日経平均株価の動き(2015年08月21日)

前週は6月高値に迫り20940円まで値上がりしたところで売られました。中国経済の先行き不安、天津の大爆発を受けて、高値圏にあったこともあり、一先ず売っておけ。世界経済に波及する不安と高値警戒から売られました。今週は中国経済の先行き不安から世界の株式市場は大きく売られました。

米国FOMCの7月議事録が公表され、金利を上げる時期に言及したことで、NY市場は金利を上げる時期は近いと言う見通しも加わり売られた。NYダウの下落は中国経済+国内経済を理由に、一先ず売っておけと下げ幅は拡大しました。株式市場は、いったん下げに転ずると投げ売りが出尽くすまで下げる性質があります。投げ売り出尽くすと底入れし反発に転じます。

日本市場は、ドル円相場の円安基調で上昇相場は続きました。ドル円が122円以上の円安を維持している状態は大きく売られにくい状況と考えます。1円円高に動くと日経平均は300~350円売られます。今週は2円以上、円高に振れた事で株価は売られています。

122円以上の円高にならなければ株価は大幅に売られにくいと考えます。引き続き、122円以上の円安を維持できていれば、日経平均の下げ幅は大きく下げないと見ています。122円以上の円高に振れたら、下げ幅は大きくなります。

中国市場は、天津の事故後も先行き不安から荒れています。大口投資家売り禁止、国家の買い支えなど、株式市場を支える手は打っていますが、不安定な動きは続いています。中国市場が落ち着きを戻すまでは、世界の株式市場も不安定は続きそうです。

NYダウは下げ基調の動きは続いています。NYダウの下げ基調も世界の株式市場への影響は大きい。今後の動きに注意は必要でしょう。当面は9月以降の下げ止まりを待つところと見ています。

東京市場は、7月に「123」東証1部中型株指数、「124」東証1部小型株指数、「113」日経400指数は高値更新しました。次は日経平均の高値更新の番ですが、6月高値に迫ったところで、天津事故、NYダウの下落の影響を受けて、2万円台はキープしていますが、9月SQまで乱高下は続くと見ています。9月SQ過ぎれば下げ止まり、年末に向け、日経平均は高値更新し2万1000円台に乗せてくると見ています。

国内は「アベノミクス経済政策」日銀「異次元金融緩和」は続いています。この国策が機能している間、しばらくは株式市場は下げても、短期間で回復すると見ています。今後、株式市場へ多くの資金流入があった場合、年末に向け上昇基調に戻り、高値更新してくると見ています。

今週の下落で、東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は930銘柄(8/20)まで減少しました。上回る銘柄数が1000銘柄以上に増加してくると、強い上昇基調に戻します。内需関連株、円安メリット、好業績上昇銘柄、規制緩和銘柄など、引き続き下がれば買われると見ています。まだ中国関連株は弱いと見ていますが、大きく売られた後、下げ止まれば買い場になると見ています。

<NYダウ 日足チャート>

チャート的に、75日移動平均線と200日移動平均線はDクロス寸前です。株価は25日移動平均線(上値抵抗線)を上回れず下げ続けています。25日~75日移動平均線を上回れなければ下げ止まりません。下げ止まらない間は下げ相場は続くと見る動きです。引き続き、チャート的に崩れに向け動いています。

8月相場は、200日~25日移動平均線を下回り続ける下降ボックス相場で終えそうです。このまま続けば、9月も下げ相場は続きそうです。25日移動平均線を下回り続ける状態は戻りば売られる動きです。短期的には10日~25日移動平均線を上回らなければ下げ止まり確認は出来ません。

月足チャートでは8月は6ヶ月移動平均線(17700ドル)を下回り陰線で引けそうです。6ヶ月移動平均線上値抵抗線に下回る状態は下降相場は続きそうです。このまま8月を6ヶ月移動平均線を下回って引けると下降転換する心配があります。9月以降、6ヶ月移動平均線を上回れなければ下げ相場は続きそうです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日経平均 日足チャート>

中国は人民元を3度切り下げ、ドル円相場は円高に振れたがシッカリしている。天津の爆発事故の影響もあり、25日移動平均線を下回った。また中国経済の先行き不安、中国株式市場の下落の影響から122円台まで円高となり75日移動平均線まで下がってきました。チャート的に75日移動平均線(下値支持線)を上回る状態は円安基調を維持していると見ます。来週の観察ポイントです。

ドル円相場的には、122円以上の円安を維持しているなら、日経平均は大きく下げません。125円以上の円安で高値更新すると見ています。ドル円チャートは75日移動平均線は上向きの円安基調を維持しています。引き続き、75日移動平均線(下値支持線・123円)を上回る状態維持なら、株式相場は上昇基調を維持します。

