日経平均株価の動き(2015年07月03日)

週末のギリシャのデフォルトのニュースから、今週月曜日は狼狽売りとなりました。1日で約600円の大幅下落となりました。6月は残すところ2日間であったため、前月比-328円安に転じて引けました。狼狽売りは月曜1日で終わり、火曜日以降切り返し上昇に転じ、週末には月曜の下落分を大方取り戻しました。グランビルの投資格言に「バット(悪い)ニュースで株を売るな・グッド(良い)ニュースで株を買うな」があります。今回の様な局面を言うのでしょうか。

日本は借りた金は返しましょう。と言う国民性だが、ギリシャは国家首相自ら5日日曜日に国民投票を宣言し、国民に向けて返済しない(踏み倒せ)NOに投票する様に呼びかけているからビックリです。こんなルールを守らないギリシャに、逆にEU諸国の人々から離脱しろと言われそうです。日本の国民性から見れば、借りた金を返さないであれば出て行ってくれ!と言うのではないか。

国民性が変わらなければ、また支援したところで返す気も無いのでしょうから。ギリシャは人口1120万人・公務員は人口の10%と割合的に多いようです。国民平均所得は約120万円だそうで。50~55歳で年間約100万円の年金が死ぬまで支給されるから国の負担は大きいのでしょう。遺跡見物(観光)の収入で公務員を支えているのですから、働かない国民性と言われている様です。

助けるより、見放した方がメリットが多い様に見えますが、実際のところ、5日の国民投票は「NO」「YES」どちらか?週明けの株式市場への影響はあるかも知れません。NOでも影響は小さい様に見えますが、問題が大きくなるとしたら他の国の問題にまで波及した時でしょう。

7月の日経平均の行方は、7月始値(20291円)にかかっています。この価格を上回っている間は、高値引け(7月末)の可能性があります。7月が下落(弱気転換)に転ずると判断するポイントも7月始値(20291円)にかかっています。ここを下回れば弱気だが、上回っている間は上昇持続であり、高値更新の可能性を残しています。

NYダウが下落した時は影響は大きいが、為替が大きく円高に振れなければ影響は小さいでしょう。為替が円安基調を維持している間は、日経平均は大きく下げないでしょう。為替の月足は、6ヶ月移動平均線(121円・下値支持線)が円安基調を維持しています。6ヶ月移動平均線を上回っている状態なら、日経平均の上昇基調は続くと見ています。為替が6ヶ月移動平均線(121円・下値支持線)を下回る円高に振れたなら、日経平均は売られる心配があります。

今週の海外投資家動向では、大幅に下げた29日の寄り付き動向は小幅売り越しであったが、30日は6月最高の買い越しとなった。7月2日の買い越しは、6月30日を上回る増加です。この下げた局面を海外投資家は大量買いしました。下げるところを待っている様です。海外投資家の寄り付き動向が売り越しに転じたら要注意と言えるでしょう。

日経平均の先行指標となる金融株(8604野村證券・8697JPX)は、7月に入り新高値更新中です。金融株が高値更新する事は日経平均の先高感を示しています。7月に日経平均は6月高値20952円を上回る可能性は高くなってきました。7月始値(20291円)を上回っている状態で、金融株(8604野村證券・8697JPX)が新高値を更新した事は、7月末に向け高値更新する可能性は高くなっていると見ています。

個別株は、全体的に高くなっています。29日の下げた時はチャンスであったが、全体的に高値圏であり、好業績割安株や出遅れ株を中心に銘柄探しした方が安全でしょう。短期狙いでは「短期上昇銘柄」です。好業績割安株は、押し目を待つのが良いと思います。高値圏の銘柄選びは強い上昇基調の短期売買か、好業績割安株の押し目待ちになります。

<NYダウ 日足チャート>

ギリシャの影響を受け、NYダウは200日移動平均線(17600ドル・下値支持線)まで売られました。200日移動平均線を下回ると下降相場に転じてしまう心配はあるが、ギリシャ問題から売られるのであれば、下げたら買い場と見られるのではないか。下げるとしたら他の理由になるでしょう。

ギリシャ5日の国民投票結果によって、また乱高下する心配は残していますが、200日移動平均線前後で下げ渋るなら押し目と見る事ができます。25日~75日移動平均線を下回っている間はボックス相場は続きます。25日~75日移動平均線を上回れば上昇基調に戻します。下げ相場に転ずるか、上昇維持か確認するところです。

下段の14日RSIは、また40ポイントに下がりました。株価的には下げ止まりを待つところですが、14日RSIから見る下げ余地は小さい様に見えます。再度30ポイントまで下がれば売られ過ぎと見る水準です。日曜日のギリシャの国民投票を控え、来週以降25日~75日移動平均線を上回れるか確認ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 為替 日足チャート>

ギリシャ不安から為替は2円円高に振れました。1円で日経平均は約300円(下落)動きます。2円の円高になったから、日経平均は約600円下げた事になります。122円で円高が止まったところで日経平均は下げ止まりました。また1円円安に動いた事で、日経平均は約300円値上がりしています。

5日のギリシャの国民投票の結果しだいでは、為替は円高に振れる心配があります。ユーロ圏に残る結果となっても、大きく円安には振れず、元の水準に戻すと言う事でしょう。円高に振れた時だけ、株式市場への影響は残していると見るが、大きな影響は出ないと見ています。

チャート的に、25日移動平均線(123円)を下回ったが、75日移動平均線(121円)は上回っています。75日移動平均線(121円)を上回っている状態は、大きな影響は出ていないと判断できます。25日移動平均線を上回れるか、下回ったままか。引き続き観察ポイントです。

