日経平均株価の動き(2015年07月10日)

投資家はギリシャ動向に目がいっていた。100年も前から、借りた金は返さない常習犯と新聞記事にあった。借りるのは上手で平気で返さない。EU加盟する時も借金は伏せていた。EU加盟後、すぐ金を貸して欲しい。借りた金は使い切ってしまった。観光だけで産業無し、働かず夜中まで飲み歩く。ギリシャ人の特徴とあった。財政改革案を出したが、目的は金を借りたいが見え見えです。改革案で削減予定の2倍貸して欲しいと言うのですからビックリです。EUは早く出て行って欲しい?本音でしょうか。

中国株がピークを付けて下げ始めていた事は分かっていたが、投資家はギリシャに目を取られていました。上海指数が下げ始めている中で、為替は122円以上を維持し、6月には日経平均は高値更新していました。中国は株式市場の下落を食い止めるために、禁じ手とも言える指数構成銘柄と50%以上の上場銘柄の売買を停止しました。証券会社に買い支える様に指示も出しました。いくら何でも株式市場の売買を停止するとは思わなかった。何でもありの中国なら、これからも禁じ手を使いそうに思われます。何が出てくるか分かりません。

ほとんどの上海指数構成銘柄の売買を停止し、残った数銘柄を買えば指数は上がります。海外メディア向けには、上海指数は下げ止まり、切り返した様に見えるトリックだ。売買を停止させている間は、上海指数は反発に転じますから上がっている様に見えるかもしれないが、来週明けに売買を再開すると言っています。再開したら売られそうです。一時的に株式市場の下落を遅らせる禁じ手では混乱は無くならない。暴落の引き金はギリシャより中国市場であり、今後も暴落要因は燻っています。

日経平均は、前週高値から安値まで約1300円下落しました。為替は約3円50銭、円高に動きました。1円動くと日経平均は300円~350円動きます。この下落局面は、為替が4円近く円高に動いた事で、日経平均は1300円幅下落しました。株価が上がるのは円安に動く時です。売られる時は円高に動きます。今後の為替動向を見ることで、株価は連動すると見ることができます。円安なら株価は戻り、円高に傾くと売られます。

来週明け、中国の株式市場の売買再開に世界の株式市場は左右されそうです。引き続き、他国に迷惑をかけても、自国救済の禁じ手を連発する様な市場政策を取るならば、世界の株式市場、日本の株式市場も混乱が続く心配があります。中国の株式市場の問題は短期的に解決できるものではありません。需給整理は早くても2ヶ月~3ヶ月かかるでしょう。その間、何が起こるか分からないから、いったん持ち株は売っておこう。混乱が落ち着くまで買いは見送ろう。大きく下落したらチャンスだ。しばらく上値は重そうです。

東証1部銘柄では、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数(7/9)は750銘柄に減少しました。上昇基調を維持する800銘柄数以下に減少したので、下降転換の心配が出てきました。また週間で500円以上、下落した事で下降転換と判断できます。日足チャートでは75日移動平均線を下回り、上回れなくなれば下降転換と判断できます。

6月高値から約1800円幅下げました。相場格言「半値戻しは全値戻し」から見ると19100円から半値900円戻したところが上値抵抗線ということです。ちょうど75日移動平均線(2万円)の位置であり、上回れなければ下降基調に向かうと判断できます。

日本市場は「官製相場」から政府と日銀のタッグで上げてきました。多額の公的資金、年金を投入し、株価を下支えしています。やはり「官製相場に売り無しか」と言われる様な上昇相場に戻せるか。円安で牽引するなら上昇に戻す可能性はあります。週明け中国市場の再開で売られるか、「官製相場」で上昇に戻すか。来週の観察ポイントです。

NYダウの日足チャートは、75日移動平均線を下回り下降転換し、200日移動平均線を下回る動きとなってきました。200日移動平均線を上回れなければ、下降相場に向かいます。中国市場の混乱+NYダウが下降相場に向かう事になれば、日本市場への影響は小さくありません。ハッキリした下降基調の形になってないが、売られたら日本市場も2ヶ月~3ヶ月は乱高下は続く事になります。

個別株は、下げ相場の中でも上昇基調を維持している株は強い上昇銘柄であり、買い銘柄と見ることができます。総体的に75日移動平均線を下回った株は戻り売り基調に転じます。大幅下落した株は投げ売り、出尽くせば底入れします。目先は戻れば戻り売りに見えます。2万円を強く上回れなければ戻り売りになりやすいでしょう。

<NYダウ 日足チャート>

NYダウのチャートは、200日移動平均線(17600ドル・下値支持線)を下回ってきました。今後も200日移動平均線を上回れず、下回るなら下降相場に転じます。NYダウが下降相場に転ずるようなら、世界の株式市場は混乱する心配があります。大幅な下げ幅、下落期間が長引くなど、まだ大きな問題に発展しませんが、今後のNYダウ動向、200日移動平均線を上回れるかどうかにかかっています。

25日移動平均線は75日移動平均線を下回り、75日移動平均線は下向きに転じました。もう少しで25日移動平均線は、200日移動平均線を下回りそうな状況です。25日移動平均線が200日移動平均線を下回り、株価が25日~75日移動平均線(上値抵抗線)を上回れなくなれば下降基調に向かう心配があります。

下段の14日RSIは、また40ポイント以下に下がってきました。14日RSIが30ポイントまで下がれば一時的にボトムです。来週以降、200日移動平均線を上回れるか確認です。下回ったままなら警戒注意信号です。

