日経平均株価の動き(2016年02月05日)

1月末、日銀サプライズで118円から121円と数分間で急激な円安となり、株価も数分間に乱高下し、安値から1000円値上がりしました。たった数分間で1ヶ月分の為替の動きを作ってしまったから、今週はそれほど動く余地は無いだろうと見ていました。それでも2月入りし、少しは持続するかと見ていたが、一週間持たず下げに転じてしまった。日銀政策を外国人投資家は売りと判断したからだと考えます。

1月末は前週比+560円高し、続伸が期待されたが、今週はイッテコイより悪く高安で1300円幅売られ、前週比で約-700円安と上げ幅より大きく売られ、16800円まで売られた事で下げ基調を強めた形となりました。来週も17000円台を回復できなければ、しばらく戻り売り状態は続くものと見ています。

1月下旬から2月に入り、相次いで業績下方修正発表が続いています。出光興産、JX、神戸製鋼、新日本電工、東芝は-5500億円(最終予想)の赤字転落。IHIも赤字転落しました。ここに来て赤字転落が増えています。これから下方修正、赤字転落の発表を先取りし、株価は先行して売られていると言うことになります。

今後も2016年業績予想について、下方修正銘柄が増加するなら、決算前に売っておけ。と言う事になり、2月中旬から3月中旬に向け、業績下方修正が発表されるであろう前に売り物は増加しそうです。主力銘柄が売られるなら、関連銘柄も連想売りされると考えます。業績下方修正が増えれば2017年予想を見るまで手を出すな。と言うことも考えられます。引き続き、業績修正銘柄の増加に注目です。

東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、1月末505銘柄(225種・58)で引けました。今週(2/4)は399銘柄(225種44)と減少しています。相場が弱い事を示しています。今後も減少が続くか、増加に戻さなければ下降相場の悪化は続いていることとなり、下落は続くと見る数値です。

「507」裁定買い残は14億株まで減少しました。少し増加したものの、増加に転じたと見る増え幅ではありません。引き続き、減少中と見る範囲です。少ない増加は、日経平均はアヤ戻りの範囲です。2月中、この様な状態なら相場は弱い状態と見なければなりません。引き続き、裁定買い残動向に注目です。

日銀はマイナス金利政策を発表し、貯蓄から投資へと言うが、貯蓄は高齢層に多く、積極的にリスクを取れる年齢層の資金とは思えません。また積極的にマイナス国債を買おうと言う人は居るのでしょうか?長く続けられる政策とも思えません。今後も日銀サプライズには注意しなければなりません。

日銀はマイナス金利発表で銀行株は売られました。ゆうちょ銀行は公募価格を下回りました。銀行株、生保株、損保株も下げ続けています。相場の上昇局面で買われる業種が下げ続けているのですから、下げ相場は続くと言うことです。銀行株が下げ止まらない間は下げ相場は続きます。回避資金か利回りか。REITが買われ始めています。

個別株では、主力株が売られ、赤字転落が増えている中では、内需で小型好業績株、短期上昇銘柄など、下げ相場の中で上昇を維持している株は買われています。引き続き、この様な新興市場、小型株の注目は続くと見ています。2月の観察ポイントです。

<NYダウ 日足チャート>

1月NYダウは-959ドル安のマイナスです。2月も-50ドル安と続落して始まりました。NYダウの2月相場も弱そうです。月足では12月から3陰連となり、6ヶ月移動平均線を下回る下降基調が鮮明になっています。引き続き、60ヶ月移動平均線(15000ドル)に向け、下げ相場は進行中です。

日足チャートでは、10日移動平均線を上回りました。また25日移動平均線も上回りそうな状態です。まだ25日移動平均線を上回ったとは言いにくく、リバウンド中の状態です。25日移動平均線を上回れば反発に転じますが、逆に10日移動平均線を下回れば再下落に転じます。

短期的には、10日移動平均線を下回ると戻り売りに転じ、10日移動平均線を上回る状態を維持なら下げ止まりからリバウンドを試している状態と見ます。来週は25日移動平均線を上回り反発に転ずるか。10日移動平均線を下回り再下落に転ずるか。来週の確認ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

