーマンショックから立ち直らせるべくバーナンキ、イエレンとFRB主導で過剰流動性を7年間続け、マネーは未曾有の量で世界に溢れている。欧米の株価は過去最高値を更新、そしてイエレン議長が昨年12月にゼロ金利を解除した。世界景気が回復しているならイエレン議長の政策は成功したと言えるが、果たしてどうだろうか。

世界中に溢れているマネーの量は2007年以上で、米国利上げを機にマネーの巻き戻しがすでに始まっている。世界の株式市場はピークアウトから陰転臭わせ、原油や資源など商品価格はすでに大きく下げ、資源企業や新興国、中東諸国の中には試練に直面しているところもある。

そして中国。新年早々にサーキットブレーカー発動で市場停止となったが、それだけ需給悪化の背景があるということだ。また中東や北朝鮮など膨らむ地政学リスク。キッカケは何れにせよ、未曾有に溢れ出ているマネーの流れが変われば金融市場に混乱来たすのは避けらない。相場の最大の要因は「需給」であるから、市場がリスクオフに傾けば「サブプライムショック再演」を否定することできない。

年頭だけに、新年の期待を語りたいところだが、チャートが崩れている間はそれを我慢するしかない。時(好機)を待つのも相場だ。

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