NYダウ 日足チャート

<上海総合 深センB株 週足チャート>

1990年の日本のバブル崩壊は、官僚主導の引き締め政策で大暴落を起こし、V字回復を狙ったが、その後の処方箋は失敗続きで25年間デフレは止まらなかった。
中国も引き締め政策をしたが、昨年以降、緩和政策を実施し、株高となった。今年も緩和政策を実施し、さらに株価は大幅高となった。不動産の不良債権が膨らみ、銀行共済のための株高政策とも言われています。

昨年から約1年で指数は2倍以上に急騰した。6月をピークに天井形成したが、その後も中国政府は立て続けに緩和策を出しているが、株価は下げ止まらず高値から30%以上下落してしまった。上場銘柄の半数以上を売買停止処分にし、証券会社に買い支える様に指示しました。指数は下げ止まった様に見えるが、何でもありの禁じ手を連発した事で、東京市場は影響を受け、週間で1000円以上の大幅安となりました。

週足チャート的には、高値からの暴落で50週移動平均線まで急落したところで切り返している動きです。このチャートパターンは崩れのパターンです。短期的には売られ過ぎからリバウンド局面ですが、26週移動平均線~13週移動平均線まで戻したら戻り売りと見るパターンです。

来週、売買停止を解除し、再開するとニュースで言われました。禁じ手でも何でもありの政策を取るので、強く戻すか、下落に転ずるか分からないところでありますが、売買停止処分を解いたら、また売り込まれる心配は強いでしょう。売られたら、また売買停止する可能性は否定できません。このあたりは今後の経過を待たなければわからないところです。

上海総合 深センB株 週足チャート

<ドル円 為替 日足チャート>

ドル円は75日移動平均線を下回る円高となったが、切り返してきました。6月から約5円円高に振れました。1円で日経平均は約300~350円(下落)動きます。日経平均は6月高値から約1800円下げた動きと為替の動きはあっています。75日移動平均線(121円)を下回ると、次は200日移動平均線(117円)まで円高は進む可能性があります。先ずは為替の下げ止まり待ちです。

チャート的に、75日移動平均線を上回ったので円安基調に戻しています。戻しても25日移動平均線(123円)が上値抵抗線になっています。75日移動平均線(121円・下値支持線)を上回っていれば、25日移動平均線(123円)まで戻す可能性はあります。引き続き、上下どちらに動くか観察ポイントです。

ドル円為替日足チャート

<日経平均 月足チャート>

今週は中国の売買停止から売られました。6月に続き、7月も陰線になりそうです。6ヶ月移動平均線(19700円)を下回ると下降転換の心配があります。来週以降も中国市場は何が起こるか分かりません。今週は、東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は約800銘柄以下に減少しました。800銘柄以下に減少すると下降転換します。続いて日経平均が6ヶ月移動平均線を下回ると下降転換します。

チャート的には、7月始値20291円を下回った事で陰線となりました。始値を下回ると下げに転換するポイントです。来週以降、7月始値20291円を上回れるかどうか観察ポイントです。上回れなければ、8月以降、下げに転ずる心配があります。7月始値(20291円)を上回ってきたら、昨年6月から6ヶ月移動平均線上回り、14ヶ月目から8月新記録に向けた動きに変わります。チャート的には6ヶ月移動平均線(下値支持線)を上回る状態に戻せば上昇基調は続くでしょう。下回れば下降転換です。

7月も下段の9ヶ月SRV-Dは80ポイント以上(88)の強い局面を続けています。引き続き、80ポイント以上を維持する状態は、強い上昇相場が続いていると見ます。80ポイント以下に下げると天井形成から売り転換の心配あり。7月末に向け、6ヶ月移動平均線が上下どちらにあるか観察です。

日経平均 月足チャート

<日経平均 評価損率 週足チャート>

前週発表(6/26)の数値は-6.09%まで改善しました。今週発表(7/3)の評価損率は-6.31%と横ばいでした。今週の大幅下落から、来週発表の評価損率の数値は大きく悪化しそうです。数値的に下降に転換する心配が出てきました。ギリシャより中国の禁じ手の影響は大きかった。今後の中国の影響は心配されます。

評価損率は-15%以下に悪化すると底値ゾーンの買い場です。-8%~-5%で高値ゾーン、-5%~0%以上で高値警戒ゾーンです。7月相場の水準を計る目安です。-15%以下に下がり、底値待ちのところです。

日経平均 評価損率 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

今週は、売買停止処分と言う禁じ手の中国市場の混乱から大幅下落しました。来週、売買を再開する様ですが、またいつ何をするか分かりません。これではいったん株は処分して、混乱が落ち着くまで様子見となるか。「官製相場」に売り無しの如く上昇相場に戻すか。チャート的には75日移動平均線(2万円)を下回り、戻せなければ下降相場に転換します。来週以降、75日移動平均線を上回れるか。下回る下降基調に向かうか確認です。

大きく下げた時の相場格言「下げ幅の半値戻りは全値戻り」6月高値20952円・今週安値19115円=下げ幅1800円。半値900円戻すと丁度2万円です。チャート的には75日移動平均線(20020円)です。75日移動平均線を上回れなければ、下げ相場に転ずる心配があります。また25日移動平均線を上回れなければ上昇基調に戻せません。来週以降どう動くか。

下段の25日騰落レシオは、82ポイントまで下がり、売られ過ぎからボトムゾーンに接近しつつあります。来週は戻した後、また売られる心配はありますがボトムに接近します。株価が75日移動平均線を上回れなければ弱気転換します。海外の影響を受ければひとたまりもありません。7月相場の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

何でもありの中国。短期で混乱は収拾できるか。来週の売買再開は下落か上昇か。NYダウは、下降相場に転じたら混乱は大きいでしょう。為替は円安か円高か。働かないギリシャと付き合えるのか。どう動く世界市場。

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