1月末、日銀マイナス金利発表で数分間で118円から121円まで急騰しました。今週は121円を維持できるか、さらに円安は進むか。円高に逆戻りするか。観察されるところであったが、アッと言う間に116円まで円高に逆戻りしました。イッテコイとなり、マイナス金利とは何だったのか。。

1月末にドル円チャートは一気に200日移動平均線(上値抵抗線)まで戻した形で、戻りイッパイに見えました。これを上回るのは難しいでしょう。今週の動きを見れば、やはりその通りになりました。逆に今週は121円から116円まで一気に円高となり、25日移動平均線を下回りました。

来週は、25日移動平均線(118円)を上回れなければ円高基調は続くと見る状態です。25日移動平均線を突破するなら、再度円安に戻す形に向かいますが、25日移動平均線(118円)を下回る状態は円高状態は続くでしょう。為替動向は株式市場の方向性を見る上で重要な指標です。

ドル円 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

月足チャートでは、1月末に一気に戻した事で下ヒゲを伸ばしたが、12月から3陰連の下げ基調の状態です。12月-714円安。1月-1515円安。2月-699円安と続落しています。昨年9月安値16900円を下回ってきたので、次は1月安値16000円を意識しますから、来週も下げに向かいそうです。1月安値(16000円)を下回ると二段下げは進行し、下げ幅拡大局面に向かいます。

逆に反発に転じた場合でも、6ヶ月移動平均線(18250円)が上値抵抗線であり戻りメドと見る水準です。ここまで戻れば強い戻りですが、このパターンは戻りは弱く上値メドは低くなるパターンです。来週は戻せるか、続落か。観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>

1月末、「507」裁定買い残は14億株まで減少しました。今週は15億株と少し増加しましたが、増加に転じたと判断するまでの増え幅ではありません。減少は止まりつつ増加に転じそうな状態ですが、目立った増加でなければ、日経平均は反発せず、戻して戻り売りと判断されます。

裁定買い残動向と日経平均は連動性があり、増加局面に上昇し、減少局面は下降します。14億株水準まで減少し、減少余地は小さく見えるが、増加に転ずる雰囲気は感じられない。このまま低迷した状況は続く可能性もあります。増加しなければ株価は上がらない。引き続き、裁定買い残動向は観察ポイントです。

日経平均 裁定買い残動向 週足チャート

<日経平均 評価損率 週足チャート>

「610」評価損率(1/22)は-16%まで悪化しました。1月末のリバウンドで-12.81%(1/29)まで改善しました。今週の戻り売りを考えると、来週発表の評価損率は、再度悪化に転じたと思われます。水準的には底値ゾーンと言える水準ですから、大幅には悪化しにくいと思われます。そう考えると、しばらく下降ボックスで推移するか。

前週17900円から今週安値16600円まで約1300円幅乱高下しました。この様な乱高下では高値買い、安値売りと評価損の改善は見込みにくい。株価が売られた時は評価損率の数値が悪化した時に、買い場か売り場か注目したい。来週の株価水準は観察ポイントです。

日経平均 評価損率 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

日足チャートでは、2月は25日移動平均線を上回って始まったが、戻り売り場になってしまった。日銀のサプライズはイッテコイになってしまいました。株価が大きく下げたのは、外国人投資家が売りと判断したからです。日銀は外国人投資家に絶好の売り場を提供した形となりました。

1月は-3000円幅下げた後、安値から1500円以上戻しました。12月の高値から-4000円幅動いたので、2月は大きく動くと言うより乱高下はするものの、17500円から16000円幅のボックスで推移しそうですが、安値更新も考えられます。25日移動平均線は下向きで、株価が下回っている状態は戻り売り状態です。

10日移動平均線を上回れなければ再下落は続きます。10日移動平均線を上回れば25日移動平均線まで戻す可能性はあります。来週2月SQ週ですから乱高下しそうです。まず10日移動平均線を上回れるか、上回れないか。SQ値を探る展開は観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

日銀サプライズはイッテコイ。NYダウ乱高下続く。春節爆買いは期待できるか。中国市場は三段下げ続く。どう動く世界市場。

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