チャート的に75日移動平均線を下回る円高にブレた時は日経平均は売られます。引き続き、円安基調を維持出来るか観察ポイントです。

月足チャートでは、6ヶ月移動平均線(122円)を上回る円安基調を維持しています。6ヶ月移動平均線(122円)を維持できていれば、円安基調と言えるでしょう。

ドル円 日経平均 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

1985年~1990年の月足チャート
1985年~1990年の月足チャート
2003年~2008年の月足チャート
2003年~2008年の月足チャート
現在の月足チャート
現在の月足チャート

今年5月以降、昨年6月に6ヶ月移動平均線を上回ってから6月で13ヶ月目・7月で14ヶ月目・8月で15ヶ月目になるから高値警戒感は続くと述べてきました。1985年以降から30年間では、6ヶ月移動平均線を上回る期間は14ヶ月が最長期間と述べてきました。

前週までの動きでは、8月の15ヶ月目で新記録達成か。と述べましたが、今週の大幅下落から6ヶ月移動平均線を下回ってきました。このまま8月を下回って引けると7月の14ヶ月、過去の最長期間と同期間で終わることになります。

調整に転じた後の動きは、過去の上昇局面を参考にすると、2ヶ月~4ヶ月くらいの調整期間で終わり上昇に転じています。「アベノミクス」国策相場は続いているので、9月半ばの短期調整で下げ止まり、2ヶ月程度の調整で終わり10月以降は上昇基調に戻すと見ています。

今週は1000円以上下落した事で、8月は1100円以上マイナスに転じました。月足チャートでは6ヶ月移動平均線を下回り下降転換しそうです。8月末に6ヶ月移動平均線を上回って引けるか。下回って引けるか観察ポイントです。

9月SQ以降、下げ止まり上昇に転ずれば年末に向けて2万1000円台に乗せてくると見ています。次は1996年高値22750円に向けた上昇相場と見ています。

<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>

週間で500円以上下落すると下降転換します。また上昇転換するには週間で500円以上値上がりしないと確認できません。または13週移動平均線(20400円)を上回らないと確認できません。7月の下落した時は翌週に870円値上がりし切り返しました。来週500円以上、値上がりしたら下げ止まり確認です。それ以下なら下げ止まり確認はできてません。

今年6月まで「507」裁定買い残は日経平均と連動して増減してきました。裁定買い残の増加傾向のとき日経平均は値上がりし。減少傾向にときは売られてきました。今年6月SQに24億株をピークに減少に転じましたが、6月以降、裁定買い残は減少していても、日経平均は高値更新する逆の動きをしました。

今までに無かったパターンですが、7月SQで減少はストップしたあと少し増加しています。裁定取引の銘柄入れ替えから、減少していても日経平均は下げなかった。メインの主力株の組み入れから、内需株、小型好業績株にシフトしたから裁定買い残は減少しても日経平均は下げなかった。

今週の大幅下落は、まだ9月SQくらいまで続く可能性はありますが、9月SQ以降、裁定買い残は増加に転ずる可能性は高くなると見ています。9月SQ以降、裁定買い残は増加に転ずると、日経平均は上昇に転換し、また上昇基調に戻すと見ています。次の9月SQ以降どう動くか観察です。

日経平均 裁定買い残動向 週足チャート

<日経平均 日足チャート>

7月は中国の大暴落、前週は天津の大爆発、中国人民元の引き下げ、中国向け輸出の大幅減少など、中国関連の売り材料のニュースばかりでした。日経平均は大幅下落となり、75日移動平均線を大きく下回ってきました。9月SQくらいまで乱高下する心配はあります。

チャート的には、まだ200日移動平均線と75日移動平均線の2線幅は広いので下げ相場に転じにくいパターンです。大きく下げた場合は切り返すパターンです。このまま25日~75日移動平均線を下回り下げパターンに転ずる心配はありますが、日経平均は6月高値を上回っておらず、高値更新の可能性を残しています。

6月に2000年高値20830円を上回りました。次は2万1000円台相場か、1996年高値22750円を目指す展開と見ていましたが、中国経済不安から大幅下落に転じました。9月SQ以降、相場は持ち直すものと見ています。25日~75日移動平均線を上回れば上昇基調回復ですが、9月SQ前後まで乱高下は続きそうです。

株価は25日~75日移動平均線を下回った事で弱い動きに転じました。25日移動平均線が75日移動平均線を下回ると高値ボックス相場に転じます。来週は下げ止まり確認は出来るか、続落するか、反発に転ずるか。9月相場に向けた判断ポイントです。

日経平均 日足チャート

中国経済不安から大幅下落。天津の大爆発の影響は長引くか。中国市場の乱高下続く。為替は円安に動くか。NYダウの調整局面は長引くか。米国金利は上がるか。どう動く世界市場。

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