世界はマイナス金利時代に突入。日銀も景気対策、株価対策、為替対策にマイナス金利を決定したが、世界的に裏目に出ました。銀行株はバーゲンセールされ、2月に入り株価は約-3000円も下げました。日銀のマイナス金利発表時121円まで急騰したが、週末111円まで急激な円高に進みました。短期では水準的に二段下げの底打ちは近づいた感はあります。
EUでは、ドイツ銀行がロシア向け融資が焦げ付き、仕組み債(デリバティブ)の損失が大きく、信用不安に発展と噂された事がEU市場の下落に繋がり、逃避資金先としてドル円に向かった事も株安は連鎖しました。スエーデンは-0.5%を発表し、スイス銀行総裁はマイナス金利拡大を示唆しています。いつ頃落ち着くのか。中国不況はドイツを直撃し、世界の市場に波及し、暴落は拡大しています。
世界の株式市場の下げが止まらなければ、暴落の連鎖が続く心配は残りますが、EUも日本も金融危機では銀行は潰してません。政府の救済策で下げ止まり、切り返すケースは多い。日本市場はドル円相場に引っ張られますから、ドル円相場が落ち着くかどうか。観察ポイントです。
為替は1円円高で株価は300~350円動きます。1月末121円→本日(2/12)111円まで約10円動きました。10円で-3000円~-3500円下げる計算です。17900円→-3000~-3500円=14900~14400円になります。111円以下の円高に向かうなら、さらに下ブレしますが、陰の極になります。
チャート的に2段下げ形成中です。色んな売り材料が重なりオーバーシュートした感あり。売られ過ぎから下げ止まれば、2段下げ後のリバウンドに向かいます。今週は祝日を挟んだSQ週と言うことも、解消売りが重なった事も下げ幅を大きくした。来週から2月SQ明け相場となります。解消売り、投げ売りが出尽くした後はリバウンドに向かう可能性はあります。
東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は1月末505銘柄(225種・58)で引けました。2/4の時点では399銘柄(225種44)→(2/10)166銘柄(225種23)まで売られ、陰の極に近づいています。いつ何かのキッカケで反転しても不思議ではありません。またこれ以上減少すると陰の極になり、売り物は無くなり反発に転じます。株価上昇には増加に戻さなければリバウンドは小さいでしょう。また反発材料により上げ幅は大きくなります。
下落局面の個別株の買い銘柄探しの特徴は、(1)大幅に売られた株。(2)下げなかった株(上昇中)です。マイナス金利で暴落した銀行株はバーゲンセール状態です。下げ止まり待ちです。上昇を維持している小型成長株、暴落局面でも下げない新興市場の上昇銘柄になります。銀行株がリバウンドに入れば、日経平均は戻りに転じます。2月SQ明けから3月SQに向けた観察ポイントです。
<NYダウ 日足チャート>
終値で昨年8月を下回りました。次は安値を更新するのも時間の問題でしょう。まだ下げ止まった感じはありません。NYダウが下げ止まらない事には、世界の株式市場も下げ止まりません。8月安値を下回るとリバウンドしそうですが、まだ不安定な動きです。
月足で見る下値支持線は60ヶ月移動平均線(15000ドル)です。下値支持線と見る水準までの下げ余地は小さいが、中期的に60ヶ月移動平均線を下回るとリーマン並の下げに発展する心配は残ります。
日足チャートでは、25日移動平均線から下放れて-カイリ幅が大きくなっています。75日移動平均線の-カイリ幅は1月安値に近づいています。ここで下げ渋るか、8月安値を下回るか。10日移動平均線からも下放れているので、もうしばらく不安定な状態は続きそうです。まず10日移動平均線を上回らないと下げ止まり確認は出来ません。10日移動平均線を上回れず下げ基調は続くか。確認するポイントです。
<ドル円 日足チャート>
世界的にマイナス金利を発表してきました。1月末121円から今週111円まで10円も円高となりました。あまりにも短期間で動いた悪影響は大きい。円高が止まらない状態では株式市場は安定しません。10日移動平均線から-カイリ幅は拡大し、オーバーシュート状態に見えます。夜間の欧米市場の動きによりますが、まず為替の落ち着きを待つところです。