ドル円為替日足チャート

<日経平均 月足チャート>

ギリシャの影響から6月は前月比-328円安となり、残念ながら陰線で引けました。逆に7月は20291円で始まり、前月比で約+300円と切り返して推移しています。7月相場は、7月始値(20291円)を上回っている状態なら高値更新の可能性を残しています。下回ると調整局面に転ずる心配があります。この点が基調判断の観察ポイントです。

7月末に向け21000円台に乗せてくるようなら、高値警戒ゾーンと見ておきましょう。7月は6ヶ月移動平均線を上回ってから14ヶ月目にあたり、過去の最長期間と同じです。8月新記録の可能性は無くなった訳ではないが、過去の経験則に倣い、高値警戒しておく必要があります。

チャート的には、6ヶ月移動平均線(下値支持線)を上回る間は強い上昇基調続くでしょう。6月は前月比でマイナスで陰線になった事から、6ヶ月カイリ幅は小さくなった。カイリ幅拡大した状態は続いていたため、高値警戒していたが、6月陰線からカイ離幅は縮小し上げ幅を伸ばす可能性が出てきました。

7月も下段の9ヶ月SRV-Dは、80ポイント以上(90)の強い局面を続けています。引き続き、80ポイント以上を維持する状態は下げにくい強い上昇相場は続いていると見ます。80ポイント以下に下げると天井形成から売り転換の心配あり。引き続き7月末に向け6ヶ月移動平均線を上回っていれば強い相場です。

日経平均 月足チャート

<日経平均 裁定買い残 週足チャート>

6月末の「507」裁定買い残は18億株まで減っており、解消売りは出にくい状況に見えます。解消売りが出なければ、相場は崩されにくいと考えます。裁定買い残はメジャーSQに向けて調整するので、まだ仕掛け時期は分からないが、次は9月SQに向けて動く可能性を残しています。

7月相場は、裁定買い残は18億~20億株の横ばいか、20億株以上に増加するか。どちらかと見ています。横ばいなら日経平均は20500円前後で推移か。増加なら21000円台に向かうか。増加傾向から21000円台に乗せる事を期待しているが、今後の推移を観察しながらの判断となります。

5日のギリシャ国民投票後、日経平均はどっちに動くか。裁定買い残は増加するか。さらに減少するか。裁定買い残が増加する事は、日経平均は上昇するので、7月相場は21000円に乗せる可能性あり。裁定買い残は増加に転ずるか、減少に転ずるか。13週移動平均線をキープできるか。この点が観察ポイントです。

日経平均 裁定買い残 週足チャート

<日経平均 評価損率 週足チャート>

前週発表(6/19)の数値は-7%に悪化したが、今週発表(6/26)の評価損率の数値は-6%に改善しました。評価損の数値が-5%~0%に改善する事は高値ゾーンに近づいていると見ます。今週はギリシャで29日600円下げたので、来週発表の評価損の数値は少し悪化してそうです。日経平均は21000円に向けて上げてくるなら改善する方向です。-5%~0%に接近することは高値ゾーンです。

評価損率は-15%以下に悪化すると底値ゾーンの買い場です。-8%~-5%で高値ゾーン、-5%~0%以上で高値警戒ゾーンです。7月相場の水準を計る目安です。

日経平均 評価損率 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

6月29日月曜日はギリシャ不安から-600円安となりました。チャート的には25日移動平均線を下回ったが、その後の切り返しで今週は25日移動平均線を上回るまで戻した。25日移動平均線を上回る状態は上昇基調です。再度下回ると売り転換の心配はでます。

前週は週間で500円以上値上がりし強い上昇転換を示したが、今週はギリシャから約600円の下落で始まりました。25日移動平均線を下回ったが、その後の切り返しは25日移動平均線を上回りました。前週に週間で500円以上の値上がりした事で、強い上昇基調と言う事で回復力がある様に感じられました。

7月のポイントは7月始値(20291円)です。仮に25日移動平均線を下回ったとしても、7月始値(20291円)を下回らなければ強い状態は維持されています。また今週は金融行株が高値更新しました。金融株が高値更新した事は、日経平均に先高感を示すものです。来週~7月末に向け日経平均は6月高値を更新してくる可能性を残しています。

チャート的には、25日移動平均線を上回る状態は高値更新相場で、下回ると売り転換です。来週以降、25日移動平均線(20400円)を上回る状態を維持するなら、次は21000円に乗せてくると見ていますが、強気と高値警戒の両面からの観察が必要です。

下段の25日騰落レシオは、90ポイントまで下がり、今週末も100ポイントを下回る低い数値です。25日騰落レシオの数値はまだ低く、上げ余地を残しています。125ポイント以上に高くなると高値警戒ゾーン。来週以降、25日騰落レシオは先行指標として高くなるか。25日騰落レシオは、4日~10日過ぎから日経平均は高値を付けると見る指標です。そのあと株価が25日移動平均線を下回ってきたら売り場です。7月相場の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

ギリシャショックからNYダウは乱高下。ギリシャ5日の国民投票結果はNO・YESどっち?ギリシャ結果で為替どう動く。EUの判断はどうなのか。どう動く世界市場。

→日経平均株価の動き:目次へ

臨時コメントについて

相場が急変したり基調が変わるようなときには、その都度臨時コメントが掲載されます。
臨時コメントは株の達人ユーザーのみのサービスです。

↓ブログでは日経平均や先物、ミニ先物などの分析を掲載しております。ほぼ毎日更新!ぜひご覧ください。
本日の市況と個別株徹底解説
https://www.sevendata.co.jp/user_blog/