10日から25日移動平均線(117円)から-カイリ幅が拡大した状態は続くのか、縮小するのか。円高続くなら株価は売られます。10日から25日移動平均線(117円)に向け戻せるか。為替動向は株式市場の方向性を見る上で重要な指標です。このあたりを観察するところです。
<日経平均 月足チャート>
月足チャートでは、2月に入り高安で-3000円以上下げ、15000円を下回りました。二段下げの下落パターンとなりました。6ヶ月移動平均線(18000円)から-3000円も下放れ、-カイリ幅は大きくなりました。二段下げのリバウンドは近づいてきた様な下げ幅です。
来週以降も下落が続くと言うより、いったんリバウンドに向かいやすい水準と見ておいた方が良いでしょう。二段下げの戻りは、あまり強くなく、日足チャートでは25日移動平均線から75日移動平均線の間までと見ておく水準です。
月足チャートで見る大底の底値圏は、9ヶ月SRV-KDが20ポイントまで下げた水準です。80ポイントから50ポイントまで下げた幅、50ポイントから20ポイントまで下げた幅はほぼ同じ幅です。中期では9ヶ月SRV-KDが50ポイントを下回り、20ポイントまで下げたと仮定すると、今の水準より株価は3000円~4000円くらい下げます。
ここから下げ幅は大きくなり二段下げで底入れするか、いったん戻り、また売られて60ヶ月移動平均線(13600円)を下回る三段下げに向かうか。短く見ても5月から6月くらいまでかかると見ています。長引けば夏以降になります。
<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>
今週はSQ週でした。「507」裁定買い残は15億株で推移しています。少し増加しましたが、小幅で推移しています。大きく増加に転じないと株価上昇に繋がりません。今週のSQ週で週末に15000円を下回ったので、さらに減少した可能性はあります。株価の下げ止まりは近くなります。
裁定買い残動向と日経平均は連動性があります。来週以降も増加に転ずるなら株価はリバウンドに向かう可能性ありです。減少が続くなら下落局面は続くと見ます。今週は大幅下落し、週末の裁定買い残は来週発表されます。引き続き、裁定買い残動向は観察ポイントです。
<日経平均 評価損率 週足チャート>
「610」評価損率(1/22)は-16%まで悪化したが、今週の下落を見ると-20%以上悪化したと思われます。多くが追い証の投げ売りだと思われます。-20%以上悪化すると、ほぼ投げ売り出尽くしの最終局面に近い数値です。
1月は12月から-4000円下げ、評価損率は-16%。今週15000円割れまで下げており、-20%以上悪化した可能性は高いでしょう。評価損率が-20%以上悪化すると、短期的に陰の極と見えます。来週は反発するか。燻り続けるか。株価水準は観察ポイントです。
<日経平均 日足チャート>
日足チャートでは、日銀サプライズの反動安は大きい。1月安値16000円を下回り、15000円を下回ってしまった。サプライズから-3000円以上下げました。12月から見るとミニ三段下げしました。75日移動平均線から-20%近く下げました。出来高は47億株と増加しました。投げ売り出尽くしは近いか。
連日30億株以上、出来高は増えてきました。週末は47億株まで増加しました。75日移動平均線から-20%まで売られた状態から出来高増加しており、かなり投げ売りが増えた事を意味します。投げ売り出尽くせば反発に転じます。目先はリバウンド待ちに見えるが、状況が悪いだけに、もう少し下ブレする余地もあり。来週SQ明けは観察ポイントです。
世界のマイナス金利時代は長引くか。中国市場は始まったらどう動く。NYダウの下げは止まらないか。円高はどこまで続く。どう動く世界市場。
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